束の間の休息と決勝戦
「あ、氷乃先輩ーー!」
悠真達は試合を終えた氷乃達の所に駆け付けていた。すぐに決着が着いたからか、疲れてなさそうだ。
「朱里さん……」
「お前ら、おめでとうって言いに来たのか?」
タオルを首から下げる朝日は悠真達を見てそう言う。朝日の言葉を受けて朱里は笑顔で頷く。
「先輩、決勝進出おめでとうございます! こうなったらもう優勝して下さいね」
「当たり前です。決勝まで残ったのですから絶対に優勝します」
心強くそう宣言する氷乃。
その言葉に自然と周りが明るくなる。
『AクラスとBクラスの試合ですが、Bクラスの試合破棄が発表されました。なので次の試合はAクラスとCクラスの決勝戦が行われます。なお、決勝戦は十分の休憩を挟みます』
衝撃的なアナウンスだった。
さっき戦ったBクラスが試合破棄した。その事に驚きながらもすぐ先に迫った決勝戦に夢のような気がしてくる。
「えっ………Bクラスが…試合破棄」
「…………そんな」
「おい、何辛気臭い顔してるんだ。二年生はすぐ部屋に戻って作戦を立てろ。一年生は部屋で待機!」
パンパンと手を鳴らして出て来たのは秋葉だった。
氷乃達に指示をさせてすぐ自分の部屋に戻させる。
「えー。作戦会議?」
「…分かりました。行きましょう、朝日」
氷乃達の姿が見えなくなった所で秋葉は何の前触れもなく笑い始めた。
「せ、先生?」
「ん? あぁ。自分の教え子が決勝に残ったのが嬉しくてな。相手は天才な弟だが」
弟である黒曜 蒼真と上手くいってないのか秋葉はどこか遠い目をしている。
「…そう言えば、黒曜は一年にも天才が居ると聞いたが」
「おっ、流石だな悠真。一年にもAクラスに妹が居る。奏多と言うんだ…こっちがお前達のライバルだな」
「ちげぇ……本当のライバルはBクラスの連中だ」
怒鳴る皐月は開会式で言われた事を気にしてるのか、苛立っているみたいだ。
「Bクラスか…。ま、どっちにしてもその両方に勝てないと優勝出来ないからな。さてと、そろそろ戻るか」
自分の部屋に移動するとタイミング良くアナウンスが始まった。試合が始まるらしい。
『いよいよ二年生の優勝者が決まります。優勝するのはAクラスか、Cクラスか』
会場ではAクラスとCクラスの応援比率は同じぐらいだろうか、それほど注目されてる試合なのだ。
『両者が整列します。それでは入れ替えトーナメント、決勝戦 AクラスVS Cクラスの試合を始めます。試合、始めっ』
こうして注目の試合が始まった。
どちらが勝っても最後の戦い、この試合で優勝者が決まる。




