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第十話 人生初の魔法

あの後、特に何事もなく、何度か野営をした後に森を抜けた。

森を抜ければ一安心だと思っている。

実際、二人の雰囲気も張りつめたものから、少し緩んだ雰囲気になったような気がした。

そういえば、アリスは初めて会った時、僕に水を渡したけれども、どこから取り出したのだろう?

魔法とかだったらどうやって使うのか聞いてみようか。

「ねえ、アリス。初めて会った時、どこから水を出したの?特に鞄から取り出したりしてなかったような気がするけど。」

と聞いてみた。そしたら、

「あぁ、あれは魔法よ。しかもオリジナルの。」

オリジナル?なんだ?

わからなければ聞けばいいか。

「オリジナル?それはなんなの?」

アリスは、

「その説明をするためには、魔法とは何かということを初めに説明しなければならないわね。

まず、魔法には、大きく分けて三つの種類があるの。

一つは大半の人が使っていているもので普通に『魔法』って言われているものね。

これは、先人の人たちが作り上げた詠唱を言えば発動されるもので、一定以上の魔力があれば誰でも使えるものよ。

二つ目は私がよく使っている『オリジナル』、正式名称は創造魔法って名前なんだけど大体はオリジナルって呼ぶわ。

これは、術者の想像力次第でなんでも起こせる魔法よ。

しかも、これは詠唱をしないで済むから普通の魔法より使い勝手がいいの。

でも、これは魔力があるだけじゃダメで、想像力、そして魔法関連の才能がないとダメなの。

才能がないと、この魔法は使うことができない、しかも、才能の中でもランクみたいなのがあって、強力なものを使おうとするならやっぱりランクが上位のものでないと制限がかかるみたい。

私も一度、巨大な竜巻を起こしてみようって思って使おうとしたんだけど魔力だけが減って何も起きなかったわ。

普通、失敗したら爆発したり、もしくは魔力自体が減らなかったりするんだけどね。

その後、他のオリジナルを使っている人たちと何回か実験してみたら、私よりランクが上の才能を持ってる人は成功していたから、何かルールみたいなのが働いてるんだろうなぁって思ったの。

最後に三つ目の種類を説明するわね。

と言っても三つ目は学者達が分類に困ったものをとりあえずまとめたって感じのものね。

名前をつけるなら『その他』みたいな感じかしら。

一応、どんなものが含まれているかいうわね。

有名なものは召喚魔法、精霊魔法の二つね。

召喚魔法は文字通り何かをどこからか召喚する魔法ね。

何をどこからか召喚するかは術者が決めることができたらしいけれども、とても難しいし、使い手自体が少ないから今、それをできる人はほぼいないと言っていいと思うわ。

次に、精霊魔法ね。

これは精霊っていう存在に力を貸してもらう魔法で、とても強力ね。

しかも、魔法って名前がついてるけど、実際は精霊が起こした自然現象が襲ってくるわけだからマジックシールドや、魔法を防ぐ結界などは無意味ってことになるわ。」

と言った。

多分、途中で話すのが楽しくなって話題を脱線させてしまったのだろう。

言い切った後に、

「ごめんなさい。ついつい楽しくて脱線しちゃったわね。」

と恥ずかしそうに言った。

僕は、

「いや、すごくためになったから平気。

ありがとう。」

と言った。

実際とてもいいことが聞けた。

簡単に言えば、僕は詠唱を習うことができないのでオリジナルの練習をしていかなければならないということだろう。

僕は一応才能?まあ、スキルと同じようなものだと思うが、それを持っていたはずなのでオリジナルを使うことはできるだろう。

せっかくなので歩きながら練習してみよう。

確か、想像力が必要だったはずだ。

とりあえず、水を出してみよう。

水、大きさはコップ一杯分ぐらい、形は球体かな、温度は10度ぐらい。

水よ、出ろ!

そしたら水が出てきた。

想像した通りに、球体だ。

飲んでみよう。

うん。冷たくて美味しい。

そんなことをしていたら、アリスが

「えぇ!ユウって魔法使えたの?しかもオリジナル!」

と言っていたから、首を振って否定しておいた。

「普通はそんな簡単に使えるものじゃないのに…。」

と落ち込んでしまった。

でも、僕にはなんて声をかければいいかわからなかった。

ギルトを見ると、

「気にすんな。ほっときゃ治るって。」

と言っていた。

そうしたらアリスは、

「なんかギルト、私に対して敬意が足りないと思うんだけど。」

と元気に言い返していた。

ふと、空を見上げたら夕焼けが綺麗だった。

二人も僕につられて空を見る。

「夕焼けが綺麗だね。」

と僕がいうと、二人は確かにそうだ、と言ってしばらく空を見ていた。


町まであとすこしだなぁ。

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