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崩壊した世界の放課後、〇〇をネタに会話をしてみた  作者: ラノ
放課後、二次元世界ネタで会話をしてみた
9/24

No.009 Let's play in the situation where parents are traveling.

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時二十五分。

 放課後、空き教室。

 初口、紬ナオ。

「あれ? 今日は六条一人、なのか?」

「あーうん、彩瀬名さんと緋内さんは、眠ってるから」

「そっか……周期的に見て、どんな?」

「たぶん、次、目を覚ましたら二人も出て行くと思うよ」

「……分かった」

「どうする? 二人だけど、いつものはする?」

「しておくか。よくあるシチュエーションで会話をするってのが、僕達の間で決めた事だったしさ」

「了解。それじゃあ、今回は『今日、両親は旅行中』のシチュエーションでどうかな?」

「それはまたベタなシチュエーションで……」

「そんな都合良く旅行に行くなんて事無いよねー」

「いやいや、あるんだってっ! そりゃもう、狙ったかのように旅行だよっ!」

「何処に旅行へ行くんだろうね?」

「海外、じゃない? 簡単に帰って来ないって前提があるから」

「でも、案外簡単に帰って来るよね? グッドタイミングと言うか、当人に取ってはこれからって時に」

「…………旅行と言いつつ、実はすぐ傍にいる、とか?」

「傍と言うのか、真実は……旅行へ行った振りをして、行っていないのかもね」

「……」

「そうとは知らずに当人達は羽目を外し過ぎて、大変な所を目撃されるかもだね」

「いやぁっ、止めてっ! そんな恐ろしい事、言わないでっ!」

「いなくなったと思って、普段はボリュームを下げてプレイするゲームや見ている二次元コンテンツを大ボリュームで聞いていたところに、ふと両親が現れたり」

「な、なんてリアルな発言なんだろうか、想像しただけでも嫌な汗が出て来るわ……」

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時二十八分。

 放課後、空き教室。

 初口、六条茜。

「もしかしたら、当人達の会話を事前に何処かから入手して、気を遣って旅行に行って上げているのかもしれないよ?」

「え、嫌だな……そんな気を遣われるのは…………」

「スマートフォンのメッセージ内容も、全て筒抜けに」

「そ、んな馬鹿なっ?!」

「両親特権で情報の開示は簡単だろうからねー」

「そんなの嫌だぁぁっ! 絶対スマートフォン持ちたくないわっ!」

「あれ? でも、紬くん、メッセージをする友達がいたんだっけ?」

「こらー、僕が泣いちゃうでしょっ!」

「情報開示されても安心だね」

「な、なんだろうな、なんかこう……複雑な気分がもどかしい……」

「むしろ、誰ともメッセージをしていない事に対して、心配を掛けたりして、その時を境に凄く優しく接して来たリ、両親からたくさんメッセージが届いたり」

「それは優しさを伴った凶器だよっ!」

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時三十分。

 放課後、空き教室。

 初口、紬ナオ。

「旅行以外のパターンって、あんまり思い付かないんだよなぁ。親戚の家に行く、とか……仕事が長引いて、とか。んー……やっぱり旅行になるんだよ」

「え? 他にもあるよ?」

「どんなの?」

「大魔王倒しに行って来ます、とか」

「いつ復活したのっ?!」

「ルマン24時間レースに出るので、帰れませんとか」

「僕の両親は至って普通の仕事してる人だからっ!」

「ごめんなさい、転生しちゃいました、と連絡が入る」

「僕がしたいよっ!」

「手紙が置いてあって、『行って来ます。いつか、帰って来ます』と書かれている」

「どこ行ったんだよっ?! まだ脛かじらないと生きていけないのにっ!」

「手紙じゃなくて、電話越しに『しばらく帰れ』と、途中で切れちゃう」

「いったい何がっ?!」

「調味料が切れたので、買いに行って来る」

「近所のスーパーにいくらでもあるんだけど……」

「え? こだわっているから地球の裏側、現地調達しに行くんだよ?」

「通販で頼めばいいだろっ!」

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時三十三分。

 放課後、空き教室。

 初口、六条茜。

「二人切りで誰にも邪魔されない状況と言う事であれば、今もそれに近い場面だと思うよね」

「ん? まぁ、そう、だな……彩瀬名とリカは起きて来ないだろうし、他に誰かが来るよような事は無いし」

「お構い無くー」

「何もしてないだろっ?」

「先手を打っておこうかなぁって」

「あれだよね……六条さんって、たまーにサラーっと抉って来るよね……?」

「彩瀬名さん程じゃないよ?」

「程度の問題じゃないのっ! もしかしたらっみたいな期待くらいさせておいて欲しいのっ! そこんとこ分かるっ?! 分かってくれるよねぇっ?!」

「分かってくれと言われてもなぁ。でも、考えてみてよ? 釘を刺して置きながらも、こうして二人切りになるのを知っていて、私は来ているんだよ? ほら、考え方を変えただけで期待が膨らんだんじゃないかな? あ、でも、お構い無くー」

「そこまで言ったんなら、ちょっとくらいお構いさせてよっ!」

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時三十五分。

 放課後、空き教室。

 初口、紬ナオ。

「さてと……六条、僕は少し出掛けて来るよ。彩瀬名とリカも露霧に続いちゃいそうだし、準備の追い込みしておかないと」

「でも、もうすぐ日が落ちるよ? 危ないんじゃないかな」

「あぁ、大丈夫大丈夫。ただバッテリーに充電して来るだけだから、明るい時のように学校の外へ出るわけじゃないよ」

「そっか、でも、気を付けてね。紬くんがいなくなったら、私、一人になっちゃうし」

「その時は六条だけでも外へ」

「ストップ。それ、死亡フラグだよね?」

「立てて無いからっ!」

「えー、いまいち心配だなぁ」

「よし、じゃあ、帰って来たら、それを十秒くらい好きにさせてくれる、でどうだっ?」

「どうだと言われても困るんだけど。三秒なら」

「五秒っ!」

「んー、仕方ないなぁ、五秒だからね?」

「よしっ、さっさと行ってすぐ帰って来るっ!」

「なんだかなぁ。私じゃなくて、私の胸の方が大切って感じのベクトルを感じるだけどなぁ」

「気のせいだろ? うん」


次回予告 メザメ

「もし目覚めた後、自分が自分で無くなる事を知っていたら、あなたはどう行動を取りますか? と言う話では無いけれど、未定」

「それでは次回も、崩壊した世界の放課後に会いましょう」

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