第四話 家族構成と今後について考える
もし、この世界での一年が365日ならば、今日で僕が転生してからちょうど一年ということになるになる。
最近は、体を上手く動かせることができるようになり、目も見えるようになった。
そして、僕の周りの状況が最近、少しづつ分かってきた。
僕の家族は三人家族で、この世界での僕の両親は貴族などではなく、普通の平民だ。
父親の名前はハンスで、町の警備の仕事をしている。
母親の名前はエミーで、家で家事をしたり、余った時間で服やアクセサリーなどを作り、露天でたまに売ったりしている。
僕が喋れるようになった時に、「ママ」と言ってみたらとても喜んでいた。
その時、父親のハンスも一緒になって喜んでいた。
この反応から、僕はとても家族に愛されているというように思った。
あと、他にも分かったことがある。
前に一度、ハンスとエミーを鑑定してみたのだか、名前しか知ることが出来なかった。
そして、使った時にどちらも何かを感じたのか、周囲を見ていた。
この鑑定というスキルは今後、人に使うのはやめた方がいいみたいだ。
話は変わるが、転生してからずっとこのように頭の中で状況を整理したりしていたので「高速思考」という新たなスキルが増えていたらしい。
このスキルはその名前の通り、思考速度を上げるスキルのようだ。
このおかげで、このように色々考えていても、時間はそれほど経過していないので、時間を有意義に過ごすことが出来るようになった。
あと、転生当初から、魔力を圧縮したりしていたので、魔力が数倍以上の量になっているような感じがする。
また、魔力を動かして物を動かしたかったので、毎日その練習をしていたら、最近やっと物を自在に動かせるようになった。
でも、よく考えたらほとんど使い道が無いということに気づいた。
なぜなら、魔力を見えない場所まで動かすのは無理だし、それ以前に、あと数年したら自分で取りに行った方が速いし、今は取りに行かなければならないほど必要なものがないからだ。
でも、この技術をこのままお蔵入りさせるのはもったいないので、何かに使えないかこれから毎日考えてみようと思う。
そういえば、僕はこの世界でのんびり過ごそうと思っていたのだか、どうやってのんびり過ごすかを決めていなかった。
自由気ままに世界各国を旅して見てもいいだろうし、どこかに家でも買って暮らすのもいいかもしれない。
でもまだ決める必要はないだろう。
だって、まだ全然この世界について知らないことが多すぎるから。
もしかしたら、他国へ行くことが禁止されているかもしれない。
もし、学校などの教育機関があるならば、そこへ入学をしてから考えてもいいかもしれない。
もっとすらすらと喋れるようになったら両親にいろいろ聞いてみよう。