第8話「原初層への降下 ― Rebellion Code:∞ ―」
おはようございます!
よろしくお願いします!('◇')ゞ
――それは、世界が“再び”誕生する音だった。
白い閃光が収まったとき、グリスとリーアは空中に浮かんでいた。
眼下に広がるのは、見たこともない景色。
大地は幾千もの記号で構成され、空には数式が流れている。
生き物の影はなく、代わりに――“光の柱”がいくつも呼吸していた。
「……ここが、“第零世界”……」
リーアが震える声で呟く。
風も、温度も、時間すらも存在しない空間。
だが、確かに何かの“心臓の鼓動”が聞こえていた。
グリスは胸に手を当てる。
リベリオンの紋章が淡く光り、鼓動と共鳴していた。
「この鼓動……まるで、俺たちの世界が“生きてる”みたいだ」
リーアは目を細める。
「ええ。でも……感じるわ。どこかに、“あの人”の気配がある」
その瞬間、空間に黒い亀裂が走った。
そこから、銀の仮面と漆黒の外套を纏った男が歩み出る。
――ヴァルツェル卿。
「やはり来たか、我が愛しき駒どもよ」
彼の声は、空間全体に反響するように響いた。
足元の記号が次々と崩れ、彼の周囲に渦を巻く。
「第零世界は、この世界すべての原型……創造主が残した設計図だ。
そして、私はその“編集権限”を手に入れた」
リーアが一歩前に出る。
「あなたが……すべての黒幕なのね。帝国の戦争も、リスタートも……!」
ヴァルツェルは口の端をわずかに吊り上げた。
「黒幕? 違うとも。私はただ、“滞った世界”を動かそうとしているだけだ。
見よ、同じ歴史を繰り返し、同じ人間が同じ悲劇をなぞる。
その因果を断ち切るには、再構築――リスタートしかないのだ。」
グリスが拳を握る。
「それを正義だと言うのか……! 奪って、操って、すべてを壊すことが!?」
ヴァルツェルは肩をすくめた。
「君は理解していない。“壊す”のではない、“創る”のだ。
私は神の残した“空白”を埋めるだけ。
この世界を、“完全な幸福”に書き換える。」
その言葉に、リーアの顔が歪む。
「そんなもの、幸福じゃない! “痛み”も“涙”も、“選んだ過去”があるからこそ人は強くなれるのよ!」
ヴァルツェルの瞳が、僅かに揺れた。
一瞬だけ、彼の中に“人間の影”が見えた。
だが次の瞬間、その表情は冷たく閉ざされる。
「やはり、君たちは“拒絶”するのか。
……フム、どうやら運命とは因果なもののようだ。
リスタートさせても、またこうして巡り合うことになろうとは。」
グリスの脳裏に、笛吹きの男の言葉が蘇る。
“ヴァルツェルは、私の影”――
「つまり……お前が壊そうとしてるのは、世界じゃない。
お前自身なんだな。」
その一言に、ヴァルツェルの瞳が見開かれる。
黒い空間が震え、雷鳴が轟く。
「黙れッ!! 私に人間の理屈を押しつけるな!!
この世界の不完全さを、貴様らは何度見てきた!?
愛する者が死に、民が飢え、国が崩れる――それを、“正しい”と呼ぶのかッ!」
空が裂け、無数のコードが渦巻く。
その中心にヴァルツェルが立ち、右手を掲げる。
「来い、《創造兵装:ゼロ・シグマ》!」
虚空から、黒と銀の翼を持つ機構獣が出現する。
その咆哮が、世界そのものを震わせた。
「これが、“神の意志”を再現した兵装だ……さあ、選べ。
虚構に抗うか、真実に沈むか。」
グリスは一歩前へ。
リーアの手を取り、微笑んだ。
「選ぶまでもないさ。俺たちは――抗うために生きてる。」
紋章が輝き、赤と銀の光が交錯する。
二人の身体が宙へと浮かび、無数の紋様が翼を形作る。
「行くぞ、リーア!」
「ええ、共に――!」
リベリオンの波動が爆発し、黒と銀の光が衝突した。
虚空が裂け、無限の数式が弾け飛ぶ。
その一撃が、世界の理すらも書き換えるかのように――。
帝都中枢。
仮面の男――ヴァルツェルの影が、崩壊する映像を見つめていた。
静かに笛を取り出し、唇に当てる。
「運命は、また“零”に還る。
だが、その選択こそが、人という存在の証だ。」
笛の音が響く。
現実と虚構をつなぐ旋律が、再び物語を紡ぎ始めた。
◆ ◆ ◆
――次回――
世界はひとつの選択を経て、再び“書き換え”の刻へ。
そして、真なる創造主が姿を現す。
第9話「零よりの再誕 ― Re:Link of Rebellion ―」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




