第十四話 衣食住を揃える
カインから魔王がいる土地がどこにあるかを聞いたので、早速そこに行くことにした。
飛んで行った方が速く、そして気分がいいので空を飛んで行くことにした。
そろそろ近づいてきたのではないだろうか。
なぜそんなことを思ったのかというと、空気がだんだん淀んできて、下に広がる大地は緑がなく、所々に毒々しい色の沼地があったからだ。
でも、ここら辺ではまだ人が来ることが出来るのではないかと思う。
もっと奥の方へ行けばさらに厳しい環境になるだろう。
そこらへんまで行けば人が来ることのできない環境になるだろうから、そこらへんに家でも建てて住もうと思っている。
空気が悪いのはあまり良くないが、常に人の目を気にしながら生きるのはもっと良くないことだと思う。
そろそろ人が入ることが出来ないような環境になったのではないだろうか。
ここら辺に家でも建てよう。
僕は家を建てるために着陸した。
そこは枝がおかしな方向にねじれた木などがあり、とても不気味な雰囲気だ。
とりあえず、家を建てるために周りにある木を切ろう。
こういう時は魔力の刃で切るのがいいだろう。
そう思い、周りの木を切り倒した。
家は何で作ろうかな。
せっかくだし今切り倒した木を使って家を作ろう。
でも、家の作りなんて知らない。
とりあえず、土を固めて作って内側に貼り付ければいいかな。
僕は魔法で家の形を作った。
でも、土じゃ強度が少し足りない気がする。
そういえば、石は砂とかが長い年月をかけて押し潰されたものだったはずだ。
なら、今この家の土の部分をとても強い力で押しつぶせば石みたいになるだろう。
まず、家の内側の空間に魔力の塊を満たして形が崩れないようにする。
あとは圧縮すればいい。
どうやって圧縮しようかな。
そうだ。魔法を使おう。
僕が使っている魔法はイメージを具現化させるようなものだと思う。
例えば、水を出そうと思えば水が出てくる。
さらに、水とは飲めるものだから魔法で出した水も飲める。
なら、実際に存在していなくても、その現象が起こるという概念を込めれば発動するんじゃないか?
なら試そう。
まず、圧縮するというイメージをする。
余分な隙間を極限までなくして、物体自体の厚みも薄くなるようなイメージだ。
よし、出来た。発動してみよう。
バン!
どうなったかを見てみると、全体的に一回り小さくなったような感じがした。
中を覗いてみると、広さは全く変わっていなかった。
壁の硬さは、普通の石ぐらいになっていた。
これぐらいならいいだろうと思ったので、木を貼り付けていこうと思う。
これも、魔法を使う。
くっ付くという概念を込めた液体を出してくっ付けた。
これは前世で使ったことのある瞬間接着剤を参考にした。
そして、僕の家は完成した。
本当に魔法は万能だと思う。
実際に存在しない事象ですら起こすことが可能だからだ。
せっかくだしベッドも作ってみよう。
ウォーターベッドのようなものを作ろうと思う。
想像して魔法を発動したら作れた。
これで住む場所は問題がない。
あとは衣と食を揃えるべきだろう。
でも、衣はこの服があるからいい。
食はどうしよう。
適当にそこらへんにいる生き物を狩って食べ物にしようかな。
一応、ちゃんと狩れるか確認しとこう。
そういうことで今、僕は森の中を歩いている。
獲物を探すのに苦労するかと思っていたらそうでもなかった。
なぜなら、向こうからやってくるからだ。
だから、僕は音を立てながら歩くだけでわざわざ探すという動作をしなくて済むのだ。
しかし、僕は力の加減ができずに、もう何体か爆散させてしまって食べれるような状態の物が一つもない。
だが、何回かやるうちにコツをつかんだ。
おそらくもう爆散させることはないだろう。
そう思っていたらちょうど良く熊がやってきた。
えい。ドサッ。
やった。熊を爆散させずに倒した。
これで、僕はちゃんと獲物を狩れることがわかった。
少し疲れたので熊を食べようと思う。
どこが食べれる部位かわからなかったので、とりあえず適当に切り刻んでハンバーグにした。
余った部分は腐らせるのはもったいので冷凍して家の外に置いた。
ハンバーグの味はとても美味しかった。
強い生き物は美味しいのだろうか?
疲れたのでそろそろ寝ようと思っていたら、動物に襲いかかられた。
痛くもかゆくもないが、不愉快だ。
動物がこちらに入ってこないようにしたい。
なら、魔法を使おう。
どのような条件で入れるか入れないかを考えよう。
まず、生き物を通さないというのは駄目だ。
なぜなら、僕はどこまでが生き物でどこまでが生き物でないかの線引きがしっかりとできていないからだ。
そこで、僕は全ての生き物は魔力を持っているということに気がついた。
僕は、今までに魔力を持たない生き物を見たことがない。
よし、魔力を持ったものを通さない膜というようなイメージで魔法を発動した。
しかし、見た目に変化がない。
失敗したのかと思ったが、その考えはすぐに否定された。
動物がこっちに迫ってきたが、いきなり何かに弾かれたかのような動きをしたからだ。
これで安心して寝れる。
そう思い、僕は今度こそ家の中に入り、ウォーターベッドに横になって寝た。




