第43話◆「焚火の笑い声に混じる影」◆
おはようございます!
今日もよろしくお願いします!('◇')ゞ
辺境の森の野営地。
昨夜の戦いの疲れを癒すように、仲間たちは穏やかな朝を迎えていた。
「せんぱぁいッ!今日も全力でパシらせてください!」
新入り隊員ライナーが、元気すぎる笑顔でグリスに突撃する。
「いや、お前……普通“パシらせてください”って言わないよな」
グリスは思わず突っ込みつつも、パンの袋を押しつける。
「ほら、ちぎって配れ」
「かしこまりましたぁぁ!」
嬉々として走っていくライナー。
セリカが呆れ顔で溜め息をついた。
「……ほんと意味わかんない。どんな先輩後輩関係なのよ」
「いいんだよ、セリカちゃん!」ライナーはドヤ顔。
「俺はグリス先輩の舎弟になりたいんだ!先輩が“そこに石があるから持て”って言ったら、俺はその石を100個持ちますから!」
「いやそれ、バカじゃん!?」
セリカのレイピアの柄がゴツンとライナーの頭に落ちる。
一同は笑い声に包まれた。
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「モフモフパン分けろモフ!」
シロモフがパンかごへ飛び込む。
「こら!お行儀悪いですよ!」とセフィーナが抱き上げるが、モフモフはもがいて逃げ出した。
「やっぱり……むっつり聖女モフ!」とシロモフが茶化す。
「むっ、むっつり聖女じゃありません!」
顔を真っ赤にするセフィーナ。
リーアがくすっと笑い、焚火の横でパンをちぎりながら一言。
「でも、あれだけグリスを見てたら誤解されても仕方ないんじゃない?」
「ち、違います!私はただ……健康状態を確認していただけで……!」
「ほうほう、健康状態ねぇ」
小悪魔的な笑みを浮かべるリーアに、セフィーナは耳まで真っ赤になる。
仲間たちの笑い声は絶えず、戦場の緊張など忘れさせるほど穏やかな空気が広がっていた。
そのとき、焚火の火がぱちりと爆ぜた。
グリスがパンをかじりながら、無意識のように呟く。
「……なんだろうな。既視感がある。まるで……俺たちの未来が、誰かに仕組まれてるみたいだ」
焚火の光が揺れる中、ライナーの手が止まった。
パンを配っていたはずの彼は、笑顔を失い、低い声を漏らす。
「……先輩。今、なんて言いました?」
普段の甲高い元気声ではない。
押し殺したような、異様に冷えた声音。
グリスも、セリカも、思わず息をのむ。
ライナーの目が、焚火の炎に映り込む。
一瞬だけ――何か別の“影”が彼の中に潜んでいるように見えた。
だが次の瞬間。
「――あっはは!冗談ッスよ冗談!いやぁ、先輩が真面目に言うから、こっちまで変になっちまいました!」
ライナーは再び、元のバカみたいな笑顔に戻っていた。
「ちょっとちょっと!脅かすなよ!」とディセルが苦笑する。
「マジで心臓止まるかと思ったぞ」
「はっはっは!俺はそんなキャラじゃないでしょ!?」とライナーはパンを皆に押し付けて回る。
だが、セリカはじっと彼を見つめ、ぼそっと呟いた。
「……いや、今のは絶対おかしかった」
「聞き間違いだモフ……いや、違うモフ」
シロモフが低く囁く。
だが誰も、その小さな声を拾わなかった。
一日の騒ぎも終わり、夜営地に再び静けさが訪れる。
焚火の残り火を見つめながら、グリスは小さく息をついた。
(……ライナー。お前は一体、何者なんだ?)
笑顔の裏に潜む影。
それは、レオニスの暗躍とどこか繋がっているような、不吉な予感を帯びていた。
頭上の星々は、何も答えを返さない。
ただ静かに瞬き、明日という未知を照らしていた。
第44話「パンケーキ大騒動と、揺れる影」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
また、次話でなんと!!
100話達成します!!!!
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
次話から少々特別なエピソードを投稿予定です!!
お楽しみに♪('ω')ノ
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】を是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




