第4話 「◆“異世界帰り”の肩書き、履歴書に書けない」
今日もよろしくお願いします!
ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!
あと、腹筋崩壊注意報発令します~。
読むときは、電車内とか、人混みは避けて一人になれる時間帯に読んだ方が良いかもしれませぬ!
近くに人がいると、「この人何クスクス笑っているの?」って言われるかもしれませぬ故、気を付けるでござるよ!('ω')ノ
「──で、落ちた、と」
帰宅後すぐ、畳の上に投げ出されたグリスが、天井をにらみながらつぶやく。
「でも、ある意味パン屋のバイトで落ちるって、逆に才能だよね。どこに地雷あったの?」
「面接官が言ってた。“君、雰囲気が……ちょっと、異世界帰りっぽい”って」
「うん、まあ事実だけども?」
シロ=モフがポリポリと後頭部を掻きながら、気まずそうに見下ろしてくる。
「ていうか、正直に“履歴書に書ける職歴がない”って言っちゃったのが敗因じゃない?」
「だってないんだもん!異世界で“兄貴たちとキャンプやってました”とか、“魔導書の記録者やってました”なんて、どこの欄に書けって言うのさ!」
「……特技欄?」
「書けるか!!“得意な魔術:封印術(実技可)”とか採用担当ドン引きでしょ!!」
グリスは畳の上で転がりながら枕をバンバン叩く。シロ=モフはふよふよと浮かびながら、それを面白そうに眺めている。
「まあまあ、そんなにへこむなって。履歴書には書けなくても、ボクは知ってるよ。君がどれだけ頑張ってきたか──」
「急に真面目なテンションやめて!? 情緒が混乱する!!」
「……あ、ごめん。じゃあ“特技:モフ成分検知100%”で応募してみたらどう?」
「それどうやって証明すんだよ!? モフ度の試験って何!?触感テスト!?ファーの密度計られるの!?」
グリスの叫びが、狭い部屋に虚しく響く。
その後、軽く食事(という名の非常食モフスナック。モソモソしていて水必須!)を終えたグリスは、居間の端に置かれた小さな木製の卓に座っていた。そこには《記綴筆》と、《記綴録》──彼の全てが詰まった“記録の書”がある。
グリスはそれを開き、空白のページを見つめる。
「……ねぇ、シロ=モフ」
「ん?」
「ボクってさ、本当に何か“価値のあるもの”を残せるのかな。異世界で、あれだけの記録を残して、兄貴たちから魔法や筋肉トレーニング、キャンプスキル、料理スキル、罠作成、ボウイスカウトスキル(よく分かんないものもいっぱい教えてもらったけど...あれは一体何だったのかな?)だったりさ、色んなことを学んできたけど……それでも、ここに帰ってきたら“職歴なし・学歴あやしい・実績空白”だよ?」
「うん。文字にすると絶望しかないね」
「フォローしてぇぇぇえ!!?」
静かに笑ったシロ=モフは、ふわりとグリスの肩に乗った。
「でもさ、それでも君が書き続けてきたもの──あれは、“物語”だよ」
「……物語?」
「そう。記録ってのは、“残すためにある”だけじゃない。“誰かに読まれるためにある”んだよ。世界が違っても、言葉が違っても、感情は通じる。なら、君が書いたその全てには、価値があるはずだろ?」
グリスは、魔導書《記綴録》を開いたまま、その言葉を噛みしめる。
自分が、今まで何のためにこのペンを握りしめていたのか。
何度も挫けそうになっても、ページをめくり続けてきたのは、誰かに届く“物語”を紡ぎたかったからだ。
「……なるほどね。じゃあ、今日も書いてみるか」
グリスは微笑みながらペンをとり、白いページに文字を綴り始めた。
──今日、パン屋のバイトに落ちた。
“異世界帰り”という肩書きは、どうやら履歴書には向いていないらしい。
でも、シロモフが言っていた。
物語は、誰かに読まれるためにある、と。
ならば、ボクはこれからも、書き続ける。
ここで生きることを、戦うことを。
そして、笑うことを──
「……よし。とりあえず、明日は面接2件!」
「うぉ、前向きになった!」
「モフにだけは落ち込んでる顔見られたくないからな」
「ツンデレかッ!!」
その夜、グリスの部屋に、月明かりが差し込んでいた。
枕元には、ペンと記録の書。
彼の“異世界帰り”の人生は、今、現実という迷宮の中で、新しい章を歩み始めている──。
第5話「パン屋の婆ちゃんが焼く“硬すぎるパン”と涙のはなし」へ(つづく)
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
いや~、グリス君とシロモフの掛け合いが面白いですねぇ~( ^)o(^ )
グリス君が、終始振り回されている感じがしますけど、そこは愛嬌ということで
許してあげてくださいな♬
でも、こういうアップテンポなキャラクターたちの掛け合いも良いものです
なぁ~(*ノωノ)ホッホッホ♬
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