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コント「就職面接」

作者: おたかと

就活生=就 面接官=面




就「し、失礼します」




面「あぁどうぞ。」




就「よろよろろ、よろしくお願いします!」




面「あぁ、大分緊張されてますね?」




就「は、はい!就活マニュアル本を読んで徹底的に準備してきました!」




面「あ、あんまりそういうこと言わないほうがいいと思うけどね。まぁまぁ座って。」


  (就 座る)




面「それでは自己紹介をお願いします。」




就「はい!わたしの名前は『就活太郎』です!」




面「いやいやいや。マニュアルに引っ張られすぎ引っ張られすぎ。落ち着いて。」




就「あぁぁぁ。すみません。鹿島遼太郎(仮)です。」




面「鹿島さんですね。リラックスしてくださいね。」




就「すみません...」




面「んじゃ。気を取り直して。志望動機をお願いしていいですか?」




就「はい。御社は就職支援会社として多くの就活支援を行っていますが、その中でも御社が発行する就活マニュアル本に大変感銘を受けまして...」




面「ちょ、ちょそこに惹かれたの?確かにうちは就職支援会社ではあるけど、マニュアル本で感銘を受けてってのは初めてだなぁ。そ、それでうちで何をしたいの?」




就「私も誰かを救えるようなマニュアル本を作りたいと思いまして...。」




面「就職マニュアル本を作りたいがためにうちの会社受けたの?普通こういう会社って就活生に直接アドバイスしたいとか答えない?」




就「いやもうマニュアル本だけ作りたくて...」




面「んじゃ因みにうちの就活マニュアル本のどんなところに惹かれたの?」




就「はい!面接でのあらゆるケースを想定してありどのような質問も対応できるように作られているところです!」




面「そうですかぁ。因みに今日の面接でうちのマニュアル本を活かした部分とかはあったりする?」




就「はい!自己紹介の部分です!」




面「あぁ!やっぱり!今のところ自己紹介しかマニュアル本活用しきれてないもんなぁ。今すぐ編集部に言って『就活太郎』消してもらうように頼もう~」




就「では、その消えた部分に私の名前を載せて頂いてもよろしいですか⁉」




面「はっ?いやなんで?」




就「発行者として」




面「いや発行者って発行の責任者で本の一番後ろに名前載せてるんだよ普通!なんで面接の受け答えの例として載せるんだよ!」




就「最初の自己紹介は大事とマニュアル本に書いてあったので」




面「発行者はそんなでしゃばりな自己紹介しねーよ!初っ端に名乗る必要なんかないから!後やっぱりマニュアル本に引っ張られすぎなんだよ!」




就「そのくらい御社のマニュアル本に感銘を受けて...」




面「うちのマニュアル本とてつもなく悪い影響しか与えてないなぁ!というか『自己紹介が大事』って言ってたけど、よくさっきあんな前代未聞な自己紹介できたなぁ!」




就「御社のマニュアル本を隅々まで覚えてることをアピールしたくて」




面「何のアピールにもなってないよ!歪んだ愛情を見せつけられてるだけだからね!」




就「ちょっと!歪んでるなんて言わないでくださいよ!」




面「誰がどう見ても真っすぐじゃないよ」




就「ほんとに御社のマニュアル本が大好きだから、鎖で家のベッドに括り付けて『君は僕から逃れることができない」って囁いていますもん」




面「ドストレートに歪んでるじぇねかよ」




就「あと、『これは君と僕が一緒にいた証だよ』って言いながら『就活太郎』ってマニュアル本に書きまくってました。」




面「えええっ!もしかしてうちのマニュアル本に『就活太郎』って書いてたの君だったの?」




就「はい!」




面「最悪だよぉ。なにキスマークみたいな感覚で『就活太郎』刻みこませてるんだよ!というか最初に『就活太郎』って自己紹介したのも普段から書きまくってるせいなのか?」




就「まぁ『愛してるよ~」ってことを伝えたくて」




面「ひゃやや。気持ち悪っ!こっわ!ってことは最初の『就活太郎』は天然じゃなくて確信犯じゃん!」




就「やっと...気づいてくれた。もう鈍チンなんだから♡」




面「てめえ!いい加減にしろよぉぉぉ!もう帰れ!不採用だ!こんな激キモヤンデレ就活生!」




就「え?僕のこと嫌いになっちゃったの?」




面「最初から好きでもねぇよ!」




就「ひどい!こんなに御社のこと好きだったのに...。」




面「知らねえよ!というかその重たさも迷惑なんだよ!」




就「じゃあいいよ。それなら『就活太郎』以外のことしか考えられないようにしてあげるよ。」




面「今日ので十分なったわ!いい加減にしろ。」




おわり





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