表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

▽プロローグ① 〜焼豚顔のオーク少年グリス〜

初めて投稿します。

是非最後までお楽しみくださいませ('◇')ゞ!


焼けた石畳に靴底が吸いつくような音を立てる。

この裏路地に入ってくる者は少ない。いや、ほとんどいない。


グリスは、今日もいつもと変わらぬように、残飯をあさっていた。


「……お~い、今日もひとりなのかぁ?」


腐った芋の皮をくわえたそのとき、声がした。

振り返ると、そこには浮浪者――いや、この辺を縄張りにしている“ゴロツキ”が立っていた。

その男は、ニヤリと笑いながら言った。


「また来たな、焼豚顔。」


グリスは思わず顔を伏せた。


焼豚顔。

オーク族の中でも彼だけが、生まれつき頬がつやつやと光り、鼻先はまるで焼かれた肉のように赤い。


「なんだその顔? 腹減って焼けちまったのか?」

「うわ、臭ってきそう!焼きすぎだぜ〜」


笑い声が響く。

グリスは耐えた。耐えて、その場から走って逃げた。


彼は足が速い。

それだけが取り柄だった。


* * *


空腹はもう限界だった。

人目を避けて寝ていた薄暗い通路の中で、グリスは呻いた。


「俺は……なんでこんな顔なんだ……」


ひとりごとが空に溶けて消えていく。

そのときだった。


──チリリリ……


耳障りな音がした。目を開けると、そこには虹色に光る扉が立っていた。


「……なに、あれ」




突然目の前にある扉からまばゆい虹色の光を放っていた。



「え、扉が光ってるんだけどなんで?()()()()()()()()()()()って誘われている気がして、怖いんだけど...。よし、見なかったことにしよう。」


少年は、扉を無視して食べ物を探しに歩き始める。思いのほか、少年は利他的に頭が回る子だった。



そして、裏路地の角を曲がった。すると、




「え?また、光る扉があるんだけど。なんで??」


少年の前に、虹色に光る扉が鎮座していた。まるで、目の前の扉から「さっさと入らんかい!」と言われている気がしてならなかった。さすがに、入らなきゃダメかなと思うかもしれないが、少年は《()()()()》な性格をしていた。それは、スラムで生を受けた少年が生き残るために身に着けた(すべ)だった。



「え~、ボク、腹減ってるんだけど。こんな上等な扉くぐっても追い返されるのは目に見えてるし。怒られるの嫌だから、いつもの場所行こう。」


見るからに怪しい。誰かの罠か、幻覚か。

グリスは背を向けて歩き出した。



彼は、右を向いて迂回しようとした・・・が、


その先にまた扉が出現してとーせんぼされた。


「・・・。」

無言で今度は、少年は左を向いた。


目の前に扉が出現した。



そんな攻防を繰り広げて5分が経過した。



目の前の扉から「()()()()()()()()()()」と言われている気がした。



「・・・ザッ!」


少年は、今度は勢いよく後ろを振り向きかけて反転、フェイントをいれつつ、左へとジャンプして駆け出した。


「フン!抜けた!!あばよ!変な扉~。」

勢いよく駆け出す、少年。裏路地がダメならと大通りを目指して一気に少年は

トップスピードで駆ける。意外と動きが俊敏なオーク(焼豚)君である。


「うぉぉぉぉ~!もう少しで大通りだ。とうッ!!!」


少年は勢いをつけてジャンプダッシュした。大通りまであと、50メートル。彼は、50メートル5秒58である。つまり、足がずば抜けて速かった。




目の前に扉はなし!


勢いよく飛び出して、人とぶつかるかもしれない点も考慮に入れつつ、最短で避けて逃げる。今から出るのは大通り、もし貴族様にぶつかったりでもしたら、後で何があるかたまったものじゃない。


だけど、シミュレーションさえすれば避けるのは容易いッ。

俺なら、逃げ切れるッ。彼の頭には、無数の策が浮かんでいた。



トップスピードで駆け抜けつつ、後ろをチラリと見て扉がいないことを確認。コンマ0.5秒で、目の前を確認しつつ扉が出現していないことを確認。抜けられるッ!少年は確信した。


「フッ勝った!!」


もう少しで、大通りに出られるという安堵感からか少年はコンマ0.1秒目線を下げてしまった・・・。

その油断(0.1秒)が仇となることも知らずに。再び、彼が目線を上げると、あの虹色の光を放つ扉が扉を開けて待ち構えていた。


「いらっしゃ~~い。お前の負けだッ!」虹色に光る扉にそう言われている気がした。


「え?」

少年は悟った、「あ、無理だ。」と。


勢い良く駆け出し、トップスピードに乗っていた両足を急に止めることができず、少年は扉の中へと転がるように吸い込まれていった。


その少年が入った扉も忽然と姿を消した。まるで、そこには最初から扉なんてものはなかったかのように。そしてその間、大通りを歩いていた人たちは誰一人気づくことはなかった。



これは、運命を“焼き直す”物語。その前日譚にあたるお話。

少年が、自身の運命に抗う術を手に入れる前にあった、ほんの少し(10分少々)、裏路地で起った小さな攻防戦であった。そして、その戦いを知る者はまだ誰もいない。


                          プロローグ②へつづく     


=====================================


◎【焼豚の神、降臨⁉️】◎


はじめまして、そして突然すみません。

焼豚の神と申します。(※自称です)


ある日の深夜、突然──

「これだッ!!」

と頭に焼豚……じゃなかった、異世界の光景と物語が降ってきました。


気づけばメモ帳がベーコン脂で……じゃなくて物語でびっしり。

これはもう、”投稿するしかない!”という謎の使命感に駆られ、今ここに筆を取った次第です。


▽プロローグは全3話構成!▽

6月 9日(月)6:10 → ▽プロローグ① 〜焼豚顔のオーク少年グリス〜

6月10日(火)6:10 → ▽プロローグ②〜神様は町中華にいた!〜

6月11日(水)6:10 → ▽プロローグ③~焼豚グリスの断罪!?~


そして――第1話「白紙の本と書けないペン」


【本編スタートは、6月12日(木)20:10から!】

その後は20時10分に毎晩更新予定です。|夜のお供《晩酌の(さかな)》にいかがでしょうか?


「初投稿」という名の第一歩に、どれだけ脂が乗っているか…

ぜひ読んで確かめてください!


感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!






また、公式Instagramも脂マシマシで配信中!


脂ノリノリで配信しています。


ストーリーではまだ出てきていない、これから出てくる焼豚ジュージューキャラクターたちが脂ノリノリで動き回っています。


良かったら、公式Instagramにも遊びに来ておいでませ~~~!

https://www.instagram.com/chaasyuu_uranai/?locale=ja_JP


では、また脂力が満ちる頃に、お会いしましょう。バイナラ(^^)/




=====================================

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