第4話②: 「“自分を信じる”って、こんなにも怖くて、あったかいんだ」
今日もよろしくお願いします!
ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…
今日のお話は、グリス君が己の心の弱さと対峙して克服していくお話になります。
ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!
――森を抜けた先に、小さな川が流れていた。
澄んだ水面に映るのは、訓練で泥まみれになった自分の顔。
ぐしゃぐしゃの髪、擦りむいた頬、そして……どこか揺れている目。
グリス:
「自分を信じるって、どうすればいいのか、わかんないよ……」
川辺に腰を下ろし、手のひらで水をすくう。
冷たさが肌を刺すようで、現実に引き戻される。
ツカサの言葉が、ふと脳裏をよぎった。
『お前が選ぶことが、お前の“運命”を変えるんだよ』
変える。
でも、その責任は、全部自分に返ってくる。
誰かの運命を背負うなんて。
そんな重いこと、怖くて当然だ。
「……なのに、なんで、ボクはここにいるんだろ」
誰にも頼まれてない。
誰かにヒーローになってくれって言われたわけでもない。
けれど。
“助けたい”と思った。
それが真実だった。
――その夜。
グリスは、初めて自分の意志でページを開いた。
【クロニクル・ベアラー:物語を綴る者】
《ステータス画面》
【名前】グリス
【称号】クロニクル・ベアラー《物語を綴る者》
【記録位階】:初等記録者
【発動スキル】:
✒ 運命改筆
└ 状態:使用可能
└ 発動条件:
・記録対象となる“未来”が明確であること
・強い情動(守りたいという意志)
・【占術エネルギー】が十分であること
・“記録対象”が本人に深く関わる存在であること
【占術エネルギー】:68%
【モフ化進行度】:6%(過剰使用時に進行)
【?????】:???????
【?????】:???????
グリス:「信じてみよう、もう一度だけ……自分の書く言葉を」
震える手でペンを握る。
《ぼくは、逃げない。
この世界が変わるかもしれない未来を、ぼくは信じる》
書いた瞬間、ページがほのかに輝いた。
だが、まだ未来は変わっていない。
それでも。
グリス:「……やっぱり、書いてよかった」
その光は、まるで「おかえり」と言ってくれたように優しかった。
ほんの一歩でも、誰かのために踏み出したその心が、
やがて誰かの運命を紡いでいく。
運命はまだ静かに眠っている。
けれど、少年の手にある“物語”は、確かに目覚め始めていた。
第4話③:「“やっぱ無理かも”って言いかけたとき、声が聞こえた気がした」
――つづく
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
今回も読了しに来てくださった皆様ありがとうございます('◇')ゞ!
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