魔法合体《ユニゾンレイド》
「…そ、それでどうやってあの上級魔法を防ぐの?」
「……魔法合体だ」
魔法合体とは文字どおり、二人の魔力を合わせて倍増させるという物だ。だが、誰にでも出来る訳ではない。
二人のタイミングが大事だ。もし、どちらかがペースを乱し、魔力の合体が遅れればその魔力は二人に返り反動を受けてしまう。命懸けなのだ。
「ま、魔法合体って…本気?あれって都市伝説みたいなのじゃなかったの」
「試した事は無い。危険だという事も分かってる…だがNo.5を倒すのはこの方法しかない」
危険を承知にまだ会ったばかりの月宵と魔法合体をしなくてはいけない。
成功すればNo.5を倒せるが、勿論失敗すれば死ぬかもしれない。
「……分かった。やろう! 私、どうすれば良い?」
「ふん…手を繋ぎ魔力を手に込めるんだ。タイミングを合わせろ…左手を前へ。詠唱は頭に浮かぶ筈だ」
言われた通り悠那は実行する。
月宵と左手を繋ぎ、繋いだ手を前へ差し出す。そして目を閉じ魔力を手に集中させる。
(…少し速すぎるかも。あ……月宵ちゃんがちゃんとリードさてくれる)
悠那と月宵の魔力が繋いだ手に集まる。
手が熱く感じる。
今なら月宵と言葉にせずとも会話が出来そうな感覚だ。
そして頭の中から文字が浮かんだ。
それは詠唱を唱える時の言葉だ。
『…魔法合体!
ディ・ヴェルサス・レ・アムステルス・ディ・リヴァーセット・アクト』
二人の魔力が合わさり、詠唱を唱える。
魔法陣は四重にも現れ金色に光っていた。
強大な魔力に周りは台風のように荒れている。
「なっ! 魔法合体だと!?
……クッ、cancel」
No.5は怖じ気ついたのか、詠唱破棄を宣言した。
「ず、ずるい! 最後まで相手しなさいよ」
「もう目的は果たしたんだ。別にお前達と戦う理由は無いんだよ」
「逃がさない……行くよ、悠那」
準備は出来た。
月宵の言葉に悠那は頷き発動と口にする。
『発動!!』
二人の前に展開した魔法陣の中、中心から炎と白い光が合わさった光線がNo.5に向かい発射された。
逃げようと背中を向けていたNo.5は逃げ切れず直撃した。
物凄い爆発音が響きその後に大きく砂煙が舞う。地面は光線をなぞって抉れている。それがこの魔法の威力を物語っていた。
「ハァ、ハァ……やったの? っと」
二人は立っているのもやっとな状態だ。
既にほとんどの魔力が失われている為、魔法は使えない。
「大丈夫か? 初めてだったが上手くいったな。それで奴はどうかな」
月宵の言葉にハッとして砂煙の先を見る。
固唾を呑んで見守っていると、だんだん砂煙が薄れてきた。




