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第27話 「森の笛吹き」

おはようございます!

よろしくお願いします!('◇')ゞ

――森の空気が凍りついた。


夜風に乗って響く笛の音は、どこか不快で、耳の奥をかき乱すように甲高い。

その旋律に応えるかのように、周囲の魔獣たちが次々と姿を現し、木々の間から赤い眼を光らせていた。


「……来たな」

グリスが剣を抜き、リーアを庇うように前へ出る。


木立の影から、ゆっくりと歩み出る影があった。

フードを深く被り、手には銀色の笛――古代文字が刻まれた“禁忌の魔笛”を携えた人物だ。


「ふふ……やはりここに現れましたか、ヴァレンスタン家のお嬢様」


ぞくり、とリーアの背筋を冷たいものが走った。

声に聞き覚えがある。

だが、その名を思い出すよりも先に、相手の言葉が心臓を締め上げる。


「なぜ……わたくしの名前を……」


フードの人物は笛を下ろし、静かに告げる。

「我らの“主”が、あなたを必要としているのですよ。癒しの力を持ち、ヴァレンスタイン家の血を引く――稀代の器を」


グリスが声を荒げた。

「ふざけるな! こいつはただの幼馴染だ! 勝手に“器”だの“主”だの……意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇ!」


「意味がわからぬのは当然です。彼女自身、まだ気づいていないのですから」

フードの人物は淡々と語り続ける。


「ヴァレンスタンの血脈には、“女神の恩寵”が宿っている。癒し、浄化、導き――それは国家を揺るがすほどの力。ゆえに、支配者は恐れるのです。いずれ、その力が王権すら凌駕するのではないかと」


リーアは愕然とした。

自分の力が「恐怖」や「脅威」として数えられている――そんな現実を突きつけられ、手が震える。


「お嬢様、あなたの力は人を救う。しかし同時に、人を狂わせるのです。その輝きはあまりにまぶしい。だからこそ――“主”は、あなたを檻に閉じ込めようとしている」


「……主?」

グリスが眉をひそめる。

「誰の差し金だ……! まさか、王家の……」


フードの人物は笑わなかった。ただ淡々と、事実を告げる者のように。

「あなたたちは、すでに大きな流れに飲み込まれている。抗おうが、逃げようが無駄です」


リーアの瞳が揺れる。

「わたくしは……ただ、皆を癒したいだけなのに……」


その言葉に、グリスは彼女の肩を掴み、力強く言い放った。

「リーア。そんなの、テメェが決めることじゃねぇ! “主”だかなんだか知らねぇが、勝手にお前を道具扱いするやつらは――全部俺がぶっ壊す!」


その瞬間、フードの人物が笛を持ち直した。

短く鋭い旋律。


――咆哮。


周囲の闇から、一斉に魔獣が飛び出した。

木々が揺れ、地面が震え、森全体が殺意で満ちる。


「説明は……ここまでです」

フードの人物の声が、不気味に森へ溶けた。


「……チッ、やっぱり戦闘かよ!」

グリスが剣を構える。

リーアも唇を噛み、杖を握りしめた。


――次の瞬間、戦いが始まろうとしていた。



第28話「森に響く戦火」へつづく!



どうも、お世話様でございます!


焼豚の神でございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ


物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!

今後も加速度的に物語が進行していきます!


それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ


これもひとえに読者の皆様のおかげです!


◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆


グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」


 → 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。


 → 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。




モフ度


 - 0~19%:平常


 - 20~29%:末端ふわ化


 - 30~49%:耳/尻尾ふわ化


 - 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)


 - 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)


 - 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”



良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!



また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!


それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪


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