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最強の魔法使い  作者: みか
二章 入れ替え戦編
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決着…


「…氷乃、朝日、忍。焦らないで、確実に行きましょう」


いよいよ始まった。

晴人は緊張している仲間にリーダーらしく場を和ませる。


「晴人君……はいっ!」


「分かったぜ」


「……了解した」


良い具合に和んだようだ。

安心した晴人は次に向かい合うAクラスを見る。Aクラスのリーダーである黒曜 蒼真(こくよう そうま)は闇魔法を得意とする。実力は教員と互角かそれ以上らしい。…要注意なのは黒曜 蒼真だけみたいですね。


黒曜 蒼真以外、より集めて作ったチームのように思える。他のメンバーは全員が黒曜 蒼真より二歩程下がって横に一列になって並んでいた。


「…あいつら、舐めてんのか?」


「いえ…あれは自信でしょう」


自分一人で十分だ。と言ってるようにも見える。だが、黒曜 蒼真の実力はそれ程なのだ。


「……結城 晴人(ゆうき はると)。来ないのか?

来ないならこちらから行かせて貰う」


無表情の蒼真が短く言う。

彼の瞳は凍てつく氷のように冷たく、鋭い。彼はまるで闇そのものだ。


「来ます、注意して下さい!」


危険を促しながら私は頭の中で作戦を立てる。勿論、今まで立てていた作戦は無駄になってしまったので。ですが既に黒曜 蒼真は居ない。馬鹿なと思った次の瞬間、目の前に黒曜 蒼真の手があった。彼は私が瞬きした一瞬で目の前まで移動した事になる。


「晴人君! ディ・エル・リュースっ」


既に詠唱を終えていた氷乃の魔法で氷の防御壁が現れた。その魔法のお陰で蒼真の攻撃を防げた。


「チッ…………ハアアアアアア!!!」


続いて魔法で形成された朝日が斬りかかる。朝日は雷属性だ。雷の剣を形成させて蒼真を攻撃した。だが蒼真はひょいと避けると再び距離を保つ。


「大丈夫ですか、晴人君」


「はい。しかし本当に一人とは」


後ろに下がってただ戦いを見ているAクラスのメンバー。もはや黒曜 蒼真VS Cクラスだ。


「…なかなかやるようだ」


「……むっ。気配を感じるとは……でももう遅い。

ディ・ユーバァント・レ・フィッツ」


忍者のように気配を消して近付いた忍だが蒼真は忍に気付いていた。だが既に詠唱は終わっていた忍は魔法を発動させる。風の弾丸がまさに蒼真を襲おうとした時ーーーーー


「………えっ!」


黒曜 蒼真の姿は消え、代わりに氷乃が現れた。驚く忍だがもう魔法は撃ってしまった。氷乃も急な事で魔法が追い付かない。




バアアン




砂煙が舞い上がる。

砂煙から氷乃と忍がお互いに出てきた。


「氷乃、大丈夫か!?」


「えぇ……何とか」


「……ごめん。氷乃」


どうやら氷乃は上手く避けたようだ。しかし晴人は頭を悩ませる。

忍の攻撃は確実に黒曜 蒼真に向けられていた。しかし、実際は氷乃の元へ向かった。これは闇魔法……だとしたら厄介ですね。


「…すまないがここで時間を掛ける訳にはいかない。散って貰うぞ」


そう言うと再び蒼真の姿が消えた。

蒼真の言葉の通りなら決着を付けようとしている。










「皆さん、気をつけて下さーーーーー」


「……遅い」


気付けば蒼真は氷乃の真後ろに居た。

氷乃の背中に手を翳すと氷乃はゆっくりと倒れた。



「なっ……氷乃っー!!」


誰か一人が倒れた瞬間、決着が着いた。

今まで静かだった応援席からわっと歓声が響く。











同じ頃、試合を観ていた悠真達は重々しい空気になっていた。誰も口を開こうとせず、ただ医療班に運ばれていく氷乃とその場を動こうとしない晴人達を観ていた。


「……蒼真…。また危険な魔法を」


「で、でも晴人先輩はまだ希望があるよね!だって二回とも負けなきゃいいんだもん」


「朱里ちゃん……でも氷乃先輩が受けた魔法は闇魔法だから次の試合に間に合うかどうか…」


氷乃が受けた魔法は前に悠真が受けたものとは違った。どんな効果がある魔法なのか、すぐ目覚めるのか。何も分からない。


『けっ、決着が着きました!流石はAクラスの黒曜 蒼真君ですね。続いての試合はBクラスVS Cクラスです。なお、Cクラスの連城 氷乃さんが戦える状態でなければBクラスの勝利となります』


アナウンスは敗れた晴人達の心に氷のように冷たく突き刺さる。



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