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昨夜はお楽しみでしたね

ケモ耳大好き

さてと、飯も食ったしちゃちゃっと日記を読んじゃいますか。……広辞苑なみにある日記を果たして日記と呼ぶかは怪しいが。もはや、歴史の教科書完全版みたいなほうがしっくりくるんだが…。なにがちゃちゃっとだよ、無理に決まってんじゃん。俺はおそらく王様の執務机であろう場所に座り黒い日記を読むのだった。飯はおいしかった。うん、すごく。でもね、改めてここは日本じゃないいんだなって思い知らされた。肉とか魚とかはだいたいわかった、味は全然日本で食べていたものとほぼといっていいほど変わりはなかった。ただ形とか全然違うものだった。もしかしたら外国にはあるんじゃないかって希望も持ったには持った。ただし、料理の名前を聞くまでは…。いや、味はほんとに鶏肉とかといっしょぐらいで問題はなかったんだよ。名前がね…。俺は試しに横で立っていた、おそらくこの料理を作ったであろう完全にシェフの格好をしていたコックに聞いた。名をポルマというらしい。どうやらこの国で最高の料理人らしい。そして俺は目の前にあるなんかこうナマズとサメをを足したような魚の丸焼きを指さしてこれはなにかを聞いた。すると、周りにたたずんでいた数名の、おそらくメイド的な役割を担っている(服装がメイド服ぽかったから)子たちが一斉に怯えて耳や尻尾が震えている。しかし、ポルマは慣れているのか初めて話したにも関わらず怯えた様子はなかった。そして冷静に俺が聞いた質問に答える。

「これはパクンチョの丸焼きです」

「パクンチョ?」

え、なにそれ…。そんな魚、外国にいたっけ?

「はい、パクンチョは海の中でももっとも深い場所にいる魚で片手に入るほどの最高魚でございます。本来はこんな場所では手に入らない魚でございますがつい最近、エルフの商人が来た時に売っていたので買い取りました」

「へ、へぇ。ちなみにこの肉は?」

おれは今ので鶏よりも倍大きい鳥?の丸焼きを指さした。というか、エルフもいるのか。あのフャンタジー漫画お約束のキャラクター。それがリアルに見れると思ったらちょっと興奮する。けれど今は目の前にある肉だ。これは一体なんの肉なのだろうか。少なくとも俺の知っている肉ではないだろう。

「これは、ドリードグラムという魔物の肉です」

「は?」

え、魔物?いまこいつ魔物って言った?

「この肉も今日のためにとっておきました。ドリードグラムはこの辺の魔物の中では一番危険な魔物であまり好き好んでドリードグラムを狩るものはおりません。また、数も希少なためまず会うことがあまりないので王様でも見たことはないでしょう」

え、なになに。この、鶏を倍大きくしただけの魔物がこの辺で一番危険なの?ていうか、この世界って魔物いたんだ。ということは、パクンチョも・・・。いやそこは考えないでおこう。とりあえずだ、これでこの世界にはファンタジー、いやみんなが思う異世界の王道ともいえるモンスターもとい魔物がいることがわかった。まだ、詳しいところはわからないがそこは後でいいや。俺には今の現状を変える必要がある。周りを見ると一人のメイドさんと目が合った。すると、メイドさんは一瞬ビクッと反応してその後、硬直して動かなくなった。これはもう、なんとしてでもあの日記を早く読んで解決策を考えるしかないな。それはもう早急に。ま、飯に関してはものすごく美味しかったのでよかったんだけどね。一瞬、どうしよう、飯が食えないほど不味かったらとか考えてたけどそれも杞憂に終わった。まぁ、そんなこんなで夕餉が終わり今はこの日記を読んでいると。にしても、この日記最低でも一週間は全部読むのにかかるだろう。はぁ…。ま、頑張るか。俺は再度、日記とにらめっこするのだった。


俺は何時間ぐらい日記とにらめっこしていたのだろう。ここは日本と違い時間が分からない。う~ん、体感で五時間ぐらいだろうか。感じ的には深夜の三時って感じだ。こんなに読みふけったのは積んでいたラノベを一気読みしたときぐらいだな。ちなみに日記は四分の一まで読めた。これでも結構読むペースははやいほうである。これなら四日でよめるかな?ま、一週間もかからないと思う、多分。さてと、そろそろ寝るか。あれ、そういえばこの世界に風呂ってあるのだろうか?ま、いまはいいや。完全にいまは眠気のほうが勝っておりもうあまり頭が回っていない。俺は執務机から離れてベッドにダイブしようとしたが突然のドアからコンコンとノックする音が聞こえ俺はダイブをキャンセルしてドアを開ける。

