No.2
うっすらとだが人影が見える。
つまりNo.5はまだ動けるという事だ。
だが、その人影はおかしな事に二人あるように見える。
「あれ……二人?」
「どうやら助っ人が現れたようだな」
砂煙が収まり、人影がより鮮明に見える。
No.5とNo.5を軽々持ち上げる紅いローブの者。
助けたのは紅いローブの方だろう。
「……やれやれ、困ったな」
(え?……)
紅いローブの者はやれやれと首を左右に振る。
顔は見えないが、悠那は声に聞き覚えを感じた。不思議と初めて会うような気がしない。
「お前、何者だ」
「…正直の所、傍観者で居ようと思ったんだけど見事に引っ張り出されたよ。僕は禍罪の者……No.2さ。どうやら見覚えのある顔が居るね」
No.2と名乗る者はNo.5を担いだまま悠那達の方へ向かって歩いて来る。
「見覚えのある顔?」
「そうだよ…悠那。僕を忘れたのかい?」
ここでようやく気付いた。いや、気が付いてしまった。
雷で打たれたような衝撃という物が初めて分かった。と同時に疑問が浮かんで来る。
体中から嫌な汗が出て気持ち悪い。
ショックもある。
だが一番は悠真にこの男を会わせてはいけない。という気持ちが込み上げる。
「…知り合いか?」
「ふふっ……知り合いも何も、血縁者だよね。
悠那………………悠真は元気?」
そう。
目の前に居る紅いローブの男は悠真と悠那の兄である柊 悠人だった。
「な…んで! 何で柊を裏切るような真似をしたの?」
「ふふふ……裏切る? バカ言うな。裏切ったのは向こうだ……話を戻すけど、僕の人形の扱いはくれぐれも気を付けるようにね」
柊 悠人、No.2は冷静に話す。
話の中で笑ったがその笑みは憎悪が含まれているみたいで背筋ぎゾクッとした。
「…人形?」
「この学園に居るんだろ? 悠真の事さ。それじゃ、またね」
突如、悠人の足下に魔法陣が展開する。
「待って!………悠人ぉ!!」
悠那の言葉も虚しく、悠人が展開した魔法陣は目の前からスーッと消えた。




