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第3話「再構築計画:リスタート ― 運命の円環 ―」

おはようございます!

よろしくお願いします!('◇')ゞ

――黒き塔の最上層。

冷たい光が床の魔法陣を照らし、虚空へと伸びる無数の紋章が脈動していた。


そこに立つのは、帝国元老院の一角――ヴァルツェル卿。

その眼差しは深紅に染まり、まるで世界の仕組みそのものを見通しているかのようだった。


「……再構築計画リスタート、第二段階に移行する」

ヴァルツェルは静かに呟く。


その隣には、狂気の科学者ドクトル=マーデンが笑みを浮かべていた。

「フフ、また愚かな魂を削り取るのですねぇ? あの少年――グリス、とやらの?よいのですか、また壊れるやもしれませんよ。」


「奴は“鍵”だ。リスタートを成すための媒介体ミディエータ

 破壊と再生、その均衡を司る特異点――“あの血”は、もはや偶然ではない」


マーデンが舌なめずりをした。

「……ならば、次は“記憶と感情”の操作ですな。あの娘――リーア・ヴァレンスタン。彼女の感情を崩壊させれば、少年の覚醒は早められるでしょう」


「焦るな」

ヴァルツェルの声は低く、しかし絶対的な力を孕んでいた。

「運命とは、いずれ“因果”に導かれる。

 ……我々がそれを仕組み直すだけのことだ」


一方その頃。

凍てつく山脈を越え、リーアたちは旅路にあった。


夜風が銀の髪を揺らす。

焚き火の灯りの中、リーアはグリスの名を小さく呟く。


「……グリス。あなたを、もう一度――」


隣で剣を研いでいた傭兵リュカが口を開いた。

「本気か、リーア。帝国の手が回ってる。奪還なんて無謀だ」


「それでも、行く。彼は……まだ、あの“約束”を覚えているはずだから」


“約束”。

幼き日の、陽だまりの丘で交わした小さな誓い――。


『絶対に、守るから。泣くなよ、リーア。』

『うん……じゃあ、わたしも約束する。あなたが迷ったら――この笛の音で呼び戻すね。』


懐から取り出した笛。

それは、あの“笛吹きの男”が残していった不思議な笛と、形が酷似していた。


リーアは気づいていなかった。

その笛は、帝国の「リスタート計画」の最初の“実験装置”だったということを――。


その夜、風が止み、空に紅い月が昇った。


リーアの夢の中に、声が響く。

『リーア……やはり、君は来るのだね』


笛吹きの男――仮面をつけた影が、霧の中に立っていた。

「あなたは……!」


『止めることはできない。だが、抗うことはできる。

 あの少年は“リセットされた記憶”の中で、再びお前を探している。

 運命の円環は、まだ閉じてはいない――』


霧が晴れた瞬間、リーアの胸が痛んだ。

何かが呼び覚まされる。

あの“幼き日の約束”の残響が、今、確かに蘇った。


帝国・中央議事堂。


ヴァルツェル卿は、仮面の男の報告を受けながら口角を上げた。

「フム……笛吹きの“残響”が、再び動き出したか」


「リーア・ヴァレンスタンは、いずれ“鍵”に辿り着きます」


「それでいい」ヴァルツェルは低く笑った。

「運命とは因果なもののようだ。

 リスタートさせても、またこうして巡り合うことになろうとは――」


その声には、悲哀とも歓喜ともつかぬ深い響きが宿っていた。


夜明け。

リーアは立ち上がる。


「行こう。彼を……“グリス”を、取り戻すために」


仲間たちは頷いた。

雪原に、ひと筋の光が差す。


それは、失われた運命を“再構築”するための旅の始まりだった。



第4話「記憶の残響 ― 呼び覚まされた誓い ―」へつづく!




どうも、お世話様でございます!


焼豚の神でございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ


物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!

今後も加速度的に物語が進行していきます!


それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ


これもひとえに読者の皆様のおかげです!


◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆


グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」


 → 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。


 → 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。




モフ度


 - 0~19%:平常


 - 20~29%:末端ふわ化


 - 30~49%:耳/尻尾ふわ化


 - 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)


 - 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)


 - 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”



良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!



また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!


それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪


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