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SSスペシャル 後編◆「未来を抱きしめて」◆

おはようございます!

皆さん、100話到達記念エピソード後編!

引き続きお楽しみください(^^♪


暑さに負けず、今日も乗り越えていきましょう!


さて、そんな微妙な天気をも吹き飛ばすほどの笑いとシリアスが入り混じった絶妙なストーリーはいかがでしょうか?


ではでは、ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!

「……ぁ……」


夜更け。

グリスの小さなぬいぐるみの体が震えていた。

その毛並みから、黒い靄がじわりと漏れ始めていた。


「だめ……モフ度が……っ!」

シロモフが耳を伏せ、焦燥を滲ませる。


「どういうこと?」リーアが剣を握る。

「モフ度九五%を越えたら、戻れなくなるモフ!」

「そんな……!」セフィーナが青ざめる。


グリスは薄れゆく意識の中で必死に目を開いた。

「……おい……俺は……まだ……」


彼の言葉は、風に消えるように儚い。





◆◆◆




「グリス!」

リーアが駆け寄り、その小さな体を両手で抱きしめた。

「お願い……私を置いていかないで」

その声は、姫騎士らしからぬ弱さをはらんでいた。


「わ、私も!」

セフィーナも必死にしがみつく。

「聖女としてじゃない! ただの女の子として、あなたと……!」


二人の涙が、ぬいぐるみの毛並みに落ちる。

すると、不思議なことが起きた。

黒い靄が、淡い光に弾かれるように揺らいだ。


「……これは……」シロモフが驚きに声を漏らす。

「彼女たちの“想い”が……モフ度を抑えてるモフ……!」




◆◆◆



「ぐっ……」

グリスは意識を引き戻す。

だが声は震え、体は小さなまま。


「……お前たち……何で……そんなに……」

「決まってるでしょ!」リーアが怒鳴る。

「私はあなたが好きだから! 姫とか騎士とか関係なく……“私”が!」


セフィーナも必死に続く。

「私も……使命なんてどうでもいい! 私は――グリスさんに触れていたい!」


二人の声が、夜空に重なる。

その瞬間、グリスのぬいぐるみの目から、一筋の涙が零れた。


「……俺も……お前たちと……一緒にいたい……!」


光が弾ける。

黒い靄が吹き飛び、グリスの姿がふたたび人の形に戻っていく。




◆◆◆



「……はぁ、はぁ……」

土に膝をつきながら、彼は元の姿に戻っていた。

まだ息は荒いが、確かにそこに“人間のグリス”がいた。


「グリス!」

リーアとセフィーナが同時に抱きつく。

「おいおい……苦しいって」

「……いいの! もう離さない!」

「私もです! むしろもっと抱きしめます!」


左右から抱きつかれ、グリスは真っ赤になりながら頭を抱えた。

「お前ら……本気で俺を殺す気か……」


だが、心の奥は不思議な安堵で満ちていた。




◆◆◆



その様子を、少し離れた場所からシロモフはじっと見ていた。

夜風に揺れる毛並みを震わせながら。


「……やっぱり、この力は“愛情”に強く反応するモフ。

でも――暴走は一度や二度じゃ済まないモフ。

彼が“物語を綴る者”である限り……」


意味深な呟き。

だが、彼はそれ以上を言わず、丸くなって眠るふりをした。





翌朝。

仲間たちが賑やかに動き始める頃、グリスはまだ眠っていた。

その寝顔を見守りながら、リーアとセフィーナは火の傍で言葉を交わす。


「……ねぇ、セフィーナ」

「はい?」

「これからも……ライバルでいい?」

「ええ。だって私……負けませんから」


ふたりは互いに笑みを浮かべた。

その笑みは、どちらも涙で濡れていた。




――その頃。


遠く離れた森の奥。

漆黒のローブに身を包んだ女が、崖の上から夜明けを見つめていた。


「ようやく……見つけたわ」


フードの隙間から覗くのは、凛とした金の瞳。

唇に浮かぶのは、微笑とも不敵ともつかぬ表情。


「“物語を綴る者”……あの人こそ、私の――」


彼女の声は風に消えた。

だが、その存在が、グリスたちの未来を大きく揺さぶることだけは確かだった。




「……ん……」

グリスが寝返りを打つ。

まだ誰も知らない。

彼を巡る想いが、やがて甘くも苦しい運命へと繋がることを。


そして、その中で――新たな運命が脈動し、ついに姿を現そうとしていることを。




本編 第41話

「モフ度、限界突破!?仲間たちのぬいぐるみ大戦争!」へつづく!


どうも、お世話様でございます!


焼豚の神でございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ


今回で100話到達特別エピソード簡潔になります!

次回からまた、本編再開します!('◇')ゞ


今後も加速度的に物語が進行していきます!


それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ


お楽しみに♪('ω')ノ


◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆


グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」


 → 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。


 → 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。




モフ度


 - 0~19%:平常


 - 20~29%:末端ふわ化


 - 30~49%:耳/尻尾ふわ化


 - 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)


 - 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)


 - 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”



良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!



また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】を是非、この機会に知って頂けますと幸いです!


それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪


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