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第20話 師弟対決

 準決勝2試合目。

 セイ、【運命(ディメンション)()支配者(ドミネーター)】対【重力(グラビティ)()魔術師(マジシャン)】ミカ。

 「準決勝は2試合とも師弟対決のようだ! ミカ選手はセイ選手から勝利を奪うことはできるのか?!」

 「両者の入場だ!!」


 セイとミカ、2人が同時に入場口から現れると、さっきと同程度の歓声があがる。


 「結構楽しみにしてたんだぜ。ミカ。」

 ミカは苦笑いした。

 「僕としては今すぐに降参したいんですけどね……」


 「そんなこと言うなよ~」


 実況は早く始めたそうだ。

 「2人とも準備はいいか? 試合開始!!」


 「行かせていただきます!」

 ミカはセイを中心に重力を増幅した。


 しかしここでセイの[環境干渉無効]が自動起動して、重力魔法の影響を無効化する。

 「くっ……!」

 ミカは「やはりか……」と思っただろう。


 実況が驚く。

 「なんだ?! セイ選手が重力魔法を無効化している!?」


 セイはゆっくりと歩み出す。

 「[グラビティ・ショック]!」

 ミカは集めた重力を一気に開放した。衝撃波が飛ぶが、セイには何の影響もない。そのまま歩みを進めた。


 ミカはセイの重力を反転させる。宇宙に飛ばそうとする。が、勿論セイは無効化して歩きながら[永氷の槍(アイシクル・ランス)]の準備を始める。

 「キュイイィィィン」


 ミカは疑似ブラックホール生成の準備を始めた。


 その間にセイの[永氷の槍(アイシクル・ランス)]の準備が整った。

 その瞬間、無数の槍が休みなく発射された。

 一発目の槍が、ミカに命中するまで残り5m。


 ミカはかなり焦りながらも、ブラックホールの形成に集中する。


 残り4m。

 重力の塊が出来上がり、緻密な調整段階に入る。


 残り3m。

 調整も終わりかける。


 残り2m。

 調整が完了。本格的に重力が強くなってくる。


 残り1m。

 ブラックホール完成。重力の影響が[永氷の槍(アイシクル・ランス)]にかかりはじめる。


 残り5㎝。

 [永氷の槍(アイシクル・ランス)]は、()()()()()()()()()()()()()()()()()


