第46話◆「操られし影、友の刃」◆
おはようございます!
今日もよろしくお願いします!('◇')ゞ
夜。宿場町は静けさに包まれていた。
だがその闇の奥で、ひとつの影が蠢いていた。
――ライナー。
彼は夢遊病者のように歩き、宿の裏庭へ出ていく。
その瞳には、黒い糸が絡みつくように光っていた。
『……先輩……俺は……先輩を……』
囁きは彼自身のものではない。
レオニスの声が、頭の奥で木霊していた。
『斬れ……お前の敬愛は鎖に過ぎん……
守るために、壊せ……それが供物となる……』
ライナーの手に、黒き魔剣の幻影が握られる。
それは彼の意思ではない。だが、彼の憧れと忠誠心が歪められ、狂気へと変質していく。
******
「……っ!」
未来視の悪夢にうなされたグリスが、ベッドから跳ね起きた。
頭の奥に焼き付く映像――
ライナーが剣を振り下ろし、仲間が血に濡れる光景。
「……間に合わなきゃ、最悪の未来になる……!」
急ぎ部屋を飛び出したグリスを、リーアが追う。
「待って、何が――!」
「ライナーが危ない!」
その声にセフィーナやセリカ、他の仲間も次々と目を覚まし、廊下へと飛び出していく。
裏庭。
月光の下で、ライナーがひとり剣を振るっていた。
その軌跡には黒い残光が走り、地面を裂く。
「ライナー!!」
グリスが叫ぶと、振り返った彼の瞳は――完全に黒に染まっていた。
「せ、先輩……俺……俺は……!
先輩を……守るために……殺さなきゃ……!」
「……っ!」
剣を握るライナーの全身に黒い糸が絡み、まるで操り人形のように動いていた。
「ライナー!正気に戻って!」
セリカが叫び、結界を展開するが、彼の剣は容易く弾き飛ばした。
「う、嘘でしょ!?この威力……!」
リーアが前に出る。
「私が止める!」
「待て!殺す気じゃ駄目だ!あいつは操られてるだけだ!」
グリスの制止に、彼女は唇を噛む。
セフィーナが祈りを捧げ、聖光を放つ。
「ライナーさん、戻ってください……!」
だが黒い靄は聖光を吸収し、さらに強く輝いた。
「聖女の光ごときで……俺は止まらない……!」
ライナーの声は、レオニスの声と混じり合っていた。
******
グリスは歯を食いしばり、魔術書を開いた。
(……見えた未来は、仲間の血……でも、変えられるはずだ!)
ペン先が走る。
《仲間の絆が、黒い糸を断ち切る未来》
だが次の瞬間、ページが黒く滲み、文字が崩れた。
「なっ……!?書き換えられない!?」
レオニスの笑い声が脳裏に響く。
『無駄だ、“クロニクルベアラー”。未来は既に我らの手の中にある』
「……そんな……!」
「グリス、下がって!」
リーアが剣を構え、ライナーの刃を受け止める。
火花が散り、彼女の手が痺れる。
「……重い……っ!」
「ライナー!!」
セフィーナが涙声で叫ぶ。
「あなたは……そんな人じゃないはずです!」
その声に、一瞬だけライナーの瞳が揺れた。
「……俺は……」
だが黒い糸が彼の身体を締め上げ、再び狂気が覆い尽くす。
「うわあああああああ!!!」
彼の剣が振り下ろされる瞬間――
グリスが前に飛び出し、魔術書を掲げた。
「俺が未来を……塗り替える!!!」
光と闇がぶつかり、裏庭を爆音が揺らした。
第47話「絆か、断絶か」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
また、次話でなんと!!
100話達成します!!!!
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
次話から少々特別なエピソードを投稿予定です!!
お楽しみに♪('ω')ノ
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】も是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




