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夕焼け
「今日はありがとうございました!」
用事が済んだ悠真達は学園へ戻る事にした。
長いをしては迷惑だという朱里の提案だ。
「いや、こちらこそ。こんな遠くまで来て貰って悪いね」
見送りは愁生と勇里だ。
勇里に至っては今にも泣きそうな程。
「うぅ……悠那様も行ってしまうのですか!
せっかくなんですからもっとゆっくりしても」
「うるさいなぁ。私だって一応は学園の生徒なんだから」
「……ハイ、諦めます。あっ、悠真様っ」
未だうるうると瞳が潤んではいるがまっすぐと悠真を見つめる勇里。
「……なんだ」
「えっと……今度は兄様に会って貰えませんか?
とても会いたがっていたので」
しばらくの沈黙。
悩んでいるのか、聞きたくても悠真を見れない勇里はずっと下を向く。
「……俺は柊に来るつもりはない」
断言されてしまった。
これでは勇里の兄に会う事が出来ない。
「……だが、会いたければアイツが来ればいい。
会えるかは分からないが」
「あ……はい!必ず兄様に伝えておきます。
ありがとうございます!」
勇里と愁生に見送られて悠真達はバス停に向かう。
空はオレンジ色だ。心地よい、だが少し肌寒い風が吹き始めた。
学園に戻った悠真達は寮で解散し、それぞれ疲れた体を癒した。
それから修行に明け暮れ寝る。
そんな事を繰返していると既にトーナメントまで1週間前となった。




