第55話◆「揺らぐ安らぎ、忍び寄る影」◆
おはようございます!
今日もよろしくお願いします!('◇')ゞ
泉のほとりで笑い合ったひとときは、まるで夢のようだった。
焚き火の炎が揺れ、仲間たちの影を柔らかく照らし出す。
ライナーは腹をさすり、満足げに伸びをする。
「ふぅ〜〜、やっと落ち着いたな……。な? やっぱ食って寝て笑えば元気百倍よ」
「……ライナーさんって、本当に単純ですよね」リーアがくすっと笑う。
「単純で悪かったな!」
「悪いなんて言ってませんよ?」
ツッコミ混じりの掛け合いに、再び笑いが生まれる。
それを眺めながら、グリスはそっと自分の尾を見下ろした。
(……少し、毛並みが乱れているか)
戦いの中で、彼の「モフ」は無意識に揺らいでいた。仲間を守るために能力を酷使したせいか、どこか張りを失っているように思えた。
「……」
ふと視線を上げると、セフィーナがこちらを見ていた。
彼女の瞳はどこか遠くを見つめるようで――
(未来視が、また……)
セフィーナは気づいていた。以前なら鮮明に見えた未来像が、今は霞がかかったように輪郭を失い始めていることに。
「おーい、なんだよ二人とも。火にあたらねえのか?」
ライナーの声で、意識が引き戻される。
「……いや、なんでもない」グリスは短く答える。
「……平気よ」セフィーナも微笑んだが、その笑顔の裏に影が落ちていた。
その様子に、リーアは小さく胸を押さえた。
彼女はずっと思っている。――自分は、この仲間の力になれているのだろうか。
戦場では守られることが多い。未来を読むセフィーナ。物語を紡ぐグリス。剣を振るうライナー。
自分だけが、立ち遅れてはいないか。
それでも笑顔を絶やさぬように、リーアは明るい声を出す。
「ほら、グリスさん。毛並みちょっと乱れてますよ? ……私、整えますね!」
「……頼む」
彼女の指がふわりと毛並みを撫でる。その温もりに、ほんのわずか心が軽くなった。
しかし――森の奥では、別の鼓動が鳴っていた。
焚き火に紛れるように、ひそやかな気配が近づく。
月光に揺れるのは、鋭い影の群れ。
葉擦れの音が、一瞬、牙を研ぐ音に聞こえた。
安らぎは、長くは続かない。
仲間たちの心に芽生えた不安が、まるで呼応するかのように、森全体を包み込む「影」が忍び寄っていた。
第56話「休息の終わり、牙の始まり」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
また、次話でなんと!!
100話達成します!!!!
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
次話から少々特別なエピソードを投稿予定です!!
お楽しみに♪('ω')ノ
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




