第18話「牢屋のVIP、衝撃の正体」
おはようございます!
よろしくお願いします!('◇')ゞ
――ガシャン。
鉄格子が音を立てて閉まる。
グリス:「……はぁ……また牢屋かよ。なんで俺、異世界来てから牢屋率こんなに高いんだ……」
モッフ:「ご主人、牢屋マスターの称号を差し上げますぞ」
グリス:「嬉しくねぇわ!!」
牢屋の中は思いのほか広い。薄暗いが、隅には誰かの気配がある。
グリスは眉をひそめて声をかけた。
グリス:「……おい、誰かいるのか?」
闇の中から響く、重々しい声。
???:「――ふむ。珍しい顔だな。こんな場所で会うとは」
足音が近づき、炎に照らされたその顔を見た瞬間――
グリス:「……え、えええぇぇぇぇぇっ!? あ、あんたは――!!」
モッフ:「ご主人!? そんな驚くって……誰モフか!?」
そこにいたのは、鎧を身にまとい、威厳に満ちた男。
街の人々にとって“雲の上の存在”であり、普通なら牢屋に入るはずのない人物。
――王国軍最高司令官、アルトリウス将軍。
アルトリウス将軍:「……静かにせんか。壁が薄い」
グリス:「いやいやいや! 将軍様がなんで牢屋に!? ていうか俺のツッコミより壁が薄いのが問題って何!?」
モッフ:「ご主人。牢屋は音漏れが標準装備ですぞ」
グリス:「そんな装備いらねぇぇぇ!!」
将軍は椅子代わりの木箱にどっかりと腰を下ろし、ため息をつく。
アルトリウス将軍:「私も冤罪だ。……パンを一斤、盗んだと」
グリス&モッフ:「ちっさッ!!!」
グリス:「いやいや! 将軍様がパン盗むわけねぇだろ!? 普通に買えよ!!」
将軍:「……いや、財布を忘れてな」
モッフ:「子供か!」
グリス:「小学生かぁぁぁ!!」
将軍は苦笑しつつも、じっとグリスを見据える。
アルトリウス将軍:「……しかし、お前。妙だな。見覚えがある。まるで、記録に残る“クロニクルベアラー”のようだ」
グリス:「……は?」
モッフ:「おやおや、ご主人。いきなりシリアスに切り替わりましたぞ」
グリス:「いや切り替えスイッチ急すぎるだろ!?」
将軍の目は鋭く光っていた。
冗談や牢屋の不遇などとは別の、“国家の命運”を背負う者の目。
アルトリウス将軍:「この世界は、裂け目に呑まれかけている。お前が持つ“クロニクル”が、それを繋ぎ止める唯一の手段だ」
グリス:「……またその話かよ。フードのやつもそんなこと言ってたぞ」
モッフ:「でも将軍様が言うと説得力がありますな」
グリス:「パン泥棒疑惑の説得力なぁぁぁい!!」
将軍は立ち上がり、鉄格子を指さす。
アルトリウス将軍:「いずれ分かる。……だが今は、この牢屋から出ることを考えねばならん」
グリス:「……いや、あんたがいると逆に“VIP牢屋”っぽくて出られなそうなんだけど!?」
モッフ:「ご主人、牢屋生活のグレードアップですぞ。羨ましい」
グリス:「どこが羨ましいんだよぉぉぉ!!」
焚き火のような笑いと、薄暗い牢屋に漂う緊張感。
――やがて、この牢屋こそが“物語の転換点”になるとは、グリスもまだ知らなかった。
◆ ◆ ◆
次回予告
牢屋から脱出を図る三人! だが待ち受けていたのは「村最大の大誤解」!?
→第19話「脱出?いや、大脱線!」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




