第3話①「“書くことがコワい”って思った瞬間、ボクのペンが止まった...。」
今日もよろしくお願いします!
ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…
ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!
──それは突然だった。
いや、正確には、
「気づかないフリをしてたものに、気づいてしまった」
っていうほうが正しいのかもしれない。
あの日、ボクは“言葉”を記した。
誰かの言葉に救われて、それを綴ったことで
たしかに、誰かの運命が変わった。
それはすごく、すごく、すごく……尊いことだった。
けど。
(場面転換・神様兄弟とグリスの対話)
ツカサ「ん?……ペンを握る手が震えているな、グリス」
レンジ「怖くなったんだろうね。自分の言葉が、また誰かの運命を変えてしまうことが」
違う。
違うよ。そうじゃない。
……たぶん、違う。
怖いのは……「間違った言葉」で誰かを壊してしまうこと。
神様の悪戯のように誰かが定めた“記録者”の役目。
それは、「ただ書き残す」のではない。
“心の震え”を綴ることで、運命の一滴を垂らす。
それが“運命を変える言葉”という奇跡を生む。
だが、それは同時に──
“責任”を伴う、危うい奇跡でもあった。
「ありがとう。グリスくんのおかげで、今日は助かったよ!」
「......ッツ!?」
グリスの記憶の扉が不意に開いた。
あのときは、ただ嬉しかった。独りぼっちだったボクに唯一手を差し伸べてくれたあの子の存在が。
でもボクは臆病だったから彼女の言葉に返事をする前に逃げてしまった。ずっとそれを後悔していた。
「...。...。ッ!?」
たった一言、書くだけなのに何かが引っかかっていた。喉の奥でずっと何かが引っかかってるそんな違和感がグリスを悩ませていた。
その日以来、グリスのノートには一行も綴られなくなった。
まるで、言葉に対する拒絶反応のように。
(夜・グリスの部屋。暗がりの中で、ノートだけが置かれている)
(ノック音。扉を開けると、兄弟たちが立っている)
ツカサ&レンジ「「オレたちは別に、完璧を求めてるわけじゃないよ」」
「でも……“もし”が怖いんだ。オレの言葉が、誰かの一歩を止めてしまったら……」
レンジ「……なら、逆もあるんじゃないかな?」
グリス「え?」
ツカサ「お前の言葉が“誰かの一歩になる”って信じる選択だって、ある。
運命は一方向じゃない。書くか、黙るか、選ぶのはお前自身だ」
──選ぶ?
ボクに選ぶ資格なんて、あるのかな。
でも……そうだ。
選べるなら……
もう一度、書く勇気を……取り戻したい。
その夜。
ノートに落ちた一滴のインクが、ゆっくりと滲む。
それは迷いのしるしでも、再出発のしるしでもある。
けれど──それが始まりだった。
たとえ未熟でも、たとえ震えていても。
誰かの心に触れたいと願った“記録者”の、小さな再起。
(ページに浮かび上がる文字:ルクスワード)
『言葉は時に、光よりも早く心に届く』
あの時、言えなかった『ありがとう』という一文が記された。
──ボクの“運命を変える言葉”、
この言葉がまた、誰かの明日へ届きますように。
そして、少年は絶望の未来を垣間見てしまった。
第3話②「“届いてほしい”と思った願いを届けるために、その最悪の未来を覆したいんだ」
(つづく)
どうも、おこんばんはでございます!
焼豚の神でございます。
今回も読了しに来てくださった皆様ありがとうございます('◇')ゞ!
感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!