第3話「再構築計画:リスタート ― 運命の円環 ―」
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――黒き塔の最上層。
冷たい光が床の魔法陣を照らし、虚空へと伸びる無数の紋章が脈動していた。
そこに立つのは、帝国元老院の一角――ヴァルツェル卿。
その眼差しは深紅に染まり、まるで世界の仕組みそのものを見通しているかのようだった。
「……再構築計画、第二段階に移行する」
ヴァルツェルは静かに呟く。
その隣には、狂気の科学者ドクトル=マーデンが笑みを浮かべていた。
「フフ、また愚かな魂を削り取るのですねぇ? あの少年――グリス、とやらの?よいのですか、また壊れるやもしれませんよ。」
「奴は“鍵”だ。リスタートを成すための媒介体。
破壊と再生、その均衡を司る特異点――“あの血”は、もはや偶然ではない」
マーデンが舌なめずりをした。
「……ならば、次は“記憶と感情”の操作ですな。あの娘――リーア・ヴァレンスタン。彼女の感情を崩壊させれば、少年の覚醒は早められるでしょう」
「焦るな」
ヴァルツェルの声は低く、しかし絶対的な力を孕んでいた。
「運命とは、いずれ“因果”に導かれる。
……我々がそれを仕組み直すだけのことだ」
一方その頃。
凍てつく山脈を越え、リーアたちは旅路にあった。
夜風が銀の髪を揺らす。
焚き火の灯りの中、リーアはグリスの名を小さく呟く。
「……グリス。あなたを、もう一度――」
隣で剣を研いでいた傭兵リュカが口を開いた。
「本気か、リーア。帝国の手が回ってる。奪還なんて無謀だ」
「それでも、行く。彼は……まだ、あの“約束”を覚えているはずだから」
“約束”。
幼き日の、陽だまりの丘で交わした小さな誓い――。
『絶対に、守るから。泣くなよ、リーア。』
『うん……じゃあ、わたしも約束する。あなたが迷ったら――この笛の音で呼び戻すね。』
懐から取り出した笛。
それは、あの“笛吹きの男”が残していった不思議な笛と、形が酷似していた。
リーアは気づいていなかった。
その笛は、帝国の「リスタート計画」の最初の“実験装置”だったということを――。
その夜、風が止み、空に紅い月が昇った。
リーアの夢の中に、声が響く。
『リーア……やはり、君は来るのだね』
笛吹きの男――仮面をつけた影が、霧の中に立っていた。
「あなたは……!」
『止めることはできない。だが、抗うことはできる。
あの少年は“リセットされた記憶”の中で、再びお前を探している。
運命の円環は、まだ閉じてはいない――』
霧が晴れた瞬間、リーアの胸が痛んだ。
何かが呼び覚まされる。
あの“幼き日の約束”の残響が、今、確かに蘇った。
帝国・中央議事堂。
ヴァルツェル卿は、仮面の男の報告を受けながら口角を上げた。
「フム……笛吹きの“残響”が、再び動き出したか」
「リーア・ヴァレンスタンは、いずれ“鍵”に辿り着きます」
「それでいい」ヴァルツェルは低く笑った。
「運命とは因果なもののようだ。
リスタートさせても、またこうして巡り合うことになろうとは――」
その声には、悲哀とも歓喜ともつかぬ深い響きが宿っていた。
夜明け。
リーアは立ち上がる。
「行こう。彼を……“グリス”を、取り戻すために」
仲間たちは頷いた。
雪原に、ひと筋の光が差す。
それは、失われた運命を“再構築”するための旅の始まりだった。
第4話「記憶の残響 ― 呼び覚まされた誓い ―」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




