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枕の下に 希望の上に(9)

思い出とSF

行って戻って座る

それだけで

物事を忘れる人もいる

タイミングの問題もあれば

病である場合もある

僕等の脳は

高性能であるが故に

時々

口の中の粗目糖

そんな感触になる




忘れたくない

そんな思い出という形は

忘れたい

そんな思い出という形と

衝突しては

加害者と被害者が

入れ替わる

悪い事を覚えている理由か

分からないけれど

表面に浮き上がった

油膜のような物を

数回

頭の中で割った事もある

手ごたえなど無いけれど




どうしても思い出したい

そんな時もある

だが

映像の中に居る

あの頃のあの人は

口パクをしながら微笑む

それだけだった

思い出に使う読唇術など無いから

結局

自分で字幕を付けている

的外れな事になるのは

目に見えているが

何故

それが欲しいのか

考えていない事が多い

理由すら

忘れているのかもしれない




今は沢山の映像が残る

どうでも良い映像が

殆んどかもしれない

いつの間にか

旬みたいな物が

作られているからだ

データだけが

糸の切れた凧のように

雲の中を泳いでいる




残してはいないが

欲しかった映像の方が

きっと多いだろう

思い出とは

そういう形だと

大抵の人が思っているからだ

その差異から

人間の頭が抜け出せるか

まだまだ先かもしれないが

人の目が見た物を

後で自由に見れたり

それをネットの世界に

投稿出来たら

どうなるだろう




そうなった時に

思い出という言葉は

無くなって

他の言葉に置き換わる

それで人間性を

測られてしまうかもしれない

目は嘘をつかない

そんな言葉が

何かの条件に

含まれてしまうかもしれない

本人を見て

物事を決めるという価値観は

本人を全て見て

物事を決めるという物に変わる

その重たさと非情さに

人間は耐えられるだろうか






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