表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

ノクターン

作者: もん・えな

広い部屋にピアノが一つ。

君はその前に座ると、慣れた手つきで弾き始める。

それはショパンか、でなければバッハ。

あるいはもっと別の何かかもしれない。

つまるところ、眠くなるような美しい旋律。

その姿は月の光を浴びた水仙のようで愛らしく、物悲しい。

誰が君をそんなにしてしまったのだろう。

胸を締め付ける思いは言葉にならず、

ただ君をここから連れ去りたい。

そう思わせた。


どこか遠い場所に行こう。

君を悲しませる全てを置き去りにして。

他の大切なモノ全てをなげうって。

僕たちは僕たちの青い鳥を探しに行くんだ。

二度とここには戻らずに。


広い部屋に埃の被ったピアノが一つ。

あの頃と変わらぬこの部屋で、僕は慣れた手つきで弾き始める。

それはショパンのノクターン。

眠くなるような美しい旋律。

君を包み込む月明かりの旋律。

皺の刻まれた左手には、誓いを永遠にする輝き。

君のいないこの世界で、

僕は追憶に抱かれて眠る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