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最強の魔法使い  作者: みか
一章 日常編
7/106

クラス分け


チュンチュンチュン


「………ん」


悠真は小鳥のさえずりで目を覚ました。昨日のパーティーの後、寮へ戻るとそのまま部屋で眠ってしまったのだ。部屋の中は前に使っていた人の家具がまだ残っていて悠真は有りがたく使わせて貰っていた。


カーテンの隙間から日差しが射し込む。外は晴れだと分かる。上半身を起こし、アクビをし寝癖だらけの頭で部屋を出た。理由は朝食を食べる為だ。


部屋を出ると丁度、朝日先輩と出くわした。


「お、悠真。ずいぶんと遅いお目覚めだな。ま、俺も人の事言えないけどな」


そう言ってニカッと微笑む。爽やかなだけあって笑顔がよく似合う。


朝日先輩と一階へ降りる。途中、味噌汁の匂いが悠真の食欲を増加させ余計にお腹がへった。リビングルームと書かれたプレートの部屋へ入ると既に揃っていた。


「あ、悠真おはよう!あーちゃん先輩もおはようございます!」


悠真達に気付いた朱里は挨拶をする。リビングルームは全員が集まる場所なだけあり、個人の部屋二つ分はありテレビやソファーなど生活に必要な家具は置いてあった。


全員座れる10人用の長いテーブルの椅子に朝日先輩と座る。すると、目の前に今日の朝食であろう味噌汁とご飯、塩魚が出てきた。


「おおっ、忍。今日も旨そうだな」


朝食を作ったのは忍先輩だった。制服の上にエプロンを着て器用にお盆に乗っけて運んできた。


(……忍先輩が朝食を)


悠真は味噌汁を呑んでみた。味噌の味が絶妙で丁度よく作られていて美味しい。続いて塩魚を食べる。まるで店に出てくるような味でこちらも絶妙な焼き具合だった。


朝食を美味しく頂いた悠真は部屋で制服に着替え寮を出た。朱里、涼、忍先輩、朝日先輩と一緒に校舎へ向かう。校舎へは寮から歩いてすぐだった。校舎が見えてくると人が沢山集まっていた。恐らくクラスが張り出されているのだろう。悠真達は早速見てみる。


「私は……あ、1ーCだ」


自分のクラスを見つけた朱里はしゅんと肩を落とした。クラスもまた、魔法の実力で分かれている。Aは優秀者、Bは普通。そしてCは格下という納得のいかない結果だ。


「元気出して朱里ちゃん、私もCクラスだから」


そう言って涼は笑顔で慰めた。古株寮という格下の寮に居る悠真達は恐らくクラスまで同じなのだ。


「うん……悠真は何クラス?」


「……Cだ」


そう聞いた瞬間、朱里はパアアッと笑顔になった。だが、対照的に悠真は納得出来ないでいた。


(何で俺がCクラスなんだ?)


納得出来ないが決まってしまった物は仕方がないと諦める事にした。悠真が簡単に諦めたのはある理由があった。この暁学園には入れ替え制度という物がある。それはCクラスの悠真がAかBクラスの誰かと勝負をし、勝てば入れ替わり悠真がAかB、負けた生徒はCクラスとなる。


(…強くなっていずれAクラスに行ってやる)


「おーい、そっちはどうだった?」


とここへ朝日先輩と合流。忍先輩も朝日先輩の後ろに居る。


「私達は三人供、Cクラスでした」


「そうか。俺達もだ」


朝日先輩の言葉を聞いて悠真は疑問に思った。朝日先輩達の実力ならCクラスじゃなくAクラスに行けそうだ。


「…悠真、お前が何考えてるのか分からないがAクラスに挑戦するのは止めろ。あいつら、化け物レベルだ」


戦った事があるのだろう朝日先輩は真剣な面持ちで言う。聞いていた朱里達にも緊張感が伝わってくる。


“…いいか悠真、Aクラスに行け”


ふと、クソ師匠の言葉を思い出した。一度は怖じ気ついた悠真だったがもういつもの悠真に戻っていた。


「…俺はAクラスの連中を倒し、俺がAになる」


悠真がそう言うと朝日先輩は驚いた表情の後、大笑いした。涙が出る程に笑う朝日先輩。


「お前、面白いな。ま、確かに勝ってあいつらにCクラスに行かせてやりたいよな。生意気だしAクラスの奴ら」


悠真はまだ知らなかった。Aクラスの実力を。


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