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第37話 侵入

 「よし! 行こう!」

 セイは少女の捜索に出ていった皆を集め、[未来万視]で見た茂みへと向かった。


 「ここだ……」

 すると突然セイは気を失った。

 『運命神ストラルスより、神域[運命の軌道]に招待されました』


 「なに……?」

 すると見たことのある神々しい存在がセイの目の前へと現れた。ストラルスは冷たい表情をしていた。


 「そなた……あの少女についてこれ以上調べるのはやめろ」

 突然の命令にセイは困惑した。

 「……え? やっぱりあいつには何かあるんだな?!」


 「……」

 ストラルスは黙っていたが、セイはその勢いのままストラルスに疑問をぶつけた。

 「リベルが崇拝しているのはお前なのかストラルス!! 俺のリベルシステムはお前が施したんだな?!」


 「ああ」

 ストラルスは少し吹っ切れたように答え、最後に念を押すように強調して叫んだ。

 「とにかく、あの少女を調べるのはやめろ。我もそなたをここに自由に呼び出せるわけではない」

 そういうと、セイの意識は元の世界へと戻り、周りにはセイを心配するアリスとミカ、カイルとコーナスがセイの顔を覗き込んでいた。


 「大丈夫……ですか?」

 アリスは心配そうにしていたが、セイの意識がまた神域に行っていた事には勘づいていた。


 後に一旦突入は中断し船で休憩することになり、セイとアリスは2人で話すことにした。

 「また、神域に行っていたんですか?」

 「ああ…… ストラルスから直接招待されてな…… あの少女についてもう何も調べるな。と言われた」


 「そういえば前にセイ様は、リベルとストラルスの間には何かあるっておっしゃってましたよね。まさかそれが関係して……」

 アリスは推測していた。

 「多分な…… そういえばアリス、科学次元でストラルスについて話した時、まるで別人になったみたいに反応してたけど、何か知っていたのか?」

 セイは長い間疑問だったことをアリスに訊いてみることにした。


 「それが……何も知らないんです…… 私はそのストラルスという神について何も知りません。でも……なぜか聞いたことがあるような気がして……」

 セイは不思議に思ったがその時、セイの携帯が鳴った。画面にはテヌドットの名前があった。


 「どうした?」

 セイが訊くと携帯からテヌドットの声が聞こえる。

 「お前が調べている少女の正体が分かった」


 もちろんセイとアリスは驚いた。

 「「え?!」」

 「早くないか?」


 テヌドットも苦笑いしていた。

 「ああ。私もそう思っている。だが、()()()()()()()()()()()()()()()ですぐ特定することができた」

 「彼女は、異名持ち序列5位【復讐】ノワット・セリスだ。赤い瞳に白髪が特徴の少女だそうだ。能力の詳細は不明だが、こんな噂がある。セリスに襲われ生き延びた人の証言だ。

 「セリスは過去に次元を滅ぼしたことがある」」


 「あの少女が異名持ち……どうりで[未来万視]が使えなかったわけだ。しかも次元を滅ぼすって……

 お前ならできるようなものなのか?」

 テヌドットはツッコミを入れるように勢いよく答えた。

 「できるわけないだろう! それに、もし私にその気があったとしても不可能だろうな」


 「あんな小さな少女に何があるというんだ…… これ以上考えていても仕方ない。俺は行ってくるよ」


 「もう行くのか? 少女でも異名持ちの強敵だ、健闘を祈る」


 話し合いの結果、地下への突入はセイのみで行われることになった。次元を1つ滅ぼしたというのなら、残りのメンバーはヂミーナを中心とした第9次元の人々を戦艦ストラシアへと避難させることになった。神話会からも多くの人が援助することになった。

 セイは出発前にコーナスへ尋ねた。

 「コーナス、お前のスキルで俺を強化できるか?」


 「あのスキルは私の部下にしか効果がありませんから、無理だと思います」

 (いつの間に……私のスキルを……!)


 セイは避難が始まり、騒然とするヂミーナを歩き、セリスが入っていった地下へと向かった。


 特に見張りなどはおらず、順調に地下に入っていく。[未来万視]で出入口の人の出入りを確認したが、最後に入ったのがセリスで、それから出ていく人はいなかった。

 「とりあえず進むか」

 中はかなり広く入り組んでいたが、[未来万視]と[性質干渉]で難なく進んでいった。

 「流石異名持ちの拠点だな……かなり広い」

 セイが感心していると、リベルメンバーが10人ほど現れた。が、すぐにセイの[赤血の鳥籠]で一瞬で片づけた。何度かリベルメンバーと出くわしたが、下っ端ばかりでセイの進行は止まらなかった。


 30分ほど進むと、図書館のような場所にたどり着いた。

 「こんな地下に……図書館、いや、資料室か?」

 セイが歩きながら並べてある本を見ていると、ある事に気が付いた。


 「これ……今はない、消滅した次元についての本ばかりだな。その次元の絵本まである。まさか、セリスがこれまでに滅ぼしてきた次元の物か?!」

 動揺しながら資料室の奥へと進んでいくと、一際目立つ所に、一冊の絵本が置かれていた。埃をかぶっていたので手で払うと、タイトルが見えてきた。

 埃は被っているが、保存状態は良いようだ。


 「コレーク帝国の終末……?」



 『精神安定度31%』

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