第七話これからのこと
うぅ。眩しい。
いつの間にか朝になっていたようだ。
一晩寝たおかげか、昨日より頭の中がすっきりした気がする。
そして、僕は気づいた。
僕、犯罪者じゃないか?
どうしよう。
僕がやったってばれたら死刑かもしれない。
でも、僕がやったという証拠がないじゃないか。
なら平気だろう。
とりあえず、これからのことを考えようと思う。
一つ目、山でひっそりと一人で暮らす。
今回の件であまり人間を信用するのはよくないことだと思った。
その点で言えばいい案だと思う。
しかし、おそらくこれは生活レベルをとても下げるということだ。
僕は一人で家を建てることはできないし、動物を捌くこともできない。
このことから、一人で生活するというのは無しだ。
二つ目は、近くの町に行くことだ。
これは、人間がたくさんいるところでの生活を余儀なくされるが、山で暮らすよりはマシだと思う。
一応、材料があれば料理ぐらいならできる。
さらに、ここでお金を稼ぐことによってこれからの活動の幅が広がり、のんびり過ごせるようになるかもしれない。
このことから、この案がいいと思った。
ただ、この案には問題があった。
それは、僕はどこに一番近くの町があるかを知らないということだ。
まだ大人ではないかの体で、ただ闇雲に歩き回るだけではたどり着くことは不可能だろう。
どうしよう。
詰んだ。
その時、僕は閃いた!
そうだ。
一度高いところから周りを見渡して、どの方向に町があるかを見ればいいんだ。
どのようにして高いところに行くかというと、自分の足元に魔力の塊の板を作り、それごと自分の体を持ち上げてしまえば、高いところから見渡せるだろう。
うわぁ。
とても高い。
足が竦む。
はっきり言ってとてつもなく怖い。
でもそのおかげで、町を一つだけ見つけた。
見た感じ結構栄えていらように見えた。
場所は、危ないから入ってはいけないよ、と言う風に言われていた深い森を抜けた先だった。
その森は、普通の動物よりも何倍も凶暴な生き物がたくさんいるらしい。
そのせいか、その森には大人ですら入らなかったらしい。
僕の能力的に見れば全然大丈夫だろうが、少しだけ怖いと思っている。
しかし、怖いからと言って、森の中へ行かないのは駄目だ。
一人で暮らせば、栄養失調か、飢え死にするだろう。
だから、進まないというような選択肢はない。
でも、森を抜けるのだから少しだけ準備をして行かなければならないだろう。
昨日、町を壊さなければ良かったかもしれないと思った。
町を壊さなければ、色々な物品を用意できたのだけれども。
まあ、後悔はしていないが。
とりあえず、この瓦礫の山から、火打ち石を探して持って行こう。
水筒は魔力で容器を使って少しだけ遠くにある井戸から水を汲んで入れよう。
こうしてみると、魔力でほとんどの物を作れるのではないかと思う。
持ち物はそれぐらいでいいだろう。
町へ着くまでの間は拾った草を食べればいいだろう。
これで、一応物品は大丈夫だろう。
あと、心配なのは、自分の攻撃手段だろう。
基本的に、拳で殴ると相手が爆散して自分が血だらけになるのでもう少しだけまともな攻撃手段を考えようと思う。
まず、拳は駄目だ。
自分は血だらけになりたくはない。
そうなると、魔力で武器を作るというようなことになる。
じゃあ、どのような武器にするのか、ということだが、剣や斧などの近くで斬りつけるような武器は駄目だ。
結局返り血を浴びる気がする。
次に、ハンマーなどの打撃系の武器だ。
これは、おそらく拳と同様に爆散するだろう。
こうなると、結果的に遠距離系の武器になるが、弓は作れない。
まず、魔力で作った物質をしならせるような方法を知らない。
そこで、僕は魔力で作ったカードのようなものを飛ばすことを考えた。
針のようなものだと、死なないだろうし、逆に、球体のようなものだと、爆散するだろう。
これだと、毛皮などを売ることができないだろう。
このままだと、無一文で宿にすら泊まれないだろう。
屋根の下で寝たいから町へ行くのに、宿に泊まれないなら意味がない。
だから、今のうちに毛皮などを集めて、町へついた時に売れば、宿代くらいは稼げるだろう。
このようなことから、カードのような板状のもので首などを切断して殺すことに決めた。
これで一通り目処は立った。
あとは明日への準備をして、ゆっくり休むだけだ。
出発は明日の朝にしよう。