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第13話「断罪の旋律 ― Orpheus’ Judgement ―」

おはようございます!

よろしくお願いします!('◇')ゞ

 笛の音が、血のように重く、世界を染めていた。

 オルフェウスの奏でる旋律は、もはや音楽ではない。

 それは、存在を裁く審判の音。

 “リスタート計画”の根幹を成す、断罪のコード――《オルフェウス・ジャッジメント》。


 グリスはその中心で、耳を裂かれるような痛みに耐えていた。

 剣を握る手が震え、足元が波打つ。地面そのものが記憶を失い、砂へと崩れ落ちていく。

「……この感覚、まるで世界が――自分の存在を拒んでいるみたいだ」

 リーアが杖を構えながら叫ぶ。

「グリス、意識を保って! 彼の旋律は、魂そのものに干渉してくるわ!」

「わかってる……けど、体が……勝手に……!」


 オルフェウスの仮面が淡く光る。

 その背後、黒い裂け目の奥からは幾千の声が響いていた。

 ――「秩序を乱した者を、還せ」

 ――「世界を正しく書き戻せ」

 ――「リベリオンを断て」


 リーアが顔をしかめる。

「……あれは、“管理者たち”の声?」

 オルフェウスは静かに頷く。

「そうだ。私の中に宿る、原初の意思。第零世界以前――“創造主”に最も近き存在たちの声だ」

「あなたが……その代弁者、なのね」

「代弁者ではない。**代理エミュレータ**だ。創造主の消滅後、我らは“正しさ”を模倣する役目を課された。

 だが人間たちは、それを“束縛”と呼んだ」


 グリスの瞳に、蒼い焔が灯る。

「……お前が、俺たちの運命を書き換えたのか」

「違う。運命を“修復”したのだ。 崩壊した因果を綴り直し、創造主の遺した“正しい記録”へ戻すために」

「そんなもの……!」

 グリスは叫び、剣を振り下ろす。

 その刃がオルフェウスの笛を弾いた瞬間――空間が反転する。


 世界が、裏返った。


 視界は灰色に染まり、時間が逆流するように風景が巻き戻っていく。

 ――かつての第零世界。

 破滅の直前。

 そこに立っていたのは、まだ若き日のリーアとグリス、そして一人の男。

 顔を見せぬその男が、笛を吹いていた。


「……オルフェウス、お前……この光景を、俺に見せる気か!」

「そうだ。これは“お前自身の罪”だ、グリス・アーヴェイン。

 かつてお前は、創造主の力を盗み、《リベリオン》を起動させた。

 それこそが世界の崩壊の始まり――!」

「俺が……?」

 リーアの瞳が揺れる。

「グリス、そんなはず――」

「リーア、落ち着け! こいつの言葉をそのまま信じるな!」


 しかし、記憶の中の“若きグリス”が振り返った瞬間、全てが静止する。

 その青年は確かに――創造主の座に立っていた。

 虚空の中心で、“再誕”のスイッチを押す彼の姿が、オルフェウスの告げた“罪”そのものだった。


「やめろ……やめろォォォォッ!!!」

 現実のグリスが叫び、幻を断ち切るように剣を振る。

 幻影が霧散し、世界が再び音を取り戻す。

 オルフェウスは笛を口から離し、静かに言った。

「……理解したか。お前の“反逆”こそ、創造主の欠片。

 そしてお前の存在こそが――再誕を誘発する鍵なのだ」


「俺が……創造主の欠片、だと……?」

「そう。創造主は世界を七つに分割し、その意志を人の中に分け与えた。

 “リベリオン”とは、創造主の叛逆心が宿る器。お前はその核だ」


 リーアが息を呑む。

「じゃあ、あなたたち“管理者”は、その力を――」

「抹消するために存在する。創造主の“再誕”を防ぐために、我らは世界の監視者となった」


 グリスは目を閉じ、ゆっくりと息を吐いた。

「……そうか。なら、はっきりしたな」

 オルフェウスの瞳が細められる。

「何がだ」

「お前たちの“秩序”が、創造主の“自由”を封じてる。

 なら俺は――その鎖を断ち切る」


 グリスの剣が蒼く燃え上がる。

 蒼炎が音を呑み込み、笛の旋律を喰らう。

「これが、俺の断罪ジャッジだ――オルフェウスッ!!」


 オルフェウスもまた、笛を構えた。

 音と刃。秩序と反逆。

 二つの“創造主の遺志”が、ついに衝突する。


 ――断罪の旋律が鳴り響き、世界の天蓋が震える。

 この戦いの果てに、真の創造主の記憶が呼び覚まされることを、

 まだ彼らは知らなかった。



◆ ◆ ◆


) 次話予告(


オルフェウスとの激闘の果て、明かされる“創造主の真名”と、世界の根幹に刻まれた最終命令オーダー


そして、リーアが見た「再誕の未来」――運命の選択が迫る。


第14話「創造主の残響 ― The Last Code ―」へつづく!


どうも、お世話様でございます!


焼豚の神でございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ


物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!

今後も加速度的に物語が進行していきます!


それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ


これもひとえに読者の皆様のおかげです!


◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆


グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」


 → 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。


 → 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。




モフ度


 - 0~19%:平常


 - 20~29%:末端ふわ化


 - 30~49%:耳/尻尾ふわ化


 - 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)


 - 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)


 - 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”



良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!



また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!


それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪


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