 「ドシュンッ!!」


 「おおっと!! ミカ選手がブラックホールを生成しかけたように見えたが、間に合わなかったか?!」

 実況が驚きながら分析、解説をした。


 「いいえ。僕の重力魔法は完成していました。あれは[支配権能]です。違いますか?」

 重傷を負ったものの、ギリギリ立ち上がったミカは、苦笑いして訂正した。


 「ああ。その通りだ。しっかしよく耐えたな」


 「悪い冗談ですね! 気付いているんでしょう?」

 チッバレたか。

 「ああ。ミカ、お前重力魔法で自分を後ろに下げて、威力を緩和しただろ」


 「ええ。流石にあそこから避けるのは無理がありましたから」


 「本当に成長したな」


 ミカは嬉しそうにしながら、自身の重力を弱くしてセイに接近戦を持ちかけた。


 ミカは自分の重力を弱くして、攻撃をいれる時だけ重力を強くして、威力を強化した。

 「こんな戦い方まで習得していたのか!」


 しかしセイは神話級に勝る、EX神話級の身体強化がある。加えて、

 「[神格化]!!」


 セイは神にも劣らぬ身体能力を身につけた。

 肉弾戦は白熱し、大量の衝撃波により地面はボコボコになっていた。が、セイ達は気にもとめず、ただただ勝負を楽しんだ。


 するとここでミカのゴッドシステムが反応した。

 『戦いを楽しむ純粋な気持ちを検出しました。新たな重力魔法を習得します。

 習得完了。[重力の手(グラビティ・ハンド)]を習得しました』


 「即座に使用![重力の手(グラビティ・ハンド)]!!」


 するとセイの体内に重力で形成された手が出現し、セイを内側から攻撃し始めた。


 「うぐっ?!」


 セイは一旦距離をとった。

 「ハァハァ……なんなんだ今の?」


 『重力魔法の一種と思われます。対象の重力を直接操作するのではなく、操作した重力によって攻撃するため、[環境干渉無効]が使用されなかったと推測します』


 「対処法はないのか?!」


 『[環境干渉無効]を体内でも有効にすれば、無効化が可能です』

 「今すぐできるか?!」

 『可能です。[運命(ディメンション)()支配者(ドミネーター)]及び応用能力を体内に加え、あらゆる座標で有効にしました。』


 再びセイは距離を詰める。

 ミカは重力魔法で唯一効くと分かった[重力の手(グラビティ・ハンド)]をまた使い、セイを攻撃しようとするが、

 『無効化されました』


 「なに?! もう対処ができたというのか?!」


 セイはすぐに氷で剣を生成し、ミカに襲いかかる。

 「クソッ!」


 ミカは重力魔法が効かない相手に為す術なく敗北する事となった。

 ミカはもはや清々しい表情で退場して行った。


 「勝者はセイ選手!!! これで決勝戦のカードが決定したぞ!! 【魔神剣騎士】テヌドット対!【永氷(アイシクル)()支配者(ドミネーター)】セイ!!」


 これまでで1番の歓声が響く中、セイは覚悟を決めた。

 「ちょっと待ってくれ」

 「おっと?! どうかしたか?!」


 「俺は……実は神話級ではない」

 会場は一気にざわついた。


 「ど、どういう事だぁ?! しかしあの戦いぶりは神話級としか思えないが?!」

 実況はセイの予想外の発言にパニックになっていた。


 「皆は俺がミカの重力魔法を無視した攻撃を放った事を覚えているか?」


 「そういえばそうだったな」

 「俺は見たぞ!」

 「でもあれは[永氷(アイシクル)()支配者(ドミネーター)]の[支配権能]じゃないの?」

 観客の予想が会場を飛び交う。


 「ああ。確かに俺は支配権能を使った。だがそれは[永氷(アイシクル)()支配者(ドミネーター)]のではない!」


 「俺は…【運命(ディメンション)()支配者(ドミネーター)】、EX神話級だ!!」


 「な、な、な……なにぃぃぃ??!! EX神話級?! それは本当か?! だとするなら[永氷(アイシクル)()支配者(ドミネーター)]の力はそのEX神話級スキルで発現させていたのか?!」


 「いや。それも持っている」


 「は、はあぁぁぁ??!!」


 実況は、1つの疑問をセイに投げかけた。

 「しかしなぜ今、決勝戦の前の、このタイミングでそれを明かしたんだ?! それに、なぜ今まで隠していたんだ?!」

 セイは叫ぶ。

 「スキルを隠していたのは、これが原因で面倒事に巻き込まれるのが嫌だったから。それだけだ!

 そしてこのタイミングで明かしたかは……このスキルでやる事を決めたからだ! 見ているか! リベル!」

 そう言ってセイは、主に第1・2・3次元に放映されているテレビのカメラに向けて、中指を立てた。この瞬間、それを見ていた全員が、セイの答えを悟った。

 「リベルを倒す……のか! なら心強いな!」


 するとテヌドットが会場に現れた。

 「貴様が持っているスキルがEX神話級なのは本当か? 前例がほとんどないからな。確かめさせて貰ってもらう」

 セイはシステムのスキル隠蔽を解除した。


 セイは、テヌドットと実況とシステムを接続した。

 そしてテヌドットと実況の2人にはこのシステム音声が聞こえた。

 『対象、セイの所有スキル最高等級はEX神話級です』

 (あっオーバーランクは言われないんだ)


 テヌドットも驚きを隠せなかった。

 「なるほど、どうりで数々の神話級に勝ってきた訳だ。これは……決勝戦は面白くなりそうだな」


 「これはっっ!! 決勝戦は【全次元最強】対【EX神話級】の戦いになるようだ!! 前代未聞の大興奮間違いなしのカードだ!!!!」


 こうして、EX神話級の出現と大興奮の決勝のカードによって、全次元の多くの人はよく眠る事ができず、若干寝不足が多い中、決勝戦を迎える事となったのである。

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