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第9話

ミニゲームのチーム分けを終えて、試合を始める前にそれぞれのチームで1時間のウォーミングアップとミーティングをすることになった。


集まったのは俺と下北先輩、委員長、左薙先輩、そして、もう一人の2年生。俺と目線が同じということは、女子の中では結構背が高いはずだ。モデルにいそうな、綺麗な人だ。


「じゃあ軽く自己紹介しよっか。じゃあ海斗くんから」


と、左薙先輩が仕切ってくれた。


「はい。1年の安達海斗です。本職はトップ下ですが、一応どこでもできます。よろしくお願いします」


「じゃあ、私かな?同じく1年の倉科桃です。中学の頃はバスケ部でした。サッカーは体育でしかやったことはありませんが、よろしくお願いします!」


「次は私っス!2年の下北舞ッス!ポジションはコートの上全部ッスよ〜!よろしくっス」


「高垣ひまわりだよ!ひまわりって呼んでね!身長175センチあるんだ〜!あ、2年!ポジションはフォワードだよん!ヘディングでバンバン決めちゃうからね〜」


一人だけ名前を知らなかった先輩は、ひまわり先輩というらしい。大人っぽい見た目とは裏腹に、天真爛漫で見ているだけで元気をもらえそうな、活力のある少女だ。

そんなひまわり先輩の挨拶を見て、左薙先輩は背伸びして頭を撫でる。


「ひまちゃんは相変わらず元気だね〜」


「照れるな〜、さえちん」


「じゃあ最後に私ね。2年の左薙紗江です。ポジションはセンターバックです。一応2年の代表をしています。と言っても、うちの2年はここの3人だけだけどね。じゃあ、作戦会議に入ろっか。海斗くん、何かアイデアある?」


突然振られたが、すでに戦術は考えていた。


「そうですね。5対5のミニゲームとなると、基本のポジションは決めておいて、相手の動きに合わせて流動的に変化させる方が良いと思います。攻撃時はスペースを見つけて走る。守備時はプレスとマークを欠かさない。テンポの速い試合になると思うので、体力勝負になると思います。ポジションはひまわり先輩がワントップ、俺と委員長がボランチ、ディフェンスに左薙先輩、キーパーに下北先輩でどうでしょうか?」


「うん!バッチシだよ〜!」


ひまわり先輩が元気よく答えてくれる。非常にやりやすい。なんて良い人なんだ!


「委員長が初心者なので、前半の20分は基本的なことを俺が教えようと思います。後半から先輩たちの練習に合流しようと思います。それで、今回の戦術なんですが……」


それから松本先輩チームに勝つために俺たちが取るべき戦術を理解できるまで解説して、ミーティングを終えた。




「じゃあ、練習を始めようか。今日の試合の委員長のプレーで一番重要になるのは、パスだ。蹴り方って知ってる?」


先輩たちに練習方法を伝えた俺は、委員長に個人指導をする。


「もちろん!体育で覚えたからね!トゥキック、インサイドキック、アウトサイドキック、インフロントキック、インステップキック、ヒールキックかな?」


「さすが委員長。中学の成績がオール5なだけあるね。基本のキックはそんな感じ。で、今日使うキックは2種類。インサイドキックとインフロントキックだけ」


「それだけなの?」


「今日の委員長の役割は起点になることだからね。うまく周りに使って、試合を支配する。委員長にぴったりだね!」


「し、支配……」


支配という言葉を聞いて、なぜか恍惚とした表情を作る委員長。だけど、怖いので触れないでおく。


「じ、じゃあ、インサイドキックから練習しよう。まずは軸足をボールの横に置いて、体の中心にボールが来るような距離を取ってみて」


「こんな感じ?」


ぎこちない動作だが、きちんと言われた通りにしてくれる。指導をするときは、言われたことをまずはそのままやってくれた方が伸びるのだ。


「そうそう。それで、軸足と垂直になるように逆足を前に出して蹴る。ボールを強く蹴る時は、軸足に体重をかけてみよう。そしたら、まっすぐ蹴れるよ」


「え、えい!」


委員長がボールを蹴ると、しっかりと芯を捉えて真っ直ぐと進んだ。


「や、やった!初めてちゃんと蹴れた!」


「委員長はセンスがあるね。じゃあ、次は動いてるボールを……」


こうして、俺は委員長にボールの蹴り方や、パスの強さ、タイミングなどを教え、先輩達と合流してチーム練習をした。


チーム練習の時間もあっという間に過ぎ、まもなく始まるミニゲームに向けてビブスを着てコートに入った。


「それじゃあ、ポジションについてね〜!始めるよ〜」


園田先生の合図ともに、みんなの気が引き締まる。

落ち着いて練習の成果を出す。そして、なによりも楽しむこと。そのために、勝ちにこだわること。

チーム練習が終わる直前、そのことをみんなに伝えた。あまり気負いすぎてもいけないかと思ったが、サッカーではとても大切なことなので伝えたかった。

久しぶりのコートの上。なんとしても、先輩方に認められるプレイをしたい。


──ついに、試合が始まる。

園田先生……‼︎サッカーがしたいです……

(次回ようやくサッカーします!)


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