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第6話「リスタート・ゼロ ― 壊れた輪廻 ―」

おはようございます!

よろしくお願いします!('◇')ゞ

――その夜、世界がひとつ“軋んだ”。


時間が、音を立ててずれる。

森を覆っていた闇が、まるで誰かの意志によって“再編集”されていくようだった。


リーアたちは、戦いの最中でその異変を感じた。


「……ライナー、地面が……動いてる!?」

「違う、これは……世界そのものが、巻き戻っている……!」


周囲の木々が歪み、森の輪郭がぐにゃりと曲がる。

空間が繋がり直し、月光が真紅に染まった。


「これは……ヴァルツェルの“再構築コード”だ!」

セフィーナの声が震えた。

「この領域そのものを、“やり直し”してるのよ!」


モッフが毛を逆立てて吠える。

「おいおいおい! 世界をCtrl+Zすんなぁ!!!」


リーアは空を仰いだ。

天を割るように巨大な“目”が開く――蒼白の光。


その中心に浮かぶ影。

紅蓮の杖を手にした、ヴァルツェル卿の“本体”だった。




◇帝国元老院・深層中枢《第零議会室》


重厚な魔導機構が唸りを上げ、壁面の魔方陣が連動する。

巨大な水晶盤に映るのは――グリスの姿。

黒い虚空の中、鎖に繋がれたまま浮かんでいた。


「これが……“輪廻核”の中枢個体、グリス・クローヴァン」

ゾル博士が興奮したように記録装置を叩く。


ヴァルツェル卿は静かに頷く。

「この世界は繰り返し再起動されてきた。

 我々が神々に背き、“因果の修正”を奪った日から、ずっとだ。」


「そして今、グリスはその“バグ”を体現している。

 記憶の断絶を超え、感情を保持し続ける……。

 まるで、神の規定を拒むかのように。」


「ゆえに――彼を観測し、“新たな世界線”を刻む」

ヴァルツェル卿は手を掲げた。


「再構築計画:《リスタート・ゼロ》。

 全輪廻を初期化せよ!」


冷酷な号令と同時に、水晶体が砕け散る。





◇虚空の中 ― グリス視点


……暗い。

無限に続く黒の中で、鼓動の音だけが響いていた。


「……ここ、は……?」


意識が、ひとつの記憶を掘り起こす。

“空から落ちた日”、

“リーアの笑顔”、

“仲間との焔”。


だが、その記憶たちは手のひらから砂のようにこぼれ落ちていく。


「ま、待て……消えるな……! 頼む、まだ、あいつらの顔を――」


その時、虚空の中に声が響いた。

『抵抗は無意味だ、グリス。お前の感情も記憶も、既に解析済みだ。』


ヴァルツェル卿の声。

そして、その背後から――あの笛の音が流れた。


(……笛吹きの男……!?)


『君の感情を、我々の“世界再構築コード”に組み込む。

 お前の“愛”も“怒り”も、“因果の燃料”として利用させてもらう』


グリスは歯を食いしばり、叫んだ。

「……ざけんなッ! 俺の感情を、世界の燃料にしてたまるかよッ!!」


両腕を縛る鎖が鳴る。

だがその奥――胸の奥から光が滲み出した。


(あの時、約束しただろ……リーア……俺は――)


――“必ず戻る”って。


蒼い閃光が爆ぜた。

鎖が砕け、虚空に亀裂が走る。


ヴァルツェル卿の瞳が一瞬見開かれる。


「……リスタートの拒絶反応だと……?

 馬鹿な、完全抹消コードを……力で、破っている……ッ!」


グリスは腕を広げ、叫んだ。


「俺の記憶も、感情も、仲間も――“世界の都合”なんかで壊させねぇッ!!」


光が爆ぜ、虚空を切り裂く。


「――リベリオン・コード/反逆式起動リベリオン・シーケンス――ッ!!」


世界が反転する。

虚空の鎖が破壊され、紅と蒼の雷が奔った。





◇現実世界 ― 森の戦場


リーアが振り返る。

天の裂け目から、紅い流星が降り注ぐ。


「……グリス……!」


その声に呼応するように、空が轟いた。

雷鳴が咆哮となり、閃光が魔導兵たちを貫く。


紅蓮の中に、ひとりの影が立っていた。

ボロボロの外套、しかし瞳は確かに“生きて”いた。


「……待たせたな。みんな」


モッフが歓声を上げる。

「グリスぅぅぅ! お前、リスタートしてんのにバグって戻ってきやがったのか!?」


「おうよ、バグでもなんでも上等だ。

 “神様の仕様”ごと叩き壊してやるよ!」


リーアが涙をこぼしながら駆け寄る。

「グリス……! 本当に……!」


「だから言ったろ。何度でも戻ってくるって」


二人の手が触れた瞬間、

紅と蒼の光が交わり、爆発的な魔力が迸った。


その光景を、遠くの塔からヴァルツェル卿が見下ろす。


「フム、やはり運命とは因果なものだ。

 リスタートさせても、またこうして巡り合うことになろうとは」


しかし、その口元には――かすかな笑み。


「面白い。ならば、“第零世界”の門を開こう」


その言葉とともに、帝都の中心で巨大な魔導環が回転を始めた。



第7話「虚構と真実の狭間 ― 第零世界への扉 ―」へつづく!



どうも、お世話様でございます!


焼豚の神でございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ


物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!

今後も加速度的に物語が進行していきます!


それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ


これもひとえに読者の皆様のおかげです!


◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆


グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」


 → 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。


 → 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。




モフ度


 - 0~19%:平常


 - 20~29%:末端ふわ化


 - 30~49%:耳/尻尾ふわ化


 - 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)


 - 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)


 - 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”



良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!



また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!


それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪


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