第3話④:「“書いた未来”が本当に変わるなら──ボクは迷わず、もう一度」
今日もよろしくお願いします!
今日のお話には、センシティブな内容が含まれているため、苦手な人は流し読みで飛ばしながら読み進めていった方がいいかもしれないです。今回ストーリーがようやく動く兆しが見えます。ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…
ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!
――夜が明けるころ、森の奥に小さな陽が差し込んだ。
焚き火の名残が、まだ微かに赤く残っている。
神様兄弟が眠る静かな時間、グリスだけが目を覚ましていた。
(……ボクは、本当に変えられるのか?)
膝に置いた“本”が、静かに脈を打っているような気がした。
その表紙には、昨日見た未来の記録はもう残っていなかった。
だが、それは決して“なかったこと”になったわけではない。
書き換えるか、書き換えないか。
それを決めるのは、他の誰でもない、“自分自身”だ。
グリス(モノローグ):
「怖いよ、そりゃ。……変えようとして、もっと悪くなったらどうするの?」
「誰かを守りたいって書いて……守れなかったら?」
ふと、記録の書がゆらりと揺れた。
新たなページが、ひとりでに開かれる。
そこには――
【クロニクル・ベアラー:物語を綴る者】
《ステータス画面》
【名前】グリス・リーヴァル
【称号】クロニクル・ベアラー《物語を綴る者》
【記録位階】:初等記録者
【発動スキル】:
✒ 運命改筆
└ 状態:使用可能(発動条件を満たす必要あり)
└ 発動条件:
・記録対象となる“未来”が明確であること
・強い情動(守りたいという意志)
・【占術エネルギー】が十分であること
・“記録対象”が本人に深く関わる存在であること
【占術エネルギー】:72%
【モフ化進行度】:5%(過剰使用時に進行)
【?????】:????????
【?????】:????????
※一部機能は未開示状態。成長に応じて解放されます。
グリス(心の声):「……やれるのかな、ボクに」
でも、そのとき胸に浮かんだのは――
あのサファイアのような瞳。
『きみは、たぶん遠くに行ける人だと思うんだよね』
リーアの、あの笑顔だった。
少年は立ち上がる。
未だ拙く、未熟で、弱さを抱えたまま。
だがその手には、未来を綴るための“ペン”があった。
――そして、その日。
神様兄弟に事情を話したグリスは、訓練の休止を願い出た。
ツカサは驚いたように眉を上げたが、何も言わなかった。
レンジはただ、無言でページを閉じて、頷いた。
その日の午後、グリスはたったひとりで山へ向かった。
まだ、誰にも言えない“未来”の記録を胸に。
“運命改筆”。
それが本当に使えるかどうかもわからない。
でも。
グリス:「やるよ……ボクは、やる。
あの日の未来を塗り替えるために。
ボクが“記録を綴る者”として、生きるために──」
本が、また静かに光を灯す。
未来は、まだ変わっていない。
だが、その第一歩は、確かに踏み出された。
第4話①:「弱さを抱えてるのは、ボクだけじゃない──だから、」
――つづく
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
今回も読了しに来てくださった皆様ありがとうございます('◇')ゞ!
遂に主人公が得た能力の片鱗が見え隠れしてきました!
これから、グリス君がどのように町の危機と”あの子”を救っていくのか。そして、神様兄弟たちはいったい何者なのか、徐々に明らかになっていきます。今後のストーリー展開を、お楽しみに(^_-)-☆
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