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第56話◆「休息の終わり、牙の始まり」◆

おはようございます!

今日もよろしくお願いします!('◇')ゞ

森の夜は、どこか温かさを帯びていた。

 昼間の戦いが嘘のように、焚き火の炎がぱちぱちと弾け、仲間たちの笑い声が小さく響く。



「はーっ、やっと座れた……。ねえグリス、そのモフ、もうちょっと寄こしなさいよ!」


 リーアが隣に座り込み、遠慮なくグリスの毛並みに顔を埋める。


「ちょっ、ちょっと姫騎士さん!? いきなりは……」

「だってさっきから気になって仕方ないのよ。あぁ~、これは癒されるわね!」


 すりすりと音を立てて顔を押しつけるリーア。

 その様子に、対面に座っていたセフィーナがじと目を向ける。


「……大胆です。えっちぃです~。」



 言い合う二人に、グリスはため息をつきつつも心の奥では少しだけ救われていた。



 ついさっきまで暴走しかけたモフ度に怯えていたはずの自分を、こうして笑って受け止めてくれる仲間がいる。その事実が、不安を少しずつ薄めていく。



「ふふ……なんだかんだで、いいコンビですね」

 焚き火の端でライナーが苦笑をこぼす。

「……あのふたり、ずっとああなの?」

「まあな。たぶん未来永劫」


 場に流れるのは、穏やかで賑やかな時間。

 戦いの緊張で張り詰めていた空気がほどけ、皆が少しずつ眠気に包まれていった。


 だが――夜は、そんな優しさだけで終わりはしなかった。


 セフィーナは横になりかけて、ふと眉を寄せる。

 瞳の奥に、また揺らぐ未来の残像が映ったのだ。

 けれど、その映像はすぐに霧のように消えた。


「……また、見えない……」

 小さな声でつぶやき、胸を押さえる。

 未来視が揺らぐことがどれほど異常か、彼女自身が一番分かっていた。


 一方、グリスも眠りにつけず、魔導書を撫でていた。

(……さっきの戦い、やっぱり抑えきれなかったな。あのまま進めば、ただの怪物に……)

 火の明かりに照らされたその横顔は、仲間の前では見せないほど陰りを帯びていた。


 そして――。


 森の奥。

 湿った風に混じって、低く笑う声があった。


「……ようやく芽吹いたか。牙が、牙を呼ぶ……」


 レオニス。

 闇に溶け込むその男の瞳が、赤く爛々と輝く。


 彼の呟きに応じるかのように、森の影がざわめいた。

 木々の隙間から、不気味な赤い光が無数に浮かび上がる。

 それは、まるで森そのものが牙を剥き出しにしているかのような異様な光景だった。


 やがて火の粉が舞い、夜空に散っていく。

 休息は――もう終わりを告げようとしていた。





第57話「森の牙、動き出す刻」へつづく!



どうも、お世話様でございます!


焼豚の神でございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ


物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!

今後も加速度的に物語が進行していきます!


それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ


また、次話でなんと!!

100話達成します!!!!


これもひとえに読者の皆様のおかげです!

次話から少々特別なエピソードを投稿予定です!!

お楽しみに♪('ω')ノ


◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆


グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」


 → 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。


 → 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。




モフ度


 - 0~19%:平常


 - 20~29%:末端ふわ化


 - 30~49%:耳/尻尾ふわ化


 - 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)


 - 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)


 - 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”



良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!



また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!


それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪


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