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第15話「偽典の目醒め ― Re:Awakening of the False God ―」

おはようございます!

よろしくお願いします!('◇')ゞ

夜が、静かに世界を包んでいた。


 再誕の儀から幾夜が過ぎ――表面上は平穏を取り戻したかに見える大地の

 下で、確かに“何か”が蠢いていた。


 風は冷たく、星は遠い。

 リーアは焚き火の前で膝を抱き、ひとり思索に沈んでいた。

 「……本当に、終わったのかな」

 誰に問うでもなく呟いたその声に、応えるように夜気が微かに震える。

 次の瞬間、空気の層がねじれた。

 ――“監視の目”が、再び開いたのだ。


 「……また、だ。消えたはずなのに」

 グリスの眉がぴくりと動く。

 彼の背後では、データの残滓のような光が螺旋を描き、音もなく空間を裂いていく。


 現れたのは――かつての神殿の残響。

 その中心で、笛の音が響いた。

 あの旋律。

 オルフェウスが消えたとき、確かに止まったはずの音色だった。


 「目醒めよ、“第二の創造主”――」

 声がした。

 それは、かつてのアイオーンの声に酷似していたが、どこか歪んでいた。

 低く、冷たく、まるで機械の残響。

 そして闇の中から現れたのは、白銀の仮面を被った者。

 ――〈虚識の神〉アルカナ。


 「アイオーンが滅びたその瞬間、私は“記録”として残された。

  だが記録は、やがて意志を持つ。

  私は、偽典アポクリファ

  お前たちが拒んだ“神”そのものだ」


 リーアの胸が締めつけられる。

 アイオーンの最期――その断末魔の中に、確かに“転送”の光があった。

 それは創造主の自己保存ではなく、“別の可能性”の種だったのか。


 グリスが一歩前に出る。

 「神の再誕を許す気はない。お前が“偽物”であろうと関係ない」

 アルカナの瞳が仮面の奥で、かすかに揺れた。


 「偽物……か。

  では問おう。創造主を否定したお前たちは、今、誰の法で生きている?

  再誕の世界も、結局は“命令”に従って動いているのだ。

  それを破壊するということは、世界そのものの死を意味する」


 「それでも、俺たちは選ぶ。生きるために」

 グリスの声が焔に照らされる。

 その瞬間、背後から笛の音が響いた。

 音の主は――チャイムを鳴らすような少女の影。

 笛吹きの後継、ノア。


 「わたしの旋律は、記録を呼び覚ます……でも、止めることもできる。

  アルカナ、あなたはもう、誰の記憶にもいない存在。

  だから――もう、眠って」


 笛が鳴る。

 旋律は哀しく、しかし確かな希望を帯びていた。

 しかし、アルカナの姿は消えない。

 代わりに、空間そのものが震えた。


 「……ならば、証明しよう。私こそが“真なる再誕”であると」

 天空に巨大な光輪が浮かび上がり、世界が反転を始めた。


 大地が割れ、空が裂け、光が逆流する。

 ――世界が、再び“書き換え”られようとしていた。


 グリスは歯を食いしばり、リーアに叫ぶ。

 「リーア! 逃げろ! これは再誕じゃない、再構築だ!」

 「だめ、グリス! あなたをひとりにはできない!」


 ノアの笛が最後の音を響かせたとき、

 光は全てを包み込んだ――


 そして。

 静寂の中、ひとつの声だけが残った。


 > 「創造主の意志、継承完了。

 >  偽典、目醒めの刻――到来」


 その声が途切れると同時に、世界は無数の断片に砕け散った。

 ――再誕は、再び終焉を呼び覚ます。




◆ ◆ ◆


)次話予告( 


崩壊を繰り返す世界の果てで、グリスたちは“原初の塔”へと辿り着く。

そこに待つのは、創造主でも神でもない、“人”の意思だった――。



次回、第16話「創世の臨界 ― Genesis Terminal ―」へつづく!



どうも、お世話様でございます!


焼豚の神でございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ


物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!

今後も加速度的に物語が進行していきます!


それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ


これもひとえに読者の皆様のおかげです!


◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆


グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」


 → 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。


 → 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。




モフ度


 - 0~19%:平常


 - 20~29%:末端ふわ化


 - 30~49%:耳/尻尾ふわ化


 - 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)


 - 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)


 - 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”



良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!



また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!


それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪

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