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第46話 依頼祭り

 「僕だよ。入っても大丈夫?」

 カイルがセイの部屋に来ていた。セイはゆっくりとドアを開けた。

 「なに?……」

 カイルは紙を10枚ほど取り出した。

 「これ、全部討伐ランクS以上のモンスターだよ。ミカさんにドラゴンの死体売れなかったって聞いたから…… たくさん倒せばブリザード・ドラゴンの報酬くらいはすぐ稼げるよ!」


 「ありがとうな」

 セイは金を得る手段を見つけた事以外にも少しうれしかった。

 「僕は[片翼の英雄]とお城に行って、勇者パーティ結成を報告しないといけないから……冒険者登録は忘れずにね!」

 カイルはそう言って、手を振りながら走っていった。

 「……ありがとうな」


 その後セイは冒険者登録をするため、受付へと向かった。

 「セイさん! 今日は登録に?!」

 このギルド職員、メサルテはカイルと謎の鬼の面の男の戦いを止めた後、セイを冒険者に勧誘し続けていたのだ。

 「ああ。同時に、これらの依頼を一気に受けられる?」

 するとメサルテは目を輝かせた。

 「本来は無理ですがセイさんなら私の権限を最大限使って押し通します!」

 「そこまでしなくても……」


 「ギルド長ぉぉ!! セイさんがS級とSS級依頼全部受けるみたいですーー!!」

 メサルテは叫びながら奥へと走っていった。


 数分後、メサルテが息を切らしながら走って戻って来た。第5次元No.2の機関なだけあって冒険者ギルドの建物はかなり大きかった。

 「なんとか許可とれましたっ!」


 「あ、ああ。無理はするなよ……?」

 セイはすこし引き気味だった。


 「ひとまず、セイさんの冒険者登録ですね。えーっと……リベルの異名持ち2人撃破、第1次元の第199回武闘大会決勝トーナメント優勝…… もちろん実績は十分すぎますね。S級からのスタートとなります」

 メサルテは美しく光り輝くカードをだした。

 「S級なので、プラチナ冒険者カードのお渡しです! これは実績の記録などに使いますので、大切に保管してください。それと、登録料をいただきますね?」

 「えっ?! 金いるの?!」

 セイは驚いたが、メサルテはすぐに補足した。

 「あっでも、少しですよ! えっと……1000クラムです」


 セイは安心した。

 「本当に安いな……それなら出せる」

 すぐに金を取り出し、メサルテに手渡し、カードを受け取った。


 「それじゃ、行ってくる」

 セイは[神葬]と冒険者カード、そして依頼の詳細が書かれた紙を十数枚持ってギルドをでた。


 「まずは……こいつにするか」

 『貪欲のゴブリンキング、討伐ランクS級

 ゴブリンの集落内では圧倒的な権力を持つ個体です。体が大きく、巨体を生かしたのしかかり攻撃が強力です』


 「……余裕だな。[時空移動]」

 (俺の防御力のおかげでほとんど使ってなかったけど、瞬間移動って考えれば結構便利だな)


 セイが移動した先は、心地よい風が吹く草原だった。

 「[未来万視]……こっちか」

 セイは[神葬]を抜いて走った。

 数分後、セイは木々に覆われた集落にたどり着いた。


 「システム、数は?」

 『42体です』


 その瞬間、セイは正面から集落へと突入した。

 「ギャアァ?!」

 ゴブリンは突然の襲撃の襲撃に戸惑ったが、襲撃者が1人である事に気が付くと、こん棒を持って襲い掛かった。

 「シュンッ」

 一瞬でゴブリンの首が斬り落とされる。そこに別のゴブリンが通りかかった。すぐに状況に気付いたゴブリンは、すぐに叫んだ。その瞬間、あらゆる方向からゴブリンが襲い掛かった。

 『通常のゴブリンは討伐ランクD級です』


 「[究極者(きわめるもの)]」

 [神葬]から放たれた無数の斬撃は、驚くほど正確にゴブリンの首を切り裂いた。

 『ゴブリン32体の死亡を確認。残るはゴブリンキングとその護衛のみです』


 集落の奥には、一際大きな建物があった。

 「あれだな。[時空移動]」


 突然目の前に現れた男は、すでに振りかぶっていた剣を自分の首に振りかざす。一瞬の出来事だったため、ゴブリンキングの視点ではその情報しか得ることはできなかった。すぐにゴブリンキングの首は切り落とされた。

 「ギャ?!」

 ボスの頭が切り落とされたことに気付いた護衛達は、上を見上げる。しかしそこにいたボス殺しはすでに全員の命を奪う準備ができていた。


 「ザシュッ」



 「これでこの依頼は終わりか。頭だけ回収すればいいだろう……[次元吸収]を応用して生成した亜空間に収納したらいいか……よし[時空移動]」

 セイは直接次の依頼へと向かった。


 『変異ナイトウルフの群れ、1個体の討伐ランクB級

 普段は群れないナイトウルフが突然変異により、群れで行動するようになり、人々の村を襲撃するようになりました。被害がひどくなってきたため、出された依頼のようです』


 「現在地は……[未来万視]、そこか」

 セイは森の中のとある村に着いた。

 「今日の夜、ここが変異ナイトウルフによって襲撃される」


 今は、日が傾きかけた夕方。セイは日が完全に落ちるまでゆっくり過ごした。


 「そろそろだな」

 (特に村の人にはこのことは伝えなかった。まあ……)

 「村の外ですべて討伐してやるからな」


 セイは明かりが届かない村の外れに立っていた。

 「討伐証明部位は牙……」


 セイは[神葬]と氷の剣を構えた。

 『高位の武器を同時に2つ装備しました。アチーブメント[二刀流]を獲得しました。報酬として伝説級[我流二刀流]を取得しました。二刀流の扱いを大幅に向上させます』


 「ワウォォォォン!!」

 遠吠えが響く、その瞬間、続々とナイトウルフが走って来た。

 「[我流二刀流]、[究極者(きわめるもの)]」

 セイは流れるような滑らかな動きでナイトウルフを討伐していった。後方のナイトウルフは怯えたが、セイは一瞬で距離を縮め、斬った。


 その後セイは1週間すべてを依頼の解決に費やした。


 冒険者ギルドに帰って来たセイは、受付に向かった。するとメサルテが迎えた。

 「おかえりなさい!」

 セイは討伐証明部位を出せる場所に行こうとした。

 「かなりの量があるから、裏の広場で査定を頼めるか?」

 メサルテは目を輝かせた。

 「あれだけの量の依頼をこなしたんですもんね! ではこっちへ!」


 セイには嫉妬の目が向けられていた。

 「あの美人があんなガキに……!」

 「やめときな。あいつぁEX神話級のだ。俺らに勝ち目はねぇ」


 広場に着いた2人は、査定を始めた。

 「この辺に……」

 セイは大量のモンスターの頭を出した。

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