「大臣か?」

今のところ王様である俺のもとに来るのはそれぐらいだろうと確認してドアを開けてみるとそこには覇気のある老人ではなく代わりに美少女が立っていた。そして真っ先に目がいったのはなんともかわいらしいトラの耳だろうか。いや正確には白色だからホワイトタイガーだろうか?その丸っこい耳がちょこんと紅い髪の上から出ていてなんというか、グッジョブ!肩まで伸ばした紅い髪に少女らしい丸みがかった体。どこどうとっても美少女である。しかし、まだ若干幼さの残る顔にその紅い瞳で彼女は俺をじっと睨んでいた。というか、気になるのはその格好である。俗にいうネグリジェというあのスケスケなタイプの肌着を着ている。それだけしか着ていないのだ。おかげでお腹とか肩とかいろりろと丸出しである。目のやり場に困る。

「え、えっと、何の用かな?」

勇気を振り絞って質問してみる。そしたら少女は何かを決心した面持ちで俺と向き合う。気のせいだろうか、目には涙が溜まっている。あれ~、俺何かしたっけ?というか、この子と今出会ったばっかなんだが。その疑問も彼女の言葉で解決する。

「ほ、本日より王様の、よ、夜のお世話をすることになりましたイアです、よろしくお願いします」

と、イアと名乗った目の前のホワイトタイガーの美少女はちょこんと頭を下げる。なるほど、日記読んだからわかるけどようはそういうことか。つまり、下のお世話はこの子に!みたいなことだろう。それなら、イアがそんな格好をしてここにきた理由もわかる。いや、それは確かに魅力的であるが…。目の前のイアを見る。いまだ頭を下げたままだがその体はわかるくらいに震えていた。それはきっと寒さのせいではないだろう。でも、だからってここでこの子を追い返すのはさすがにいろいろと問題が出る。まず一つ、イアに失礼だ。ここで追い返すってことは、要はお前には魅力がないから帰れ、と言っているようなもんだ。そして二つ目に、これはおそらく大臣の差し金だろう。こうして王様の機嫌とって穏便に済ませようという。それを追い返すということはもっと大臣やほかの従者にもより一層警戒させるだけだ。つまり、ここでイアを追い返すということは俺にとってデメリットでしかない。だからといってここでイアをおいしくいたただいちゃうのもね。こんなに怯えているわけだし。それは気が引ける。うーむ、どうしたものか…。とりあえず、俺はイアを中に招きいれる。イアはおとなしく中に入った。さてどうしたものか…。俺が悩んでいるとさっきまで怯えた表情とは一転してイアは俺をにらみつける。

「王様、一つだけ言っておきます。王様がここの人たちや私の友達を傷つけるようならこの命をっもってあなたにはむかいます」

はむかう、それはつまり、文字通り命を懸けて俺にはむかうということだろう。人族の支配条約一条、王様にはむかう者は即刻処刑。イアにはその覚悟があるのだろう。けどまぁ、それは杞憂に終わるだろう。なにせ、俺はそんなことするつもりはないからな。ちなみに今イアが本物のホワイトタイガーだったら牙をむいて威嚇しているような感じだ。そんなイアに俺は頭を撫でる。一瞬怯えた表情になるがすぐに俺をにらみつける。俺はそんなイアに一言。

「俺は今までの愚王と同じことをするつもりはない」

イアはいまだに俺をにらんだままだったがこれだけは言っておきたかった。というより、知ってほしかった。俺はいままで過去の愚王がやったようなことをするつもりはない。あたりまえだな。これは人として。あ、それよりもちょうど聞きたいことがあったんだった。

「そういえば、ここにお風呂ってあるのか?」

「あります」

素直にイアは答えてくれた。あるのか、お風呂。それはうれしいな。今日はもういいが明日は行ってみよう。どういうものなのかもきになるし。水風呂とかじゃなきゃいいな…。俺がいろいろと明日のことを考えていると唐突にイアがネグリジェを脱ぎだした。

