第9話「零よりの再誕 ― Re:Link of Rebellion ―」
おはようございます!
よろしくお願いします!('◇')ゞ
――“第零世界”が、崩壊を始めていた。
天地が反転し、虚空の大地が白と黒の光に引き裂かれていく。
法則の鎖が軋み、重力も時間も曖昧に滲む。
その中心に立つのは、グリスとリーア。そして――“笛吹きの男”。
「……リベル」
リーアが呟いた。
その名を呼ぶ声は震えていたが、確かだった。
かつて彼らと笑い合い、未来を語り合った幼馴染。
“笛吹きの男”の正体は、少年リベル・クロウ。
失われた約束の記憶とともに、今ふたたび現れたのだ。
だが、彼の瞳には光がなかった。
空虚。まるで魂を誰かに貸し与えたかのような、虚ろな灰色。
「ようやく……思い出したか、リーア。
でも、もう遅い。ぼくは、“創造主”に選ばれた。
この世界を正しく、やり直すために。」
彼の背後に、歪んだ光輪が浮かぶ。
その輪は人間の意志ではなく、“理そのもの”が宿した形。
ヴァルツェル卿の声が空間に重なった。
「――これこそが“再構築計画:Re:Genesis”。
虚構を壊し、真実を上書きする。
神の手による、新しい世界の誕生だ。」
世界の基盤が震え、グリスの膝が崩れた。
脳裏を焼くような疼痛が走り、記憶が洪水のように流れ込む。
戦いの記憶、仲間たちの声、そして“別の自分”の視点――。
――俺は……何度、この世界を繰り返してきた?
リーアが彼を支える。
だが、グリスの胸に宿る“反逆因子”が暴走を始めていた。
淡い青が、深紅へと反転する。
「違う……違うんだ、ヴァルツェル卿。
世界をやり直すんじゃない。
“繋ぐ”んだ……俺たちが生きた証を――!」
その瞬間、グリスの全身から光の線が奔った。
彼の中の“リベリオン”が再構築を拒み、逆位相の力を放つ。
それは、虚構を壊すためではなく、
**「虚構と真実を結び直す」**ための反逆。
“Re:Link of Rebellion”――。
新たな名を得た反逆の系譜が、世界そのものを書き換えていく。
リーアの氷剣が、リベルの笛に触れた。
ガラスが割れるような音。
同時に、空間全体が蒼白く染まる。
リベルの瞳に、かすかな光が戻った。
「……グリス……リーア……ぼくは……」
だが、その言葉を遮るように、
上空に“それ”が現れた。
――巨大な瞳。
幾何学的な文様を宿した、無機の意志。
その瞳は世界を見下ろし、声なき声を響かせた。
『観測完了――再誕フェーズへ移行。
指定因子:
グリス=ユズリハ、
リベル=クロウ、
リーア=ヴァレンスタン。
創造主ノ座ヲ開放――。』
空が割れ、金色の光柱が降り注ぐ。
ヴァルツェル卿が狂気の笑みを浮かべた。
「ようやくだ……! “真なる創造主”が、目覚める!」
グリスは光の中で叫んだ。
「創造主なんて――いらない!
俺たちの世界は、誰かの手で作られるもんじゃない!」
リーアの声が重なる。
「そうよ! 私たちは“生きてきた”。
痛みも、願いも、全部、現実だった!」
リベルが笛を握りしめ、微笑んだ。
「なら……もう一度、奏でよう。
――約束の旋律を。」
三人の光がひとつに重なった。
それは破壊ではなく、“再誕”の光。
虚構が溶け、真実が滲み、そして――世界が、静かに息を吹き返した。
◆ ◆ ◆
) 次回予告(
崩壊した第零世界の奥底で、真なる意志が芽吹く。
“創造主”とは誰か。そして、世界は誰の手で繋がれるのか。
その答えが、いま語られる――。
― 第10話「創造主ノ座 ― The Seed of Rebirth ―」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




