第48話◆「囁く闇、狙われる聖女」◆
おはようございます!
今日もよろしくお願いします!('◇')ゞ
朝日が森の間から差し込み、焚火の残り香がかすかに漂う。
仲間たちは軽い運動や朝食で目を覚ましていた。
「ふぅ……昨日は、まさかライナーがあんな暴走を……」
リーアが息を整えながらつぶやく。
グリスは魔術書を手に、ページをめくりながら顔をしかめる。
(あの黒い霧……あれが完全に消えたわけじゃない。まだ潜んでいる)
セフィーナは軽く伸びをしながらも、少し気を抜けない表情だ。
「……何か嫌な予感がするわね」
シロモフは焚火の上で小さく回転しながらつぶやく。
「モフ……あの影、まだこっちを見ているモフ……」
ゴルドは「いや、俺は朝飯しか見えてないぞ」と無邪気に言うが、その視線は周囲の木陰にちらりと動く。
******
森の外れ、誰も通らない路地。
黒いフードの影がじっと森を観察していた。
「……あの聖女が動けば、次の策は成功する」
低く呟く声。
影の持ち主――レオニスだ。
彼は手元の小さな黒い魔法陣を確認する。
「“クロニクルベアラー”の視界外でも、奴らは我々の計画に気づかない」
闇の文様がゆらめき、次の標的が明確になる。
「聖女か……」
レオニスは微笑む。
「小さな善意を、最大の武器に変えるとは……面白い」
その言葉に、黒い風が森に吹き抜ける。
木々がざわめき、仲間たちにはまだ何も知らされないまま、伏線は静かに動き出していた。
一方で野営地では、表面的にはいつも通りの朝が流れる。
プルリはパンをほおばり、ミミとルルカは昨日の焼肉の続きを楽しむ。
ライナーは朝の訓練で先輩たちにくっつき、パシられながらも笑顔を見せていた。
「先輩、今日もパシらせてください!」
「……もう少し落ち着け、ライナー」
セリカが呆れ顔でツッコミを入れる。
グリスは焚火に魔術書を置き、仲間たちを見回しながら心の中で呟く。
(平和……この瞬間は守らなきゃ。でも……あの影は確実に迫っている)
セフィーナはそんなグリスをちらりと見て微笑む。
「……先輩、まだ眠そうな顔して」
「眠くはない……ただ、頭の中で考えごとを……」
二人の間に、わずかな緊張が漂う。
森の中、仲間たちが談笑する声の中に、微かな気配が混ざる。
シロモフがぴくりと動き、ゴルドの肩に跳ねる。
「モフ……奴、見てるモフ」
「見てるって何をだ?」
ゴルドが半信半疑で辺りを見渡す。
「気のせいかもしれないモフ……でも、黒い影モフ」
シロモフの声に、グリスは額に手を当てる。
(……やっぱり、奴はここまで来ている)
誰も気づかないうちに、森の影は徐々に仲間たちを取り囲む。
黒いフードの男――レオニスは、じっと標的を定め、計画を練る。
******
朝食後、仲間たちは軽く仕事を分担する。
ゴルドが荷馬車の整備をし、ライナーは剣の手入れ、プルリは料理の手伝い。
「先輩、俺の剣も見てくれますか?」
ライナーが嬉しそうに言う。
「わかった。ちょっと見せて」
グリスは笑顔で受け取るが、その瞳の奥にはまだ、未来の霧がちらついていた。
リーアがふと立ち止まり、遠くの森を見つめる。
「……何か、気配が……」
「たぶん幻覚じゃないわ」
セフィーナも同じ方向を見つめる。
森の奥、木陰からじっと彼女たちを見つめる影。
レオニスの冷たい視線が、次なる策略の序章を告げる。
仲間たちはまだ笑いながら、日常を楽しむ。
しかし、グリスの背筋はピリリと緊張していた。
(奴は……もうすぐ動き出す……誰を狙うか……)
夕暮れが森を赤く染める中、黒いフードの影がすっと姿を消す。
次なる戦いの幕開けは、まだ静かだが、確実に近づいていた。
第49話「聖女狙撃編・前編」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
また、次話でなんと!!
100話達成します!!!!
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
次話から少々特別なエピソードを投稿予定です!!
お楽しみに♪('ω')ノ
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




