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第29話 再・人類最強vsEX神話級

  当日、神話会の宣伝のおかげか大惨事の直後でも大会の半分ほどの観客が集まり、テレビ中継も行われることになった。


 2人だけの控室でテヌドットはセイに尋ねる。

 「これが終わったら別の次元に出発するのか?」

 セイは静かに答える。

 「今の所まだ別次元にはいかない。他の異名持ちの情報はまだないしな」

 テヌドットは微笑む。

 「そうか」


 そうして2人は立ち上がる。

 「いくぞ? ストラシアのリーダー?」


 「フンッ」

 セイは笑みを浮かべ、応えた。



 実況の声が再びリーンカムに響き渡る。

 「事情によって一時中断となった決勝戦が再び行われる事となったぞ! どうやら決着後に神話会から謝罪と重要なお知らせがあるとのことだ!」


 「謝罪は当然だけど、なにか対策はちゃんとするのかしら?」

 「ここ最近の神話会はあんま信用できないからな……」

 冷たいながらも事実である事を口にする観客達を横目に、テヌドットが入場する。同時に様々な批判の声が上がるが、中には

 「リベルは神出鬼没だし仕方ないよ!!」

 と温かい言葉もあった。

 テヌドットは全ての声を受け止めるかのように、丁寧に礼をした。


 そんな中、セイは静かに入場した。その時、

 「あんな奴やっちまえ!!」

 「あいつを潰せ!!」

 セイを味方するも冷たい言葉が多く上がった。セイは少し心が痛んだが、テヌドットに向かい叫んだ。


 「今は周りの声は気にするな! 互いに全力を尽くせば良いだけだ!」


 こうして、再び決勝戦の幕が開けた。


 セイは氷の剣を生成、正面の敵に斬りかかる。

 一方テヌドットはアミリクスだけを構え、セイを迎え撃つ。


 セイは後方から氷の曲がりくねる柱を形成し、それを援護として共にテヌドットに襲い掛かる。


 テヌドットは目を見開き、前方へ踏み出す。

 「はああぁぁ!!」

 すべての柱を斬りながらセイに近づく。


 お互いは最高の状態でぶつかり合おうとしていた。


 「《覚醒》!!」

 「[神格化]!! [究極者(きわめるもの)]!!」


 しかし、2人がぶつかり合う瞬間、テヌドットの足元に魔法陣が現れた。

 「なっ?!」


 「[赤血の鳥籠]」

 赤い鳥籠がテヌドットを足元から覆っていく。しかしすぐに反応したテヌドットはそれをジャンプして回避、ゾルディクスも取り出し2本の剣で、落下の勢いを使いセイに飛び掛かる。


 「クッソ!」

 セイは氷の触手を何重にも重ねて防御したが、その衝撃は地面がへこむ事で周囲にすぐに伝わった。テヌドットの重い一撃を受け、脆くなった氷の触手ごと、セイは[明光の一刀]で切り裂いた。

 しかしテヌドットはその場におらず、セイの背後に移動していた。


 「[天地光滅斬]!!」


 セイはかなりきつい状況だった。

 (今から[明光の一刀]を発動しても間に合わない! [物理攻撃完全無効]はできるだけ隠したい……ならあれを使うしかないか…!)

 「[対面一体]」

 『[対面一体]の発動を確認しました。未来、マスターに与えられるダメージを対象に直接肩代わりさせます』


 そしてテヌドットはその斬撃のダメージを丸々受けた。

 「!?」

 しかしテヌドットはまだ立っている。セイは急いでスキルを発動しながら距離を縮める。

 「[性質干渉]!! 対象はアミリクスとゾルディクスだ!!」

 『対象の等級が高いため、[性質干渉]の効果が3秒まで短縮されます』


 「そんなのありか?!」

 セイは少し困惑したが、関係ないと斬りかかる。


 一方、大ダメージを受けたテヌドットは体勢を立て直し、最大技を発動する。

 「[天地万象光滅斬]!!」


 「[運命干渉]!!」

 斬撃は消え去る。


 観客はざわめいた。

 「あれが[運命(ディメンション)()支配者(ドミネーター)]の力か!?」

 「テヌドットの必殺技が消えたぞ?!」


 テヌドットはニヤつく。

 「やはり[魔神剣騎士]があっても斬撃は復活しないか。さすが、EX神話級だな」


 セイも反撃を始める。

 「[永氷の槍(アイシクル・ランス)]!!」


 無数の槍がテヌドットに襲い掛かるも、双剣を見事に操り最小限の動きで全てを捌き切った。それにセイは驚愕したのち、呆れた。

 「バケモンかよ……」


 テヌドットは飛んでくる槍の一瞬の隙をつき一気に距離を詰める。遠距離攻撃の方法が多くあるセイにとっては、テヌドットと戦う時はできるだけ距離をとりたかった。

 「絶え間なく撃てる遠距離攻撃スキルを取得してくれ!」

 『レベル2スキル[マジックミサイル]を取得しました』


 セイは真顔になった。

 「めずらしいな。低等級のスキルなんて」


 「でも使わせてもらうぞ!! [マジックミサイル]!!」

 白い魔力の弾丸が無数にテヌドットに向かって飛んでいく。


 「そんなものでは止められん!!」

 テヌドットはそれではほとんど止まらず進み続けた。


 セイはすぐさま氷の柱を生成、上をとった。

 「全力で行かせてもらうぞ!!」

 「[永氷の槍(アイシクル・ランス)]!! [永氷(アイシクル)()支配者(ドミネーター)]!! [運命(ディメンション)()支配者(ドミネーター)]!!」


 セイは自身の周囲に無数の槍、氷の棘、剣、弓、銃、レーザー銃を召喚し、テヌドットに総攻撃を始める。

 「氷の槍と棘、剣を発射!!

 銃とレーザー銃、発砲!!」


 流石のテヌドットも全ては捌き切れず、痛手を負うことになる。

 「なんて魔力量なんだ…! お前も十分バケモンじゃないか……」

 テヌドットはもはや笑っていたが、強敵との戦いを楽しんでもいた。


 「「だが負けない!!」」

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