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【完結】変身時間のディフェンスフォース 〜ヒーローの変身途中が『隙だらけ』なので死ぬ気で護るしかないし、実は最強の俺が何故か裏方に!?〜  作者: 半袖高太郎
第1部 4章 〜プロミス・タッグバトル〜

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ヒーローは遅れてやってくる

「気持ち悪いんだよ!」


 一瞬で距離を詰め、踏み込むようにして前蹴りを放つ。だが、まるで最初から何もいなかったところを蹴った、いや蹴ってしまった飛彩は、悪寒を感じるよりも早く飛び退った。


今は刑の能力とヴィランの能力の二つが発動しているのは間違いないのである。


「まさかヒーローとヴィランズの両方と戦わされるとはな……!」


「あらー、やっぱり虚勢張ってただけかしら?」


 背後から聞こえたヴィランの声に超速反応で肘打ちを繰り出すが、全然違う方向へ攻撃を繰り出した感覚が肘を凪いだ。ハイドアウターは少し離れたところで飛彩を見つめている。


「どうなってやがる……?」


「靄が包み隠してくれるの。姿よりもっと凄いものをね」


すると見当違いの方向から不可視の斬撃が飛彩を襲った。


しかし刑の時と違い、周りの空間を歪ませてしまう不完全な斬撃を飛彩は軽々と躱し、万能ではないことも同時に悟った。


「借り物の力なんかで、俺は倒せねぇ。とっととそっから出な」


「優しいのねぇ〜この子は坊やを殺そうとしてたのよ? 助ける気?」


「そんな生易しいもんじゃねぇさ」


不可視の斬撃を躱しながら距離を詰め、刑の身体ことなど気にせず蹴り飛ばした。防戦一方になるのは、刑の身体に気を遣えば、である。


「がハァッ!? え、遠慮なし!?」


「当たり前だ」


転がっていくヴィランを追撃はせず、鋭い眼光で睨みつける。


「今までの刑の言葉は、お前が心から引きずり出した言葉なんだろ?」


「ぐっ……ええ、そうよ?」


「だからお前と刑を引き離して、テメェをぶっ殺す。刑もムカつくから絶対に潰す」


 すかさず腰に取り付けたホルスターから麻痺の効果をもつ拳銃を乱射する。これは貫通力が非常に低い、捕獲用の弾だ。


人間に取り憑いているがゆえに、人間に効く攻撃が非常に有効になるという現状の弱点とも言えよう。


「二回も憂さ晴らし出来んだ。とっととそこから出ろ、クソヴィラン」


「いいのかしら? 貴方たちのどっちかに取り憑いて、逃げ出せばいいだけの話よ?」


刑はだらりと力なく俯いた。そこから溢れ出る靄は勢いよく飛彩へと飛び出した。


「……けっ、どうやらその必要はなさそうだぜ」


「っ!?」


「ゲイル・サーキュレーター!」


靄の軌道が変わった。突如吹き荒れる風に吸い込まれるように、横へ逸れていく。


「ったく、本当に応援に来てたのかよ熱太の野郎……」


 屋根の上に登ってきた赤い戦士の持つ銃の中へヴィランは消えていった。


「熱い思いで世界を救う! 灼熱の魂! レスキューレッド!」


「なっ、何故ヒーローがァァァァァァァァァァ!?」


吸い込まれていくヴィランを尻目に飛彩は種明かしをするように笑う。


「テメェが教えてくれたじゃねぇか。ヒーローの世界展開は敵と同時、もしくは敵が張っている状態からじゃないと出来ないって」


巻き起こる風を物ともしない飛彩はそのまま言葉を続ける。


「ば、バカなァァァァ! ここにヒーローがいるはずないでしょ!?」


「すでに居たんだよ。いや、来たって言った方が正しいか」


「うおぉぉぉぉぉ! これで終わりだ! 靄のヴィランズ!」


レスキューレッド、もとい新師熱太は、大切な後輩の応援に駆けつける暑苦しい性格なのだ。


「お節介焼きで後輩想いの、熱太先輩がな」


 しかし、今回ばかりはそれに助けられたと言っても過言ではない。熱太が駆けつけてみると、刑の世界展開を感じ、本部への申請もなしに世界展開していたのだ。


刑の展開を弾き飛ばす必要性がないため、光の柱は上がらなかった。おかげで気付かれずに済んだのだが。


無数の偶然が絡み合い、今へと繋がる。この時ばかりは勝利の女神について信じたくなった飛彩だった。


「ふ、フザケルナァァァァァァァァ!?」


掃除機のタンクのような部分へそのまま吸い込まれていくヴィランズは霧散していく。


「よしっ、やったな! 刑もだいぶ抗ったらしい! さすがだ!」


刑と違って、護利隊の姿を映さないように出来ている熱太は倒れこむ刑に頭を下げる。礼を言うのはこっちだぞと詰め寄ろうとする飛彩の襟を蘭華はため息交じりで抑えた。


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