第0話 開きし次元の亀裂
これは本編に繋がるプロローグです。
本編は次話からになります。
夜の都市、街中の明かりが消える事はなく、ある程度の賑やかさが深夜も残る。しかしその光は、残業を示すものでもあった。
ある男がフラフラと歩いている。上司に呼ばれた飲み会を断れず酒を飲みまくり、酔っぱらっているわけではない。
小さな段差に躓き何回か転げながら、なんとか帰宅する。
浴槽につかりながら何かブツブツと文句を言い続ける男。
「ブクブクブクッ……」
日本、長野県某所。
暗い森の中……
「パキッ……! パキパキッ……」
空間にひびが入っていた。
「……なんだあれ?」
たまたま通りかかった登山客はその空間のひびを見つけた。その瞬間、
「バキンッ!」
ひび割れが完全に割れ、そこには別空間に繋がる裂け目ができていた。
「グワアアア!!!」
その裂け目から出てきたのは、見たこともない、「怪物」だった。
「う、うわあああ!! たすけ……!」
その瞬間、周囲に赤い血が飛び散った。瞬く間に裂け目は大きくなり、大量の怪物があふれ出てきたのだった。
同時刻、世界中で同じ現象が起きている。これは、地球の運命を左右する、衝突の始まりに過ぎなかった。
数ヶ月後、アメリカにて[地球異次元対策機構]が設立されても、世界中での大混乱が静まることは無かった。
「科学は神をも凌駕するだろう」