第22話 「族長の試練はバカバカしすぎて涙が出る!?」
おはようございます!
よろしくお願いします!('◇')ゞ
オークの族長が放った重い一言――
「……ならば、お前に“試練”を与えよう」
場の空気はピリリと張りつめる。
オークたちが一斉に息を呑み、グリスはごくりと喉を鳴らした。
(き、来た……! これは絶対に“命を懸けた戦い”とか……“生死を分ける闘技”とか……そういうヤツだ……!)
グリスはゴクリと唾を飲み、身を構える。
だが、族長の口から飛び出した試練は――。
「――“肉の早食い勝負”だ」
「………………」
「…………………………は?」
しばし静寂。
次の瞬間――。
「ちょ、ちょっと待てぇぇえええええ!? なんで命を賭けて肉食わなきゃいけねぇんだよォォ!!!」
オークたちは一斉に大歓声を上げる。
「出たぞ! 伝統の試練だ!」
「そうだそうだ! オークの真価は胃袋で決まる!」
「弱き者は肉で潰える! それが掟だ!」
(掟おかしいだろ!? 胃袋で決まる民族って何!?)
グリスは心の中で盛大に突っ込みを入れる。
すると、隣で酒臭い毛玉がごろんと転がった。
「ひっく……ははっ……やったなグリス……! お前の“もふ胃”が試されるんだぞ……!」
「誰がもふ胃だ! お前も食えよモッフ!!」
「俺? 俺は見届け人だから」
「今決めたな!? 今決めただろその立ち位置!!」
だが抗議も虚しく、巨大な丸焼き肉がドンッと運び込まれ、競技台の上に置かれた。
直径はグリスの身長を超える。
もはや凶器である。
族長は仁王立ちで叫ぶ。
「人間よ! 我らが誇る“オーク胃袋道”に挑め!」
「誇るなぁぁぁぁあ!!」
◆ ◆ ◆
開始の合図と同時に、オークの挑戦者たちが一斉に肉へとかぶりつく。
ガツガツガツッ! バリバリバリッ!
音がもう戦場。
一方のグリス。
「ちょっ……! 骨太すぎて歯が通らねぇ!? てか肉が石みたいに固いんだけどォォ!!!」
「弱音吐くなグリスぅぅ! オークたちは“顎筋”で進化してきた種族なんだぞぉ!」
「進化の方向性どうなってんだこの世界ェェ!!」
さらに試練は続く。
第二ラウンドは“酒樽一気飲み”――。
「うわあああ胃が焼けるうう!!!」
「へへっ……酔え酔えグリス……俺と同じ道に落ちてこい……」
「誰が酔いどれ毛玉ルート進むかぁぁぁ!!」
第三ラウンドはまさかの“歌合戦”。
族長「♪おぉぉ肉よォ~~」
オーク軍団「♪肉ォ~~!」
「なんで急にカラオケ大会!?!? これ試練関係ある!?!?」
グリスはヘロヘロになりながらも、奇跡的に最後まで残った。
族長が豪快に笑い、肩を叩く。
「よくぞここまで耐えた! お前の胃袋と喉は、確かに勇者の証だ!」
「そんな証いらねぇぇぇえええええ!!!」
しかしオークたちは総立ちで拍手を送る。
「すげぇ……人間なのに……」
「胃袋で我らに並んだぞ!」
「いや並んでねぇからな!? 途中全部ギリギリだったからな俺!!」
こうしてグリスは、望まぬままオークたちから“勇者候補”として一目置かれる存在になってしまったのであった。
――次なる試練が、さらにカオスな展開を呼ぶとも知らずに。
第23話 「族長の真の試練!? ……って結局キノコ採りかよ!?」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




