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【完結】変身時間のディフェンスフォース 〜ヒーローの変身途中が『隙だらけ』なので死ぬ気で護るしかないし、実は最強の俺が何故か裏方に!?〜  作者: 半袖高太郎
第1部 4章 〜プロミス・タッグバトル〜

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灼撃のレスキューレッド

 靄のように熱太の背後に回り込み、攻撃を受けたかと思えば靄のように消える。


熱太は格上のヴィランの展開に完全に翻弄されていた。そこに気配を消して駆け出した飛彩の回し蹴りが炸裂する。


「ん〜! ちょっとぉ!」


「まだまだぁ!」


腹部に炸裂した右足を軸に回転し、顔面へと左足を叩き込む。その勢いのまま、回転し肩の上に立ち上がる。そのまま兜を両足で挟み、地面へと勢いよく降下する。


「んなぁっ!?」


その勢いで投げ出されたハイドアウターは熱太の灼熱蹴りの餌食となる。声を上げることなく、さらに打ち上げられ、そのまま投げ技で地面に叩きつけられた。


「今の隙は一体……刑に憑依していた反動か?」


「はぁー、お前がバカで助かったぜ熱太」


 砂地のグラウンドでよろよろと立ち上がるハイドアウターは身体を振り回し煙を払う。


「アンタァ、よくもやってくれたわねぇ」


離れたところで見守る蘭華とハイドアウターは瞠目した。能力がはるかに上回るヒーローの戦いに合わせるために何手先を読んで戦っているのか、と。


「本調子じゃないらしいな……だが、それを負けの言い訳にするなよ!」


そこでハイドアウターは熱太の隣に並ぶ飛彩を認識し、少しだけ考え込んだ。


ヴィランにしても飛彩の行動はあまりにも不可解だったのだ。冷静に分析しても有力な世界展開を持たない時点で飛彩は戦いの舞台に上がることすらままならない。


 だが、ここに付け足すべき言葉は「本来は」という言葉である。


現に取り付かれていたとはいえ、刑と八面六臂の戦いを繰り広げたことはハイドアウターの記憶に新しい。


たかが人間と侮っていた存在に、ここまで心を乱されるとは、と吐く息も出ないはず兜の奥で嘆息した。


「まあ良いわ。下手に手を出せば、死ぬのはあんたよガキ?」


「何だと!?」


 その言葉が飛彩に向けられた言葉だと理解した飛彩はすかさず小太刀を抜刀し、円を描くようにしてハイドアウターと熱太の周りをくるくる回る。


高速戦闘になることは間違いないと知っていた飛彩は少しでも付け入る隙を探っていたのだ。


「姑息ねぇ」


「俺は勝てりゃあ何でもいいっ!」


「俺は真っ向勝負が信条だ!」


噛み合わないセリフだが、ヴィランとヒーローの攻防はぴったりとかみ合うように攻撃と防御が繰り出された。お互いに紙一重の攻防を繰り広げ、一進一退の様相を呈している。


 埒が明かないと感じたのか、足跡に炎を灯しながら走っていく熱太もといレスキューレッドは自慢のパワーと炎による攻撃でゴリ押すように重い一撃を何度も繰り返す。


それの邪魔にならないよう死角からの一撃を刺していく飛彩だが、いかんせん自身の膂力と小太刀の切れ味では通じないのだ。


「ちっ、武器の見直しが必要だなっ」


「んもうっ……うっとおしいわねぇ!」


「余所見するなぁ!」


「……そこだ!」


 避けようとするところへ回り込み、ハイドアウターの逃げ場を塞ぐ。


普通なら反応することもできない戦いを読み切る飛彩にハイドアウターは歯噛みした。


飛彩も攻撃を繰り出してはいるが、それよりも特筆すべきは熱太の攻撃が必ず当たるようにしているアシスト。おかげでうまく立ち回れないハイドアウターは苛立ちから攻撃が単調になっていた。


「坊やったらやるじゃないっ。即席の相棒にしては通じ合ってるのねっ」


「キメェこと言ってんじゃねぇ。焼かれちまいな」


そう言いながらも、飛彩は、旧知の仲である熱太の成長ぶりに驚いていた。


傾向や戦い方から予想して戦ってはいるが、気を抜けば間違いなくハイドアウターと一緒に丸焦げだ。


「花持たせてやるんだ。絶対勝てよ?」


「ウオォぉぉぉぉ!」


「って、いきなりかよっ!」


周りも御構い無しで戦う熱太の温度の上昇を感じた飛彩は、すぐさま後ろへと飛び退る。


熱太は燃える炎を右手に宿し、ヴィランめがけて打ち抜いた。


「アルティメットストレート!」


爆炎が螺旋を描きながら直進していく。そのままヴィランズを包み込むように突き抜けた。


「うぅぅぅぅぅん!」


受け止めても灼熱の炎が身を焦がす。手で受け止めた部分から漏れた炎でさらにダメージが追加されていく。ヴィランズはじりじりと後ろへと下がっていった。


「熱太の野郎、もっと強くなってやがる」


 無類の硬さを誇っていた敵の鎧も所々焦げ付いているのがわかった。


熱太から飛彩は見えていないが、その動きに飛彩が完全に合わせる形でハイドアウターの逃げ場がなくなるようにアシストしている。その戦い方には蘭華も瞠目していた。


まさかここまでやるとは、とヴィランじみた感想を浮かべる。


「ふっ、ふふふ……」


「貴様……何がおかしい?」


「三人一組で戦うワールドレスキューのレッド。三人で戦うのが普通で、個々の戦闘能力は低く、展開力も大きくない」


ゆっくりと顔を上げながら話すヴィラン。ここまで情報を知られているということは、絶対に逃すわけにはいかない。


「つ・ま・り……助けられてる分際でイキってんじゃないわよ!」


まだまだ力を隠し持っている様子のハイドアウター。今度は消えて現れを繰り返し、ヒーローの鎧にどんどん重い一撃をぶつけていく。


「ナメるなぁ!」

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