先輩達
二時間後…
マラソンを終えた悠真達が全身に汗をかき、ヘトヘトになりながら地面に倒れこむ。
悠真と悠那はまだ余裕そうだ。
「あぁー………疲れた」
「だよな、朱里。それが普通の筈なのに…何でお前らは平気そうなんだ!」
朝日が言いたい事はよく分かる。
全員が同じ距離を走った筈なのに何故ここまで
差があるのかという事だ。
「悠真は龍王様に鍛えられたんだからこれぐらいまだ大丈夫だよね」
「…あぁ」
リンの言葉に汗を拭いながら答える悠真。
自然に悠那へ視線が移る。
「え……私? 私はほら、次期当主として相応しい存在になる為に修行してたから」
「あ……そっか……」
「ほれ、休憩はお仕舞いじゃ。すぐに始めるぞ」
そう言って龍王は悠真達と晴人達を向かい合わせに、横一列に並ばせる。
「ちょうど二組あるからの。まずはお前達の連携を見せて貰おうか」
悠真達より一年多く過ごした晴人達ご有利だがそんな事は言ってられない。
トーナメントには先輩が沢山出るのだから。
「……それでは一年CクラスVS二年Cクラスの練習試合を始めます」
慣れたような口振りでスラスラ話す時雨をよそに悠那はそわそわと落ち着かない様子だ。
「……行くぞ」
「うん!」
「はいっ」
「分かりました」
朱里、涼、皐月の順番で返事をすると作戦通りの行動に移る。
朱里は忍、涼は晴人へ、皐月は朝日。そして悠真は氷乃の前に立ち塞がる。
「…先手必勝だ」
「こちらも一応考えてはいたんですが、遅かったみたいですね」
少し不利な状況にも関わらず冷静だ。
悠真はよく分からない背筋が凍るような悪寒がした。
「……へへん。まだ後輩に倒されるつもりは無いぜ…」
「いや、朝日先輩を倒してみせるっす」
「……始めっ!」
時雨の声と共に一斉に詠唱を唱える言葉が重なった。




