第42話◆「忍び寄る影、仕組まれた未来」◆
おはようございます!
今日もよろしくお願いします!('◇')ゞ
王都の片隅。人通りの絶えた夜の裏路地に、フードを深くかぶった影が現れる。
――レオニス。かつて《白霧の鷹》で祈祷を司った男。だが今は裏切り者として暗躍している。
「……奴ら、まだ呑気に笑っているようだな」
低い声が夜風に溶ける。
彼の手には、黒い書簡があった。
封蝋には漆黒の紋章――《供犠剣》の印。
それは、ヴァルツェルの影響下にある者だけが扱える禁忌の証だった。
「未来を綴る者……グリス。あの男の力は危険すぎる。だが同時に……利用価値がある」
レオニスは呟き、口角を歪める。
「物語を綴り、具現化する……それは、我らにとって最高の贄だ」
闇に潜む異形の声が返す。
「……次の“宴”のために、準備を整えよ。聖女も、姫騎士も、そして仲間たちも――すべてが供物となる」
レオニスの眼差しが怪しく光った。
****************
その頃。
森の野営地では、まだ昼間のドタバタの名残が残っていた。
焚火の周りで横たわる仲間たち。
だが、彼らの寝息を聞きながら、ひとり目を開けている者がいた。リーアだ。
彼女は眠るグリスを見つめる。
小さなぬいぐるみの姿から、ようやく人間の姿に戻った彼。
胸の上下は規則正しく、疲労の深さを物語っていた。
「……グリス。あなた、いつまで無茶をするつもり?」
小さな囁き。
彼女の声は、風にさらわれるように消えていった。
少し離れたところで、セフィーナもまた目を覚ましていた。
彼女の頬はほんのり赤い。
「……リーアさん、やっぱり大胆なんですから……」
そう呟きながらも、ちらちらとグリスを盗み見るその姿は、まさしく“むっつり聖女”そのものだった。
「……むっつり聖女じゃありません……」
自分で自分に言い聞かせるように小声で呟き、膝を抱え込む。
二人の間に漂う緊張と甘さ。
だが、その背後では確かに影が忍び寄っていた。
シロモフが焚火の上で、ひとりくるくると回転していた。
「……気づいているモフ。あの夜の気配、普通じゃないモフ」
ゴルドが眠そうに片目を開け、
「ん?何か言ったか?」と声をかけるが、シロモフは首を振った。
「……まだ言う時じゃないモフ」
焚火がぱちりと爆ぜ、火の粉が夜空へ舞い上がる。
***************
場面は再び王都へ。
レオニスは古びた祭壇に立ち、黒き祈祷を紡いでいた。
彼の周囲には闇の文様が浮かび上がり、まるで未来を塗りつぶすかのように蠢いている。
「――この世界は“物語”だ。ならば、語り部を縛るのは容易い」
レオニスの声は狂気を帯びていた。
彼の足元には、鎖に縛られた村人の影がいくつもあった。
彼らは意識を失い、供物として眠っている。
「ヴァルツェル様……次なる贄を、必ずやお届けしましょう」
闇の奥から、ぞわりとした返答が返ってくる。
――「ならば、“クロニクルベアラー”を手に入れよ」
夜明け。
仲間たちは笑いながら朝食を取っていた。
プルリはパンをもぐもぐ食べ、ミミとルルカは焚火で焼いた肉を奪い合い。
ライナーは「先輩、今日もパシらせてください!」と元気いっぱいで、セリカが呆れ顔でツッコミを入れる。
「はは……平和だな」
グリスは微笑みながら、パンをかじった。
だが――その瞳の奥には、言いようのない不安が残っていた。
昨日からずっと、頭の奥に重たい靄のような気配が渦巻いている。
未来の断片。
血塗られた祭壇。
闇に沈む仲間の影。
(……嫌な予感がする。もう、すぐそこまで――)
朝の光が差し込む中。
その影は、確実に彼らへと迫っていた。
第43話「影が牙を剥く」へつづく!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
また、次話でなんと!!
100話達成します!!!!
これもひとえに読者の皆様のおかげです!
次話から少々特別なエピソードを投稿予定です!!
お楽しみに♪('ω')ノ
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】を是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




