第12話「◆ふたりの姉妹と“もふリンク”の試練」
今日もよろしくお願いします!
今回はいつものストーリー(^_-)-☆
ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!
──レイテ邸へ再訪することになり、一夜が明けた。
朝の光が、石畳の街道に柔らかく差し込む。
その道を、グリスはシロ=モッフとともに歩いていた。
背後には、バレンスタイン邸の門。そこに立っていたのは──
「本当は、わたしも一緒に行きたいんだけど……」
リーアが寂しげに微笑む。
「今日は、お父様の執務を手伝わなきゃいけなくて。長時間抜けられないの」
「大丈夫。友達の頼みを、放り出したりしないよ」
グリスは笑い、ポンと自分の胸を叩いた。
「それに──リーアのお友達なら、なおさら大事に扱わないとね」
「……ありがと、グリス」
「よしっ、モフ担当も気合入れていくぞ!」
シロ=モッフが腰に手を当てる(ぽい)ポーズで言った。
「わかったから……余計なこと喋るなよ?」
「え、癒しバフは喋ってナンボだろ?」
「……はぁ。行ってくるよ、リーア」
「うん、気をつけて! 戻ってきたら、報告ぜったい聞かせてね!」
◆ レイテ邸──再びの門前
レイナとリイナが応接間で待っていた。
静かで柔和な雰囲気をまとう女性──姉・リイナ・レイテ。
レイナとは違い、冷静で物腰柔らかな佇まい。
「昨日ぶりですね……グリスさん」
「はい。お届けした手紙……そちらの方がご覧になったと聞いて」
「ええ。あの手紙、間違いなく……父が、私たちへ残したものでした」
リイナは一瞬、目元を拭った。
「あなたのことは、友人のリーアから聞いていました。すごい、能力を持っている自慢のお友達がいるから紹介してくれると。そして、本当に頭のキレる御仁で嬉しく思うと同時に、いきなりあってぶしつけな試練へと誘ったことをまずは、謝罪させてください。」
「ちょッ!貴族様に頭を下げられると、なんかこう背中がゾワゾ和すると言いますか、とにかく頭を上げてください、二人とも。ボクらは全然気にしていませんから!」
「やさしい心遣いに感謝します。そして、私たち家族に関わってくれたこと、本当に感謝しています」
「いえ、当然のことをしたまでです」
レイナが言った。
「実は──まだ“届けるべきもの”があるの。私たちの“記憶”が残る、ある場所に案内するわ」
◆ 記憶の温室──父との最後の会話
案内されたのは、邸の裏庭にある古びた温室。
中には、今は手入れのされていない植物たちが静かに眠っていた。
「ここは……昔、お父様とよく話した場所なの」
レイナが呟く。
「だけど、この温室には“鍵”がかかってるの。記憶の魔術で封じられていて──」
リイナが付け加える。
「誰かがその記憶を“想い出”として認識しないと、開かない仕組みなのです」
「なるほど……じゃあ、思い出に触れる“物語”を辿れば──」
グリスは手を翳す。
《クロニクルベアラー:物語の視認》
彼の視界に、淡く光る足跡と、語られなかった会話の“残響”が浮かぶ。
「ここで……お父様は“未来の道”について話していた……」
だが、何かが足りない。
記憶が欠けている。
「シロ=モッフ、頼む!」
「任せろ。モフの加護、展開……《もふリンク》発動!」
周囲にふわりとした風が巻き起こる。
温室の空間が柔らかく震え、記憶の層が深く広がっていく。
──その瞬間。
「……あれ?」
グリスの手足に、ふわりとした毛並みが現れる。
もふっ……と、柔らかい感触が指先から広がった。
「モフ度、30%超えたぞ」
「うわ、ちょ、マジか……腕、もふってるぅうう!?」
「これが《もふリンク》の代償だな」
「聞いてないよ!そんなの!?」
◆ “記された記憶”と姉妹の涙
記憶が完全に紐解かれ、魔術の封印が解けた。
温室の奥、鉢植えの下に隠されていた──一本のカギと封筒。
「これは……!」
リイナがそれを開くと、父からの最後の言葉が綴られていた。
『リイナとレイナへ。君たちが記憶の回廊をクリアすると思っていたよ──
さあ、お母さんと思い出の×✖×✖✖へ』
「……あともう少し。」
「シロモフヤバいかも。ボク、帰る頃には、モフモフの人形になってるかもしれない...。」
「そしたら、オイラと一緒だね!」
「全然フォローになってないよ!それじゃ!!!」
第13話「迷宮レイテ邸と、綴られし挑戦譚」へつづく
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
謎解きも面白いものですな~( ^)o(^ )♬
書いてみると(^_-)-☆
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声NGなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
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