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崩壊した世界の放課後、〇〇をネタに会話をしてみた  作者: ラノ
放課後、二次元世界ネタで会話をしてみた
2/24

No.002 Let's play in the situation of morning encounter.

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時二十五分。

 放課後、空き教室。

 初口、六条茜。

「今日は二学年選抜で集まって貰いました」

「まぁ、私は紬くんさえいてくれたら、それでいいわ」

「獲物を狙うようなその流し目で、僕を見るのは止めろ……」

「あら、何も分かっていないのね。狙うような、では無くて、狙っている、と解釈して欲しいものだわ」

「ハンターに狙われている動物達の気持ちも考えてよっ!」

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時二十七分。

 放課後、空き教室。

 初口、彩瀬名愛結。

「今日はいったい何を話し合えばいいのかしら? 紬くんとのめくるめく一夜を話せと言うのなら、序章だけで三時間は欲しいわね」

「勝手におかしな一夜を作り上げないでっ! 六条っ、この人どんどん暴走しちゃうから、話しを進めてっ!」

「それはそれで楽しそうなんだけどなぁ。まぁ、紬くんがそう言うなら進めるね。今回は、朝の出会いのシチュエーションで遊ぼうかなぁ、と思います」

「えーっと、六条、もう少し具体的に」

「あーどうしよう、遅刻遅刻ー、どしーん、で分かるかな?」

「演技はすっごい棒読みだったけど、それ以上の説明は必要無いっ! 絶対有り得ないけどなぁっちくしょーう!」

「そこまで残念がらなくても……」

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時二十九分。

 放課後、空き教室。

 初口、六条茜。

「私からかぁ。えっとぉ、遅刻遅刻ーと言いながら、ご飯とお味噌汁を持って走っている」

「おかしいだろっ!」

「そうね、おかしいわ。箸も持たずにどうやって食べるのかしら」

「おかしいのはそこじゃないでしょっ?!」

「あ、そうだね。お箸、必要だよね」

「必要無いからっ! 出会い頭に大惨事だよっ!」

「六条さん、おかずは?」

「んー、もう持てないから、お味噌汁を豚汁に変えようか? それならどうかな?」

「ええ、問題無いわ」

「…………豚汁はおかずじゃない」

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時三十二分。

 放課後、空き教室。

 初口、彩瀬名愛結。

「遅刻遅刻と言いながら、パンを口に咥えて」

「それだよ、それっ」

「突然出て来た相手の顔面に、思い切り投げ付ける」

「投げるだけの余裕あるなら避けろっ!」

「どんなパン? ダブルソフト?」

「いいえ、超芳醇」

「あ、それなら問題無いよね」

「何がっ?!」

「ちなみに、ブルーベリージャムよ」

「ブルーベリーなんだ。凄いね」

「僕にはお前達の会話が成立してる事に、凄さを感じるよ……」

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時三十五分。

 放課後、空き教室。

 初口、紬ナオ。

「君達っ、朝の出会いを……重要なフラグポイントをどーしてそんな風にないがしろにしちゃってんのっ! もったいないっ!」

「全く、何が気に入らないと言うのよ」

「あ、食べ物って設定がダメなのかな?」

「現金とか? そんな物が欲しいの? 百万くらい口に咥えていればいいのかしら? ごめんなさい、キャッシュじゃ持っていないから、カードでいいかしら?」

「プ、プラチナカード、だとっ?!」

「このカードを咥えた私ごと、紬くんに上げてもいいわよ?」

「自分をもっと大切にしろっ!」

「さすがに私はそんな凄いカードを持っていないから、黄金の爪でもいいかなぁ?」

「持ってたらある意味カードより凄いけど、モンスターいっぱい来ちゃうっ!」

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時三十七分。

 放課後、空き教室。

 初口、六条茜。

「それで紬くんの朝の出会いシチュエーションは?」

「オーソドックスなヤツでいいんだよっ」

「パンを咥えて走っている時点で、オーソドックスとは逸脱しているんじゃないかなぁ?」

「味噌汁持たせたり、黄金の爪持たせるよりはマシだと思うんですけどぉっ?!」

「仕方ないわね。遅刻少女がよく口に咥えている物に変えてあげるわよ。そうね、一般的に多い、ドロー4カードならどうかしら?」

「確実にマイノリティーだってっ!」

「そしたら、紬くんはドロー2カード持っておかないとね」

「それルール上流せないからっ!」

「あら、残念ね。せっかくのフラグが折れてしまったわ」

「ドロー4咥えて登校してる奇抜な出会いなんて、絶対無いから……」

「ドロー4を返せたら、その子がプレゼントされたと言うのに」

「…………た、確か、校内にUNOあった気がする……探しとこ」

 コチ、コチ、コチ、コチ……十六時四十分。

 放課後、空き教室。

 初口、六条茜。

「今回はここまで。次回は一学年選抜だから、先輩として紬くんはしっかりとね」

「……不安しかないけど、お題は変わるわけ?」

「変えるつもりだよ。それで、今回のお題はどうだったかなぁ?」

「…………二人の考えが斜め上過ぎて、ツッコミ疲れたわ」

「嘘おっしゃい。私に散々ツッコミ慣れているくせに。あっちの方向で」

「あっちってどっちっ?!」

「ここと、ここと、後はここも、かしら」

「自分の身体を指差して説明をするなっ!」

「まぁ、私達も意外な組み合わせの出会いをしているのかもだよね~」

「そうね。紬くんの事なんて眼中に無いどころか、存在している事すら、記憶していなかったくらいだったわね。今はもう紬くんしか見えていないけれど、ふっ」

「うひゃうっ! イキナリ耳に息を吹き掛けないでっ!」

「と言いながらも、まんざらでも無さそうなのが、紬くんだよね~」

「でしょうね。六条さんなんて、出会いが胸から始まったのでしょう?」

「うん、胸に話し掛けていたくらいだから」

「ちょっとこらっ、勝手に変な出会いをでっち上げるなぁっ!」


次回予告 ギシンアンキ

「あなたが抱いた、その人への不安や猜疑心。それはただの思い過ごしでは無く、きっと真実……と言う話では無くて、未定」

「それでは次回も、崩壊した世界の放課後に会いましょう」

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