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第30話 決着

 「「だが負けない!!」」

 2人の勇ましい声が響いた後、再び2人はぶつかり合い、青と金のオーラがぶつかる。

 剣同士がぶつかり合う。

 火花が散る。


 「[神格化]!!」

 「《覚醒》!!」


 お互いが弾かれ、少し後退した、それはテヌドットの双剣の強みが出た瞬間だった。すぐにもう一つの剣を前に振りかざす。

 「はあぁぁ!!」


 セイは今のぶつかり合いに全力を注いでいたためか、弾かれて剣は使えなくなっていた。しかしセイは冷静だった。

 「[永氷の槍(アイシクル・ランス)]」


 「…!?」

 テヌドットはすぐに反応、無数の槍を防ぐ事に専念するしかなかった。


 セイはこの一瞬の隙を見逃さない。

 「[赤血の鳥籠]」


 「なっ?!」

 テヌドットは槍の対応により反応が遅れてしまっていた。すぐにテヌドットは鳥籠に覆われる。

 「最後……か」


 テヌドットは目を見開き、最後の一撃を放つ。

 「[天地万象光滅斬]!!」


 斬撃は鳥籠にぶつかり消え去る。しかしここで終わらないのが[魔神剣騎士]の真骨頂だった。


 「……そうくるよな」

 斬撃はセイの目の前に現れる。

 「[対面一体]!!」


 [対面一体]によるカウンターと[赤血の鳥籠]による攻撃がテヌドットを襲う。

 「……悔いはない」


 テヌドットは静かに倒れた。


 「しょ、勝者は、EX神話級【運命(ディメンション)()支配者(ドミネーター)】セイ!!!

ついに人類最強【魔神剣騎士】が敗れたーー!!!」


 「おおぉぉぉ!!!」

 「EX神話級って……やっぱり強いんだな」


 歓声が収まってくると、立ち上がったテヌドットはセイと再び固く手を結ぶ。

 「流石、EX神話級といったところだな」


 「お前本当に神話級か? EX神話でもいい気がするんだけど……」


 2人は笑い合い、決勝戦は幕を閉じた。再び大きな歓声が会場を包み込む。


 表彰が行われる。あの後3位決定戦「ミカ対マーシュ」も行われており、勝者はマーシュとなっていた。


 「3位! 【大地の支配者(アース・ドミネーター)】マーシュ選手!

 続いて2位! 人類最強ついに初の黒星、【魔神剣騎士】テヌドット選手!!

 さあ! おまちかねの第1位! 全次元初のEX神話級!! 【運命(ディメンション)()支配者(ドミネーター)】セイ選手!!!」

 

 賞金がセイの手に渡り、周りに礼をすると、周囲を鎮める。

 「神話会と俺から重要な発表がある」


 巷では神話会の解散やテヌドットの会長辞任など、様々な噂が立っていたため、観客達はざわめく。

 テヌドットは大声で、そして訴えかけるように叫ぶ。

 「今大会では、大きなハプニングが二度も起きてしまい、我々もそれを阻止することができなかった! そのことに関して、もう一度謝罪をさせていただきます!

 誠に申し訳ございませんでした!! 我々神話会は、この「とても大きな反省」を生かしていけるよう、全次元初のEX神話級である、セイ殿が設立した多次元組織「ストラシア」と協力関係を築きます!! よりリベルの殲滅、住民の皆様の保護に尽力いたします!!」


 今度はセイが前にでる。

 「「ストラシア」は、戦艦ストラシアを本拠点とする多次元組織で、セイクリッド・リベルの壊滅を目標に活動してまいります。現在のメンバーは、【静夜を呼ぶ者(グランド・スラスター)】アリス、【重力(グラビティ)()魔術師(マジシャン)】ミカ、【閃光の刃】セルト、【大地の支配者(アース・ドミネーター)】マーシュです!!

募集人数は200名程度、スキルの等級は問いません! リベルへの恨みがある方や暇な方、どうでもいい方、どんな方でも加入していただきたい! スカウト、面接は神話会の協力で行います。加入決定時、全員でスキルの一斉強化を行います!」


 「それは、オレ様みたいな奴でもか?」

 観客席から飛び降りてきた男にセイは勢いよく答えかける。

 「もちろ……」


 そこには、見るからに海賊の恰好をした男が立っていた。

 「オレ様はスコット・ヌイト。伝説級の【碧海の海賊】だ!」


 セイはテヌドットに小声で尋ねる。

 「……知ってる?」

 テヌドットは少し考えた後、小声で答える。

 「知らん」


 セイはとりあえず答えた。

 「もちろんですよ」

 (伝説級か……かなり高いな。いいかもしれない)


 「フンッ 前向きに考えときな!」

 そういってスコット・ヌイトと名乗った男は胸を張って去っていった。


 その後セイ達は一週間ほど自由にすごしていた。この期間は神話会がストラシアメンバーを集めてくれているのだ。

 「しっかしテヌドットはしつこかったな……」


 募集の報告をした後、テヌドットはセイに

 「本当に等級は問わなくていいのか?! 言い方は悪いが戦力外の人がくるかもしれないんだぞ?!」

 セイはめんどくさそうに返す。

 「あーもう。いいの! あとでまとめて強化するから、2か3段階は等級があがるから大丈夫だ。あと戦力外は言い方もっとあるだろ……」


 そんなことを思い出していると、テヌドットから電話がかかってきていた。

 「どうした?」


 「ちょっとした経過報告さ。応募に集まったのは約300人、応募者の6割くらいはリベルに恨みを持った人達だった。他になにか知りたいことは?」

 セイは少し考えた。

 「知りたいこと……というか頼みなんだが、ストラシアの操縦ができそうな人間を積極的に採用、スカウトしてくれ、それ以外にもできるだけ様々な職業や技術を持った人を集めてくれ。できるか?」


 テヌドットは笑顔で返す。

 「任せろ。それと、なにか幹部的な物はつくらないのか? 神話会は少数精鋭だから必要ないが、200人も参加するストラシアには必須なんじゃないか?」


 セイは黙り込み、少し考えた後、テヌドットに返す。

 「分かった。作ろう。6人だ。ただし、メンバーはもう決めた」

 テヌドットは少し困惑した。

 「もう……決めたのか? 早いな。名称とかは決めたのか?」


 「そうだな……リベルに制裁を執行する……

 「6の執行者」」

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