「って、ちょっとまてぇぇぇ!」

俺は急いでやめさせる。

「おまえなにやってんの!?」

「だ、だから夜のお世話よ!」

イアが素で答える。

「いやいや、だからって急に…」

「だってあんたたち人族はずっと私たちの体を望んできたじゃない!」

うーむ、これはどうしたものか。なんか、もう考えるのもめんどくさくなってきたんだが。もういいや、これについては明日じっくりと話してやることにしよう。

「あぁ、そうなんだろうな。だったらベッドに入ってもらおうじゃないか」

「っ、わ、わかりました」

イアはおとなしくベッドに入る。俺も入る。あれ、なんか間違ったような。もういいや、俺はそのままイアを抱きしめる。あったけぇ~。そして俺はそのまま深い眠りについた。



「え、え!?」

抱きしめられたあとイアはこのまま犯されるんだと覚悟してきつく目を瞑っていたが、いつまでも手を出してこないのが気になり王様を見てみると、寝てた。そのことに私はどうしたらいいのかわからなくなった。なんでこいつ寝てるのよ。しかも抱きしめたまま、このままじゃろくに動けない。けど、なぜかそんなに嫌じゃない。なんでだろう、こいつは過去の王様たちとは違うみたいなこといってたけど…。私の中にはその言葉が頭の中で何度も繰り返し頭の中に響いた。それに、こいつの私を見る目がほかの王様たちとは違ったのはわかった。彰人が王様になるまでおよそ七年の空きがあった。その前の王様は凌辱系の王様で当時子供だったイアにもその時の人族の王様は完全に下卑た顔でこちらを見ていた。その時の、気持ち悪さゆえの悪寒と性的に毛嫌いしていたことをイアはいまでも覚えている。だから今回、王様の世話役になったときそういう目線で見られて滅茶苦茶にされるのだと覚悟していた。けれど目の前の王様はこういう格好をしているにも関わらずそんないやらしい目線もよこすこともなく、私を犯すこともなく目の前の王様は私を抱きしめているだけで寝ている。この王様はほんとにいい人ではないんだろうかとイアは思う。けれど、イアは再度警戒する。もしかしたらこうして油断させるのがこの王様の狙いなのかもしれない。今日は何もしてこなかったけど明日は何かしてくるかもしれない。イアは再度、警戒をして彰人の腕の中で眠るのだった。


       ★


朝、目が覚めるとそこには美少女が眠っていた。俺は無心で撫でることにした。撫で心地最高である。やっぱりケモ耳に限るな。しばらく撫でているとイアが身じろぎした。やべ、起こしちゃったかな。

「う~ん…」

イアが目を開ける。最初はまだ目がトロ~ンとしていたがやがて状況を把握したのか顔が真っ赤になる。

「あっ、あ!?」

完全に状況を把握したのだろう。顔真っ赤にしたまま動かなくなった。

「お、おーい」

試しに手を目のまえで手を振ってみるが反応がない。代わりにとばかりケモ耳を触る。フニフニして気持ちいい。するとイアが反応した。

「ひあ!?」

「わ、わりぃ」

思った以上に反応が大きかったんでおもわず謝ってしまう。イアはというと目に涙浮かべてこちらをにらんでいる。

「わ、悪かったから泣かないでくれ」

「がるるる」

どうしよう、やっぱり耳はやばかったか。

「べ、別に構いません」

いや、構うだろ。どう考えても触っちゃいけなかっただろう。イアは俺をじっと睨みつけながら答える。

「あ、そういえば…」

俺はこの気まずい空気に耐えれなくなり話題を変える。と、同時にイアに俺のことを教える。俺がこれから何をしようとしているのかも。イアは終始黙って聞いていたが驚きは隠せていない。

「それは本気で言っているのですか?」

「あぁ、それと敬語じゃなくていい。昨日の時みたいに普通にしゃべってくれないか?」

「王様がそういうなら…」

イアはいまだに俺の言ったことが信じられないという顔だ。

「まぁ、いまはまだ信じなくていい。そのうち行動で示すから」

「ほんとなのね?」

「ん?」

「さっき言ったこと」

この子意外に順応が早い子だな。おかげで俺も助かっているんだが。

「もちろんだ」

そう俺は真剣な目でイアを見る。イアも俺を真剣な目で俺を見る。すると急に抱きついてきた。

「!?」

「じゃあちゃんと行動で示してよ」

俺はたじろぐも力ずよくうなずく。と、そこにドアをノックしてメイドが二人入ってくる。そこで、抱き合っている俺たちと目が合う。

「「あ」」

俺とイアの声がはもった。そして、メイドさんたちはというと硬直したあと慌てて頭を下げた。

「「す、すみませんでした!失礼しました」」

それはもう風のごとくメイドさんたちは部屋から出て行った。なんだろう、また新しく解決しなきゃいけないことが増えた気がした。

ケモ耳大好き

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