第19話「脱出?いや、大脱線!」
おはようございます!
よろしくお願いします!('◇')ゞ
――木々の間から、ぼんやりと赤い光が漏れていた。
グリスとシロ=モッフは息を潜め、その先を覗き込む。
「……おい、あれ見えるか?」
「うん、なんか焚き火っぽい……けど、妙にでっかくない?」
森の奥で揺らめく炎の正体は、巨大な肉の塊を炙る焚き火だった。
そしてその周囲に腰かける影の数々。
大柄なオークたちが、酒を回し合いながら肉を切り分け、宴を繰り広げているではないか。
「……宴会中のオーク部隊って、あれだな」
「なに?」
「乱入フラグの塊だな」
「うわ、やだなそれぇぇ!」
ふたりは全力で物陰に隠れた。だが――。
「……ぐぅぅぅ」
「……って、誰だ今鳴ったの!?」
「ご、ごめん……俺の腹だ……!」
グリスの腹の音が、森に響き渡る。宴会場にいたオークたちの視線が、一斉にこちらを向いた。
「……人間?」
「しかも、ひとりと……毛玉?」
「毛玉言うな!!」シロ=モッフが即座にツッコミを入れる。
場が凍り付いた次の瞬間――。
「おおっ、人間! しかも旅人か!」
「宴だ宴! 仲間に入れろ!」
まさかの展開。オークたちは、グリスとシロ=モッフを引きずり出し、空いている丸太に座らせた。
次々と差し出される肉と酒。
「……ちょ、ちょっと待て!? 俺たち捕虜とかじゃなくて?」
「何言ってんだ人間! 宴は分け合うものだろうが!」
「……いや、常識壊れてない!?」
「グリス、食べよ……これ、美味しい……!」
シロ=モッフはすでに大きな骨付き肉を抱えてかじっていた。
「お前、順応はやっ! 俺の緊張返せ!」
そして、酔っ払いかけたオークの一人が言った。
「よぉ人間、あんた……あの“聖女セフィーナ”を探してるって噂を聞いたぜ?」
グリスの手が止まる。シロ=モッフも肉をかじるのをやめた。
「……おい、なんでその名前を……?」
宴はにぎやかさを増す一方で、その中心には不穏な影が忍び寄っていた。
――森の奥の晩餐会は、ただの宴ではなかったのだ。
第20話 「オークたちの酔いどれ情報網!?」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




