第50話◆「聖女狙撃編・後編」◆
おはようございます!
今日もよろしくお願いします!('◇')ゞ
朝の光が揺れる森の中、戦闘の余韻が残る。
仲間たちは互いに警戒を続け、黒い影──レオニスの次の手を警戒していた。
「……まだ終わっていない」
グリスは魔術書を胸元で握り、息を整える。
モフ度は既に限界間近。手が少し震える。
(……これ以上使うと……いや、まだ退くわけには……)
リーアが彼の隣に立ち、鋭い眼光を投げる。
「……グリス、無茶しないで」
その声には優しさと、ほんのり心配する色が混じる。
セフィーナは後方から視界を確保しつつ、トンファーを軽く握る。
「……やっぱりあなたたちは大胆すぎるのです」
と呟きながらも、目はグリスとリーアを追って離さない。
シロモフは焚火の残り火のそばでくるくる回り、周囲を警戒する。
「モフ……奴の気配、また近づいているモフ」
******
レオニスは森の奥で静かに構え、黒い書簡から紡ぐ闇の文様が空間を歪ませる。
「……物語を綴る者を追い詰めるには、視覚と未来の両方を奪う」
手から放たれる黒い光が森の木々を黒く染め、光の反射が仲間たちの目を惑わす。
「視界を奪うか……ならば、読んでやる」
グリスは魔術書にペンを走らせ、白銀の文字が森に光の道を描く。
文字が具現化し、盾となり、光の矢となり、仲間を包む。
しかしモフ度が危険域に達し、手元が僅かにふらつく。
(……限界……いや、まだ……)
リーアが横から庇い、銀閃の剣で黒い文様を断ち切る。
「……グリス、頼む、次は無理しないで!」
「……分かっている、リーア……!」
ストラウスは大剣を振り、森の闇を切り裂く。
「奴の動きを封じろ!」
ディセルとマリィも双剣と長剣で黒い影を追撃。
「……森の中で動きを封じる、絶好の機会です!」
「……かかれ!」
ライナーは前衛の支援として素早く駆け、敵の後方を牽制。
「先輩、俺に任せて!」
プルリは体を伸縮させ、森の障害物を利用しながら攻撃と防御を同時に行う。
「モフ……行くモフ!」
ミミとルルカも斬撃と射撃を交互に繰り出し、敵の退路を塞ぐ。
ゴルドは地面を叩き、衝撃波で仲間たちを支援する。
「……みんな、ここは任せろ!」
森の中で光と影が交錯し、仲間たちの連携が完璧に噛み合う。
しかし、グリスの手は微かに震え、モフ度が65%を突破する。
(……もう……限界が……近い……)
シロモフが小さく声を上げる。
「モフ……もう無理するなモフ!限界超えたらぬいぐるみに戻るモフ!」
グリスはペンを握りしめながらも、未来視を必死に回転させる。
「……まだ、まだ終わらせられない……!」
リーアが彼に手を伸ばす。
「……一緒に耐えよう、グリス!」
セフィーナも後方から支援を続ける。
「……むっつり聖女じゃありません、でも……目が離せない……」
小声でつぶやきながら、彼女もまた危険の中で戦う決意を見せる。
******
「……まだ足りぬ」
レオニスは森の中央で黒い結界を拡張。
鎖状の闇が仲間たちを取り囲む。
「次は、お前たちの連携を一度切り裂く」
黒い紋章が森全体に広がり、仲間の動きが鈍る。
その隙を突き、影の刃がセフィーナに向かって飛来。
「……聖女に、先制!」
グリスは未来視を極限まで高め、わずかな未来の動きを読み取る。
「……避けろ……!」
文字が具現化し、光の盾となってセフィーナを守る。
リーアはその隙に前に出て、影の刃を斬り払う。
「……まだまだ、これくらいじゃ終わらせない!」
プルリやミミ、ルルカも一斉に影を追撃し、森の中は再び攻防の嵐となる。
グリスは全力で魔術を具現化する。
光の文字が盾となり、矢となり、鎖状の闇を切り裂く。
「……これで、どうだ!」
森の中で黒い影が一瞬崩れ、レオニスも僅かに後退する。
その表情は、冷静さと不気味な余裕が混じる。
リーアがグリスの肩に手を置く。
「……無茶はもうやめて」
「……分かってる……でも、まだ……」
セフィーナも微笑みながら支援の手を伸ばす。
「……勇敢な者たち……でも、やりすぎです!」
森に光が差し込み、黒い影は一時退く。
しかし、レオニスの影は森の奥で再び静かに動き始める。
(……これで終わりじゃない……奴は、まだ……)
グリスの瞳には決意が光る。
戦いの後、仲間たちは疲労を抱えながらも互いの無事を確認する。
「……皆、無事でよかった」
グリスは深く息を吐き、ペンを置く。
リーアは微笑み、彼の肩を軽く叩く。
「……もう無茶しないでね」
セフィーナは少し顔を赤くしつつ、視線をグリスに向ける。
「……本当に……むっつり聖女じゃないです……!」
シロモフはくるくる回りながら小さく笑う。
「モフ……みんな、よく頑張ったモフ!」
しかし、森の奥深くではレオニスの眼差しが冷たく光る。
「……次は、逃がさぬ」
暗躍の影は、確実に仲間たちに迫っている。
第51話「森の牙、迫る影」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
また、次話でなんと!!
100話達成します!!!!
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
次話から少々特別なエピソードを投稿予定です!!
お楽しみに♪('ω')ノ
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




